32:猫と預金通帳(今日は預かりません)
ええー、やっとカギカッコが全角と半角でバラバラになってたから一字下げが上手く機能してない事に気付きました。これから気をつけようと思います。
目覚めはスッキリしないものだった。昨夜の会話が聞いてて腹が立ったからだ。あの様子だと遠くない将来、あのおじいちゃんが被害に合うだろう。お節介かもしれないけど何とかしたい……そうだ!
「あの、太田君」
「なんだい?」
「次に猫屋敷行くのはいつ?」
「猫屋敷……高宮さんの所かい? それなら約束とか必要ないから別にいつでも行けるけど?」
「それなら今日の午後とか一緒に行きたいんだけど……ダメかな?」
「それはまず支店長に許可貰った方がいいんじゃないかな?」
むう、確かに。仕方ない。支店長と交渉してこよう。
「支店長、あの……」
「お、おお、霜月君。どうしたのかね?」
あれ? なんか反応が怯えた感じなんだけど……
「あのー、ちょっと店舗周りの顧客訪問をしたいんですが」
「ああ、なんだ、そんな事かね。構わんよ。もう少ししたらボーナスも始まるからね」
「ありがとうございます。では今日の午後行ってきます!」
「そりゃ随分と急だね。まあ店内に居られるよりは……いや、なんでもない。行ってきたまえ」
ん? なんか不穏当な発言が聞こえたけど気のせいかな? まあ許可は出たから問題無し。
「どうだった?」
「大丈夫だったよ。午後から行ける」
「そうか。なら昼休みでいいから猫缶買っといて」
猫缶?
そして午後。食事を済ませて昼イチで猫屋敷……高宮さんのお家に向かう。太田君は慣れたもので直ぐに庭に回る。私も後ろからついて行った。今日は姿隠してないよ?
「誰じゃ!」
鋭いしゃがれ声が響いた。
「こんにちは、またお邪魔しに来ましたよ。はい、いつものです」
と太田君。流れるように先程買った猫缶を渡す。なるほど。
「……なんじゃ、アンタか。今日はどうした? 嫁さんでもワシに紹介するつもりか?」
猫缶を受け取りつつ高宮さんは答えた。
「違いますよ。この人はウチの店頭の担当です」
「こんにちは、霜月と申します」
「担当替えかい?」
「いえ、僕が来れない時に用事があったら彼女に来てもらおうと思いまして」
ニコニコしながら太田君。へー、しっかり営業してるな。
「それならまあええが……しかしええんか、こんなじじいの所で?」
にゃーん
!!!
居たよ、昨日丸まって寝てた子だ。白くて毛並みが良くて触り心地良さそう……可愛い。
「とまあこの様に猫好きらしくて……ここまでとは思いませんでしたが」
「……それならまあええじゃろ」
後ろの方で何か言われてるような気がするけど私としては全力でこの子と遊ぶ所存。お手出し無用に願います!
にゃんにゃかにゃんにゃん、にゃんにゃかにゃんにゃん、ふおー、肉球ぷにぷにしてる。抱き心地いーなー。少し動いてるけど割と大人しいね。モゾモゾされるとなんか毛でくすぐられてるみたい。猫アレルギーというか動物アレルギーの人居るけど絶対人生損してるよね。こんなにふわふわでモコモコの子を触れないなんて……はあ、幸せ、和むなあ……
「霜月さん、分かってるとは思うけど、今は仕事中だからね?」
そうでした! とりあえずモフるのはやめておこう。……抱っこはしたままだけど。
「という訳なのでよろしくお願いします」
「ああ、まあ、よろしくな。まあ来たら餌やる手伝いとか猫砂の交換とか頼むかもしれんぞ。ワシもそんな動ける訳じゃないからのう」
「はい、喜んで!」
私の即答に二人は笑顔を浮かべた……誰だ、苦笑いやろって言ったやつ!




