209:ひとつのことを極め抜け
やるやる詐欺って言っても構わないんですよ?(笑)
ばたんきゅー。
目の前で目がバッテンになってる令和ちゃんがいる。
「おいおい、へばってんなよ。ほら、次行くぜ」
「ま、待ってくださーい」
半泣きの令和ちゃんに晶龍君は千本ノックの様にどんどん災厄の種をぶつける。いや、いくら異空間だからってやり過ぎだろ!
「正面だ、避けんな」
「はいっ」
「次、右前」
「はいっ」
「左舷弾幕薄いぞ、何やってんの!」
「はい? はいっ!」
いや晶龍君、どこからそのネタを?
あっ、平成さんとの特訓の時に.......ってちょっと待てい!
「なんだよひとみ。邪魔してんじゃねーよ」
晶龍君がぶすっとしながら言う。でも言うことは言わなくちゃ。
「あのね、長い時間掛けて浄化するための特訓なのになんでこんな特訓してんの!」
「えっ? 特訓ってこうすんじやねーの?」
心底びっくりした顔を見せる晶龍君。ブランちゃんも「あ.......」とか言ってたから多分気付いた。
「そんなやり方で鍛えられるのは反応速度と根性だよ!」
「いや、根性あったらなんでも出来るじゃん?」
「「「できるかー!」」」
残り三人の声が綺麗にハモった。
「という訳でここからは私が監修します」
ブランちゃんが晶龍君に指示を出す。
「まず晶龍が大きな災厄の種を出します」
「こんくらいか?」
出したのはバレーボール大の災厄の種。
「で、それを人間界に投げ込みます」
「よぉーし.......」
「するなっ!」
思わずつっこんでしまった。でもこれは仕方ない。
「ブランちゃん?」
「能力を伸ばすには実践あるのみでしょ?」
「失敗したらどうするつもりよ!」
「その時は私.......ううん、ひとみが治めればいいと思います。ほら、一度破壊してからの方が建国はやりやすいって言うし?」
.......まだ諦めてなかったんか。やれやれ、これは特訓のメニューを考えなくちゃいけなくなってきたぞ。どうすれば.......
「よし、令和ちゃん。ちょっとこっちに」
「はい、なんでしょう?」
私は空間に空気を固定化させて箱を作った。
「これは.......?」
「晶龍君、ここにグーぐらいでいいから災厄の種を落として」
「んだよ、めんどくせーな」
言いながらも握り拳大の災厄の種が生まれる。
「こんな規模でも大量破壊される程に被害出るぜ?」
「はい、じゃあこの箱に頂戴な」
「へいへい」
言いながら箱に収める。そんで封印。と言っても開かなくするだけだけど。
「はい、令和ちゃん」
「え?」
「とりあえず三日以内に鎮めきらないと中身が暴れ出すようにしたから」
はったりである。ひとつ間違ったら世界の危機とか寝覚めが悪い。だけど危機感は持たせる必要があるのだ。嘘も方便である。
「ひぃぃぃぃぃぃ」
「そういや晶龍君、コツとかあるの?」
「いや、知らんけど心を静かにするとか言ってたなあ。知らんけど」
知ってるじゃん!
そういうのでいいんだよ。てことは精神的に落ち着いた方がいいから精霊を呼び出して.......サンドマンだと寝ちゃうしシェイドだと気絶しちゃうしライトだと眩しいし.......どうするかね。
とりあえず語りかけよう。
聞こえますか?
私は今あなたに直接語り掛けています。
落ち着きなさい。失敗を恐れてはいけません。
失敗しても私がなんとかしますから。
私の脳内ボイスに落ち着いたのか令和ちゃんのパニックが止まった。よし、じゃあやってみよう!




