291:再会とバンパイア
ハルの吸血鬼化は当初の予定通りだったりします。というか初期に決まってたのこいつだけ.......
こたつを挟んで私、葵さんサイドとハル、ツインテ美少女サイドに分かれた。空調完璧だからこたつなんて置く必要ないんだけど無いと始まらないって言って買ってきた。しかも入って寝れるようにって長方形のやつ。いや、布団で寝ろよ。
「それでこの子は誰?」
「で、コイツはなんなのじゃ?」
ハルに私とツインテ美少女が問い掛ける。
「あー、とりあえず簡単な方から。ロニ、この人は霜月ひとみ。前に話したハイエルフになった人」
「えーと、ロニさん? よろしくお願いします」
「嫁です」
「違います」
どさくさ紛れに何を言っとる!
「で、こちらが友人の文月葵さん」
「はじめまして、ロニさん」
「こやつからも何やら得体の知れん感覚が漂ってくるんじゃが」
「あ、もう龍化が始まってるんですかね」
「なるほど、龍玉持ちか。珍しい」
どうやら博識な様だ、このロニさんとやら。
「で、この子がロニ。ルーマニアの由緒正しい吸血鬼の真祖」
「あー、まあそういう事じゃ。よろしくの」
いやまあ吸血鬼ってのはわかってたというか予想出来た話なんだけどそれが一体どうして?
「あー、私が出資してた不老不死プロジェクトでこの子を発掘した訳よ」
発掘!?
「元々ルーマニアには目をつけてて古い遺跡とかの発掘に資金援助してたんだけど、そこで発見されたのがこの子」
「まあそこからはわしから話そうかの」
ロニさんがとうとうと語りだした。
「わしらの一族は吸血鬼狩り.......クルースニクどもに追われておっての。姫たるわしだけが隠れて逃げおおせたという事じゃ。従者や家臣などもおったが恐らくは.......」
吸血鬼と言うだけで迫害されたのだろうか。いつの世も人間は理解出来ないものを排除する生き物なのだ。きっと.......
「ちょっと牛を襲って食ったり、畑の作物をいただいたり、人間の血を吸ったりしただけなのじゃが」
迷惑掛けてた! 自業自得だったよ。
「実際さー、そのまま眠ってたんだけどー、自分の血とこの子の血を混ぜたらー不老不死になれるかもってー意見が出てー、パッチテストまでやって交換輸血したのよー」
何やらかしてくれてんだ、ハル!
「それで血の契約が出来上がってしまってな。今のこいつは半分吸血鬼じゃ」
「あははー、という訳なのー」
「一番重要な話をそんなあっさりするんじゃない!」
思いっきり突っ込んだ。
「じゃあ冷蔵庫の血は?」
「あれはロニのだよ。私は普通の食べ物で大丈夫」
「新鮮な血が飲めんのは残念じゃが静かに暮らすためには仕方ないからの」
おや、昔やらかしたっていうから襲ってんのかと思ったけど。
「いや、襲うことはそんなに難しくないのじゃがそうするとクルースニクやらダンピールやらが嗅ぎつけて来るからの」
ぶるぶる震えながらロニさんは言った。よっぽど追い詰められたのが怖かったらしい。
「ハルが血の供給やら住む場所やらを提供してやるというから遠慮なく誘いに乗った訳じゃ。理解出来たか?」
まあ発掘者の責任といった所だろうか。見捨ててたら絶交もんだけどハルはそんな事しないもんね。
「それで結局ハルの身体は一体どうなっちゃったの? ハーフだかなんだか分からないけど半分吸血鬼ってどんな状態?」
「えーとね、とりあえず寿命はかなり長くなった。それは確定。ほぼ不老不死らしいよ」




