47:逃避行の果てに(でもスタバ)
梅雨に入ってパフォーマンス落ちたんで、いつ更新できない日が来るかと思うとドキドキします。今のところは頑張ります。
一日のお勤めを終えて今日もタイムセールに参戦しようとのんびり考えながら歩いて居ると、視界の端に保育園を見つけた。もしかしたらと思う。田舎なので保育園の数は少ない。少子化の影響で子どもが居ないのでどんどん潰れてるみたい。この辺りは駅も近いので人気があるのだろう。路線価も高めだしね。そんな中で見覚えのある人影を見つけた。やっぱりと思いながら近づいていくと彼女も手を振ってくれる。
「あ、ひとみさん」
「こんにちは葵さん。お仕事中じゃないの?」
「大丈夫です。今最後の園児を見送ったところですから」
にっこりと答える葵さん。
「元気ですよね、子どもって。私、子ども大好きなんです」
天使かな? すごくいい笑顔だった。エプロンの下にたわわに実ってる包容力の塊といい、あれかな、天使じゃなくて大地母神かもしれない。
「おんやぁ? これはこれは葵さん。偶然ですねぇ」
なんというか癇に障る喋り方だ。
「何しに来たんですか?」
声が心なしか震えている。
「やだなあ、偶然だと言ったじゃないですかぁ」
「帰ってください」
「そんなつれないこと仰らずに。ちゃぁんとお話しましょうや。あなたのお父様のことについて」
ビクンッと葵さんの身体が跳ねた。これは……聞いては不味いのかもしれない。ともかく何とかこの場から逃げ出さないといけないんだけど……葵さんはガタガタ震えながら頭を抱えている。多分正気ではない。それなら、と、私は電気ショックを微弱に与えて葵さんを気絶させた。
「ミスト」
霧を発生させて視界を遮る。
「ん、なんだぁこりゃ? 霧で前が見えねえぞ」
その隙に風で浮かせて運ぶ……と霧が晴れちゃうね。なら仕方ない。足元凍らせてスケートの要領で下がる。で、霧の範囲外に出たら風の精霊に運んでもらおう。という事で
「アイスバーン」
地面を凍らせた。スケートに関しては割と得意だからコケないと思うし、なんなら風の精霊もいざとなったら使えばいい。
「ゲイル」
ある程度距離を取って大風を呼ぶ。そしてこのまま一気に飛び上がって
「フライト」
よし、計算通り。奴らは私たちを見失ったようで下の方をうろついていた。とはいえ、このままでは何の解決にもならない。乗りかかった船だし、話を聞くことにしよう。
着地してスタバに引きずり込み意識を覚醒させる。うん、私がスタバ飲みたかっただけなんだけど。でもでも、ストロベリー系は絶品だよね。あ、ないの? じゃあ始まったばかりのレモンヨーグルトでいいや。なんか都会のOLって感じするよねー。いや、ここ田舎だけどさ。とりあえず葵さんを覚醒させて話を聞くことにした。
「葵さん」
「あ、すいませんひとみさん……あの、何故私はいつの間にスタバに……」
「あー、なんか危ない気したんで緊急回避で連れてきたのよ。ここなら乱暴な事は出来ないと思うし」
葵さんはあからさまにホッとした表情を浮かべて居たが少し困ったような表情も見て取れた。
「あの、退勤できてないので荷物取りに行かないと……」
あー、なるほど。でも今日はあいつらがまだ出張ってるから危ないと思う。という事で近くにある私の家に……
「もしもし、お姉様?」
「うん、言いたいことはあるけど今回は割と助かった」
「それはようございました。では、そこに迎えを寄越しますわ」
「ん? そこって私の現在地分かってんの?」
「運命ですから」
いや、もうそれで片付けるのやめようよ! 返して私のプライバシー。
「あの、ひとみさん、私は……」
「うん、このままだと危ないので園には連絡入れて今日は私の知り合いの所に匿ってもらうといいよ」
「あの、でも、ご迷惑じゃ……」
「何言ってるの。友達が困ってたら助けるのは当たり前でしょ!」
と決めポーズ付きで言ってあげた。うん、やっぱり葵さんには笑顔の方が良く似合うね。




