173:初陣
とりあえずブランちゃんと晶龍君はちゃんと教育されました。大事だよね、教育。
つまらないからに決まってる。なるほど。これが学級崩壊かあ。とりあえずこの子はリーダー格なのかな?
「つまらないのはあなたに理解力がないからだと思いますけど?」
「あー、確かにわかんねーとつまんねえもんな」
「なっ!?」
いやいや君たち二人は葵さんがしっかり興味引くように教えてくれたし、未知なものが沢山だからまだ分かったんでしょ。多分この子は……
「知ってる事ばかり習うんだもの。面白い訳ないじゃない。塾で全部習ってるもん」
あー、やっぱりか。学習塾で授業よりも先の内容をやってる所がある。そういうのは予習形式でわかりやすいのかもしれないけど学校の勉強を教えてもらわなくても塾で習うから平気なんて事になるのだろう。
「知ってる事ばかりなら学校に来なくてもいいんじゃねーの?」
「バカね。勉強以外にも社会について学べって言われたでしょうが」
「それも知ってんじゃねーの? 偉そうだし」
相手の子は顔を真っ赤にして怒っている。
「ちょっとあんたたち、なんなのよ! いきなり来て転校生の分際で生意気な! あたしを誰だと思ってるの?」
「いや、知らねーし」
そりゃそうだ。この子が誰かなんて私も知らない。有名な子?
「知らないですって、私を? だったら教えてあげるわ」
机の上に上がって腰に手を当てて……堂々としたものだ。下いくとスカートの中身見えるけどね。
「私のパパは小城森興産の取締役なのよ!」
小城森興産と言えばこの街の根幹となる企業。企業城下町のこの街においては影響力は絶大。そんな企業の取締役の娘ともなれば確かに偉く思うだろう。
「へー、知らねーけど」
「そうですね。それにパパが偉いからと言って娘が偉いわけでもないですし」
「あんたら……絶対許さないわよ」
なんというかこの二人には全然関係ない。異世界の女王様と竜王の息子だもんな。
「私は天宮寺心音」
「ああ、そういや自己紹介まだだったな。敖晶龍だ。親父は香港で重役とかやってる」
「えっ?」
思わず声が漏れたようだ。重役なら少なくとも同格。小城森興産も多国籍展開はしているがどっちが上とは言えない。
「私はブラン・スノードロップです」
「あなたは普通なの?」
「こちらには交換留学で来てます。本国では王家ですけど」
「ひうっ」
あ、これは完全にノックアウト。さすがに一企業の重役ぐらいで女王様に勝てるわけがない。
「何か不都合でもありましたか?」
にっこりと微笑むブランちゃん。誰だ、こんなこと教えたのは!
「い、いえ、その、別に……」
完全に何も言えなくなってしまった天宮寺さん。まあこれは仕方ないかな。とまあそんなやり取りがされて教室内が静寂に包まれた。
「で、では、お二人の席は後ろの空いてる二つということで……」
「わかりました。ありがとうございます、先生」
「はーい」
うんうん。二人ともちゃんと先生の言うこと聞いてるね。聞いてなかったら後でおしおきのつもりだったけどこれは心配要らないかな。
まあ今日は一日見させてもらうけどね。ドライアドちゃんからも緊急連絡来てないし、このままのんびり参観させて貰おう。
ホームルームが終わって授業。一時間目が終わると男子も女子も二人の周りに集まった。転校生名物質問責めである。まあこの対処法もちゃんと事前にやっておいたからボロは出すまい……
「こいつ王族って言ってたけど俺ん所も王族だからな!」
な ん だ と
そんな話は今、せんでええんや!




