163:レディ・ジャスティス Sword and Scales
という訳で報復編終わりです。書いてて色々考えました。三井さんとか覚えてる?
次は明るい感じにする予定です。
改めて、私は思ったよりもみんなに支えられてたんだなと思ってしまいました。めちゃくちゃにしていいならどうとでもなるとは思うけど穏便に済ませたい時に私の力は目立ちすぎる。
どっかのテログループに所属するとか傭兵になるとかなら多分最強の存在にはなれる。でも、私は今がいい。日常の生活でみんなが居て笑ってくれてるこの暮らしがいいのだ。
「……それはいいですけど、この状態じゃ使いものにならないと思いますけど?」
「あ、うん、ごめん。ちょっと坂本さんが先走っちゃったみたい」
坂本さんを帰したあと、澪ちゃんを呼び込んで二人の処理を相談することにしたのだが。
確かに坂本さんは「もういいんです」と言っていた。それは「考えつく限りの拷問はやったからもう十分です」って意味だったのかもしれない。
もう肉体的にはボロボロだもの。
「中途半端に壊すくらいならいっそ丸太にでもした方がいいのでは?」
発言ヤバいよ! そんなこと堂々と言っちゃダメ。
とりあえず生かしておかないと。これから先、この人たちは自分のした事の愚かさを一生噛みしめながら生きていくことになる。別に優しさでもなんでもない。
とりあえず働けるように治療はしとこう。人体の仕組みはちゃんと習ってるし、骨の形とか血管の仕組みとかも分かってるので明確に正常な身体をイメージしつつ魔法をかける。
「リペア」
肉体的な損傷が治療され、二人は動ける様になった。
「動ける……? アンタ、よくも!」
近藤夫人が飛びかかってきた。
「ウインドカッター」
ブツンと足が切れた。膝から下を失い転がり回る近藤夫人。
「エアプレッシャー」
空気で抑えこんで足をくっつけて治療した。
「リペア」
見る間に足がくっついて動ける様になる。
「何回やってもいいですよ?」
「えげつないですわ、お姉様……」
欠損して劣化することも無いから何度でもやり直しOK! 精神がもつかどうかはまた別の話。
結局二人はこのまま船便でアフリカへ。奴隷海岸から逆輸入か!? あ、反対側だからそっちまで行かない。そうですか。
柳家の所有する南アフリカの金鉱山の飯場に一人一人で別れて派遣した。最初は嫌がっていたけど旦那さんたちの事を聞いて観念したらしい。
その旦那さんたちだが、近藤氏は水産会社を失って放り出された所に脱税と強姦容疑で逮捕。そのまま十年くらい出てこれないだろう。出てきても今度は脱税の追徴課税が億単位で降ってくるのだ。
西郷氏は取締役を追われた後、社内の悪い内容の罪を全部引っ被って退職。警察OBとしてやりたい放題やっていたから今ではヤクザ者に追われてるらしい。
二人とも何故か財産がほとんどなくて債権者がカンカンだったらしい。
まあ、これで住みやすくなったかな、この街も。さて、明日からまた仕事頑張らなきゃね。
そんな私はこんな会話が交わされてるなんて少しも思ってなかったのです。
「今回は随分と派手に動いた様だな」
「はい、隠蔽には苦労しました」
「それでいい。とにかく今は静観しておかねばな」
「ご安心を。ちゃんと監視の目は光らせております」
薄暗い部屋の中で偉そうなおっさんが男女二人と会話をしていた。
「アメリカやロシア、中国に知れたら大事だからな」
「にわかには信じられんかったが君のレポートのお陰で早めに手を打つことも可能だったよ、三井くん」
「引き続き牧野と共に監視にあたらせていただきます」
「我が国の安全の為に……頼むぞ」
と言われても私は別に悪くないよね?
大丈夫。もうこんな事件起こらないだろうからめいっぱい遊びますよ!
……仕事は仕事でするから冬のボーナス時期の前に遊ばせてください。




