26:ゆうえんち
たーのしー!な内容になる様に頑張ったつもりです。見捨てないで!
一旦認識阻害を解いて楓ちゃんと合流した。楓ちゃんもお兄さんが気になってるみたいだしね。隣の澪ちゃんはブツブツと文句言ってたけどこれは単なる見守り隊でデートではないからね? という訳で三人で中に入る。休日の遊園地は家族連れが多く、中でもここは遊園地と動物園が一体化した近場の遊園地だから人気も高い。USJ並のでかいテーマパークはこの辺りにはないので客を取られることもそんなにないのだ。特に園内のジェットコースターはスリル満点だ。……いつ壊れるか分からないからね。
「次、あれ乗りましょう!」
先輩の声が聞こえてきた。中々上手くやってるみたいで良かった。
「お兄ったら距離遠くない? もっとぐっと肩でも抱けばいいのに」
いや、それはハードル高いよ……見たところ異性慣れしてないからどう扱っていいやらわからんだろう。妹に接するのとは違うのだよ。だって、私も年上の男性に肩抱かれたら攻撃魔法ぶちかます自信あるもん。
「ああ、あまり急ぐとまた転んでしまいますよ!」
オタオタしてるD……豊さん。
「そしたらまた抱きとめてください」
頬を染めながら微笑む先輩。あざとい! そして向かった先はウォーターコースター。
「きゃー」
ばしゃーん
水しぶきが舞ってシャツが濡れてしまっている。バスタオルは貸してくれるし、気温も低くはないので風邪をひくことはないだろう。そしてノースリーブのシャツが自己主張の激しい胸部を際立たせる様に張り付いていた。あれよね。Dはかたいわ、あの大きさ。
「びしょびしょになっちゃいましたね」
「え、ええ……」
しどろもどろになる豊さん。やっぱり胸か、胸なのかっ(血涙)
「ちょっと寒いので」
そう言うと先輩は豊さんの腕にしがみついた。うん。積極的で結構! というか先輩凄いなー。ここから見たら真っ赤になってるの丸わかりだもの。それでも頑張るんだなあ。
そのまま二人は園内を色々回って居た。お昼ご飯は園内の売店で。喫茶店のカツカレーを大盛りで食べる先輩がサンドイッチで「おなかいっぱい」って言ったのはビックリしたけど、きっと緊張で胃が縮んでたんだよ()
「あ、あそこ入りたいです」
指さした場所は定番のお化け屋敷。女の子って好きだよね、ああいうの。本当に何がいいのか全くわからないよ。大体幽霊なんて現実にいる訳ないし、非科学的な存在で人間の視覚のメカニズムと脳の働きの誤作動によって見えないものが見えてしまったりするらしいし、ありえない。
と、言う話をしたら他の二人が目をキラキラと……えっ? いや、さすがに暗闇の中に入ってまで監視することは……ねえ、しないよね、必要ないよね、え、なんで笑ってんの? なんで笑顔で近寄ってくるの、嫌だ、嫌だ、嫌だ、二人がかりだと私じゃ抵抗出来ないよ! たーすーけーてー!
「怖かった……」
そう言って先輩は豊さんに抱きついて居たらしい。豊さんはこういうの平気そうだったそうだ。「だそうだ」というのはこの辺りの記憶が私の脳内からすっぽりと抜け落ちてたから後で聞かされたんだよ……もうヤダ。おうちかえる。
当然帰して貰える訳もなく尾行をそのまま続けた。お化け屋敷から出た後も二人の距離は離れる事なくピッタリくっついて歩いていた。その頃には大分慣れて余裕が出たのか豊さんの歩き方も普通に戻っていた。園内をしばらく歩いてサルやハクチョウなどを見て回る。会話が弾んで居るようで何よりだ。楓ちゃん曰く、豊さんは動物好きで夢中になるとマシンガントークが始まるのだそうだ。楓ちゃんはいつも聞き流しているらしい。先輩はと言うと……いちいちリアクションを返してあげてる。テラー経験によって培われた「どうでもいい話に的確に相槌を打つスキル」発動中なんだろう。いや、必須技能よ? お年寄りとか割と話し相手になったら預金してくれたりするしね!
最後に向かったのは観覧車。さすがに中の声は聞こえないよねえ……って思ってたら「出来るよー」って声がかかった。風の精霊さんが音を運んでくれるそうだ。GJ! さあ、聞かせてもらおうか。観覧車の中の甘々会話を!(でもここで続く)




