168:“それから”と“これから”
まだ世界征服諦めていないご様子(笑)
今回は有耶無耶にしましたがまた再燃するかもですね!
「ううっ、ひでえ目に合った……」
半泣きになりながら晶龍君がボヤいた。
「迷惑かかるのを放置しておくわけにもいかないもの」
「で、こいつは私の手下にしていいのです?」
「いや、ブランちゃん? 手下増やして何をするつもり?」
「決まっています。世界征服です!」
諦めたんじゃなかったんかい!
葵さん、説明プリーズ。
「えーとですね、一通りの小学校で勉強する事柄とか楽々クリアしたので世の中の事についてネットを見せたんですが……」
「私と変わらぬ歳の女性があられもない姿になっておる絵が大量にあるのです。この世界は腐っています!」
いや、それ、二次元だから現実との区別を……と思ったけどブランちゃん元々二次元の住人やった。
というかブランちゃん百歳超えてるのはノータッチなの?
「なんで俺がお前の下につかなきゃいけねーんだよ!」
だいぶ回復したようで、晶龍君が悪態をついた。
「あなたが私のルークに潰されたからに決まってるでしょう」
「あれは不意をつかれただけだ。まともにやったら屁でもねえよ」
「それならもう一度食らわしてあげましょう。覚悟は良いかしら?」
ブランちゃんが片手をあげると世界の境界が歪む。自分のいた世界との扉を繋ぎ呼び出す魔法。呼び出したのはルーク。戦車や砦のモチーフ。先程は戦車で出てきたので今回も戦車。砲塔が真っ直ぐ晶龍君を狙っていた。
晶龍君は両手を広げた。幼くとも東海青龍王の実子である。天候の操作などお手の物である。激しい風雨が上空を渦巻いて溜まったプラズマがときどき漏れだしそうになる。その圧縮された物が真っ直ぐブランちゃんを狙っていた。
同時に放たれるルークの主砲とプラズマボール。その二つは……お互いに届くことはなかった。というか私が止めた。主砲は弾き返してルークにめり込んだし、プラズマボールは受け止めて握り潰した。
「はい、そこまで。二人とも喧嘩はやめてね」
さすがに県の観光名所に被害出したくないもんなあ。
「でもこいつが……」
「だってこの方が……」
ふむ、見事に張り合ってる。ならば……
「ねえ、あなたもうちでお勉強しなさい」
「「はあ?」」
一人教えるのも二人教えるのも同じだしね。この子には一般常識が必要そうだ。
「私の実家で畑仕事手伝いながら今の世の中の事を勉強しなさい」
「畑仕事ぉ? なんで俺様がそんな作業しねえといけねえんだよ!」
「見て見ぬふり出来ないもの」
「ぐぅ……逆らってもどうにもなりそうもないしな。分かったよ。とりあえずその条件は飲むわ」
無事説得成功である。
「というわけで葵さんよろしくお願いします」
「はあ、まあ、一人増えてもそんな影響はありませんけど……という事は来月からこの子も小学校に行くんですか?」
あー、そうだね。あまり休ませるのも悪いしなあ。オーナーがハルとは言え。
「小学校であなたとの決着、着けてあげますわよ」
「はっ、おもしれえ。売られた喧嘩は買う質だ。返り討ちにしてやるよ」
まあ平和的な内容で競い合うならいいんじゃないかな?
とりあえず連れて帰って色々やらなきゃなあ。
あ、そう言えば入学の手続きとかってどうなったん?、
「それでしたら手は回してありますわ。今さら一人増えたところで手間は変わりませんからご安心を」
澪ちゃんも動いてくれてたのね。なんかどんどん借りを作ってる気がする。




