225:就任、解任、もう堪忍
人事というのは色々問題が出てくるもんです。難しいですよね。
全員揃ったところでお話し合い。今回はドライアドがついてくれてる。オブザーバー的な立場だ。
「それでは今から精霊会談?を行います」
「私たちから見たらひとみんが一人で喋ってるようにしか見えないんだけどねー」
「ハル、うるさい、黙って」
「はーい」
ええと具体的な進行は分からないんだけど教えてドライアド!
「まずは最近の各精霊の状況の聴き取りからね」
お父さんが長い間会ってなかった子どもに接する時みたいな? いや、うちのパパは無口すぎて会話成立しないんだけど。なんでママはパパと結婚したのかな? 大人になるまで待っててくれたら私がママと結婚したのに。
「じゃあ、イフリートさんから」
「ふむ、わしは特にないぞ。昔と変わっておらん」
「いや、明らかにここ三十年くらいで火の精霊の数増えただろうがよ」
ベヘモスさんが突っ込んだ。ありがたい。
「そうか? まあ細かい事を気にするな」
「今はそれを調整するためにここにいるんだろうが!」
「そういえばそうじゃの」
えーと、火の精霊は増加気味。じゃあ土の精霊は?
「土の精霊は少し減っておるな。鉱物資源の採掘でだいぶ持っていかれたからな」
なるほど。土の精霊って鉱物資源と関係があるのね。
「水の精霊も減っておる。昔に比べると居る事のできる所が減っておるからの」
「風の精霊は少し増えてますね。台風とか人気なんでなりたがってて整理券配ってますよ」
んー? じゃあこないだのキャサリンは選ばれたエリートって.......いや、多分選抜試験とかじゃなくてくじなんだろう。いや、いい子だったよ? また会いたいし。
えーと、話をまとめると火の精霊と風の精霊は増えてて水の精霊と土の精霊が減ってるのか。なら火の精霊と風の精霊を配置換えした方がいいのだろう。
「じゃあ火の精霊と風の精霊の数を減らして水の精霊と土の精霊を増やしましょう」
「何? それは困る」
私の提案にイフリートさんが言った。
「火の精霊は今希望者が殺到しとるのでな」
「なんでそんなに?」
「お主の認識阻害の当番が人気でな」
私?
「ハイエルフの周りにおれば自然と良質な魔力を得ることができるからな」
つまり、私の存在が火の精霊が増えた理由.......地球温暖化の原因って私なの?
「それより前から土の精霊や水の精霊が住みにくくなったところに割り込んで火の精霊にしておったであろう?」
「そういう一面もあるな」
危うく罪を擦り付けられるところだった。
「わらわとしても水の精霊が増えてくれれば緒の御の字じゃからのう。増やして欲しいもんじゃ」
「しかし、認識阻害の役が人気というのは本当だぞ」
つまり、私の傍にいる口実が増えればいいんだよね?
となれば水なら水鏡辺りか? プラズマテレビの代わりに置くわけにもいかないしなあ。
あっ、ちょっと試してみたいんだけど.......
「あのー、肌の水分を保っておくことは出来ますか?」
「肌の水分じゃと?」
「そうです。それだと化粧とかの手間が少なくなるので」
「まあそれくらいなら造作もないが」
「ではその方向で」
やはり雇用の創出は大事だ。何もなしにただ移れって言っても従わないだろうしね。
あとは風と土なんだけど.......
「いや、土は増えても困るしなあ」
「え? 減少してたら足りなくなる じゃないですか」
「俺の仕事が増える」
ベヘモスはキッパリと言った。




