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快適なエルフ生活の過ごし方  作者: ぺるがもん
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162:わかってない

これ含めてあと二話程度でこのエピソード畳もうと思います。次はあのキャラが再登場予定です!

 怨みというか負の感情は人を鬼にするとはよく言ったものです。あるいは昔話の鬼もそういった負の感情に囚われた人の成れの果てなのかもしれません。

 一番怖いのは人の心ということでしょうか。


 坂本さんはしばらく肉体的な拷問をしてましたがやがて疲れたのか何も与えず放置しておくことにしたみたいです。復讐は何も産まない生産性のない行為ですがそれが必要な人もいるのです。坂本さんは「疲れた」としばらく眠ると起きた時にはスッキリした顔になっていました。


「おはようございます」

「あ、おはようございます。よく眠れましたか?」

「はい、お陰様で。恨んでる気持ちはまだありますがもういいやと思ってしまいました」


 恨みはなくなってないが気が抜けたという所だろう。狂気に囚われた心が快復したのだと思う。


「それなら良かった。ちょっと坂本さんの顔見るのが辛かったですから」

「ごめんなさい……」


 能楽の面に般若というのがある。モチーフは嫉妬や怨みに狂った女の顔だそうだが本当にそういう顔していた。私が「はんにゃ!」とか面白半分でやってるのとは訳が違う。


 床に転がってる二人は爪が剥がされ、指は折られ、歯は砕かれ、吐瀉物に塗れて転がっている。触りたくない。


「寝てたら、お母さんが夢に出てきました。「ありがとう、でももういいのよ」って言ってくれて……私、私……」

「きっとお母さんがずっと見ててくれたんですね」

「はい。だからもういいんです」


 もういいって言われてもこの状況だとこの二人を解放したら警察とかに駆け込まれてアウトだからなあ……まあやってきた事の証拠は揃ってるから訴えれば勝てるけど相殺するとかそういう訳でもなし。

 黒木さんに頼んでマグロ漁船? いやいや、女性がマグロ漁船ってのもね。もたないもたない。


 色を売れるような容姿でもないから鉱山かどっかの飯場に持っていくくらいか。


 坂本さんには「お任せします」って言われたから遠慮なく出来る。黒木さんに聞いてみるか。


「それならあの嬢ちゃんが持ってんだろ。日本の黒幕の孫娘だ。いくらでも都合つくだろ」


 あー、澪ちゃんか。正直巻き込みたくはない。未成年にこんな世界を教えたくないんだよね。


「それは違うんじゃねえか?」

「え?」

「何も知らん蝶よ花よと育てられた深窓のお嬢様ならともかく、あの嬢ちゃんは陰謀渦巻く世界で生きてきてんだからそれくらいでどうにかなったりしねえよ。むしろ声掛けねえ方が悲しむぜ」


 確かにそうなのかもしれない。汚いモノから遠ざけるだけが愛じゃないもんね。


「黒木さん……」

「なんだ?」

「頭よかったんですね」

「ふざけてんのか!?」


 黒木さんとの通話を終わらせた後に呼吸を整えて澪ちゃんに電話する。コール音が鳴りかけた瞬間通話が始まった。


「お待ちしておりましたわお姉様」

「……なんですぐ出れたの?」

「愛です」

「見てたの?」

「ハルさんだけズルいと思います。チャンスは平等に与えてください。私だってお姉様のお役に立てますもの」


 あー、そう言えばこの子、生粋のストーカーだったな……発信機とか仕掛けられてないよね?


「それはともかく、外国の鉱山でしたらいくつかアテがありますからそっちを当たります。行方不明が事件にならない様に報道も抑えておきましたのでご安心を」


 あー、そっち考えてなかった。てことは筒抜けでバックアップしてもらってたってことか。参ったなあ。


「ありがとね。今度お礼するから何がいいか考えといて」

「ん? 今なんでもするって……」

「言ってない!」

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