183:見え過ぎなんじゃないの?
何が、とは申しません(笑)
今日はお客さんが来るそうだから私も実家に帰る。片道は遠いけどママのところに帰るのに苦にはならない。
なんで一人暮らししたのかって?
自立しろって言われたからだよ!
ともかく仕事終わって電車に揺られてのんびりと。いや、のんびりし過ぎると乗り越すからね。次の電車とか一時間は待たないといけないから死活問題だ。
人目気にしなきゃなんとでもなるけどね。
「ただいま」
乗り過ごす事なしに無事に実家に着いた。そのまま玄関に入ると見慣れない靴があった。これは小雪ちゃんのか。まだ帰ってなかったのね。
「おかえりなさい、ひとみさん」
葵さんが出迎えてくれた。カバンを受け取ってくれて上着を掛けてくれたりして……なんか新婚みたいなかいがいしさだ。
「ご飯になさいますか、それともお風呂になさいますか?」
残念ながら「葵さんで」なんて選択肢は用意されてなかったらしい。言われても困るけどね。
「疲れたからお風呂に入りたいです」
「そうですか。では、ごゆっくり」
湯舟に身を沈める。一人だとお風呂わかさないもんね。しかもウチのお風呂は広いから足が伸ばせる。そんな所に幸せを感じるのだ。
「入りますわよ」
「えっ?」
ガラガラとお風呂のドアが開いて二人の美少女が現れた。
一人は雪のように白い肌、瞳の色はブルーで空の色をそのまま写しこんだように澄み切っている。女性としての成長はまだまだだが若さというエネルギーに満ちたハリのあるピチピチの肌。そしてどことなく溢れる気品。
「ブランちゃん?」
「たまには一緒に入りましょう」
ニッコリと笑いながら湯舟に入ろうとする。
「ダメだよブランちゃん、先に身体を洗わないと……」
もう一人の人物が声を掛ける。肌の色は負けじと白い。ただ、健康的ではなく少し病的な、日光の元に出ていない白さである。目は前髪に隠れてよく見えないが、顔立ち的にはかなり整っている。凹凸はブランちゃんに比べたらある方だった。
「あなたが小雪ちゃん?」
いや、知ってるんだけど初対面だからね。無難な受け答えにしておかなければならない。
「はい、太田小雪です。ブランちゃんと晶龍君には仲良くしてもらってます」
「あー、うん。大変かもだけどよろしくね」
分かってたけどとてもいい子だ。
「あっ、お前ら風呂入ってんの? 俺も入るわ」
「ちょっと、覗きするつもり?」
「はあ? お前の裸なんか見るつもりねえよ!」
「私も居るからね」
「あっ、ひとみも居るのか。じゃあ後でいいわ」
私は別に平気だけど今日はこの子、小雪ちゃんが居るからね。
スポンジに石鹸をつけて丁寧に洗う。洗いにくいところはお互いに洗いっこ。石鹸が滑るのかたまに転んだりする。私も身体は洗ったものの「洗いたい」と主張する二人に抗いきれず身を委ねた。
「ひとみは洗いやすいわ」
「そう? 身長なら葵さんの方が低いから近くて洗いやすいでしょ?」
「だって葵先生は余計なものがついてるから。ひとみぐらいシンプルだと洗いやすいのよね」
しみじみと言ってるブランちゃんの視線がどこにあるかなんて注意しなくても分かる。あーあー、すいませんね、真っ平らですよ!
「でも、ひとみさんってとても綺麗ですよね」
「へ?」
そんなことあまり言われたことないな。ハルは何も言わないで触ってくるし、澪ちゃんは欲望ダダ漏れだし。
「なんか生命力に溢れているような感覚がするんです」
「へえ、そんなの分かるんだ」
「なんとなくですけど」
みんなで湯舟に浸かって二人は百まで数えさせる。ちゃんと温まったら上がってご飯だよ。




