151:特別(エクセプション)
暴れ方が足りない? まあ魔法使ってませんしね。次回は使うんじゃないかな?(てきとう)
「困りますね、お客様。そんなすぐに返すと言われましても」
「一日も借りてないのだし利息を返す必要は無いわよね?」
強面男はまだ笑顔のままだ。似合わないなあ。
「うちでは借りていただいた日に一ヶ月分の利息を取ってるんですよ」
「それ、法律違反でしょう? 貸金業法知ってますか?」
「うちは貸金業法とは関係の無い所でしてね。銀行員のお嬢さんなら言ってる意味は分かるでしょう?」
男が獰猛な笑みを見せた。その笑みに坂本さんは震え上がってる。まあつまりは闇金に属する所でだいたいバックにはヤクザがついてる。
「バックは?」
「地元のちゃちな組織じゃねえ。関西だよ。それも名前を聞いたら一般人でも分かっちまうようなだ」
あー、良かった。私は電話を取り出した。
「あ、もしもし? 例の件でちょっとオタクがバックに居るっていう闇金に来てるんだけど……あ、代われ? はいはい」
携帯電話を闇金の社長に渡す。
「なんだ? 誰だあんた? あ、くっ、黒木さん? 本部の? いえ、ご無沙汰してます! あ、お知り合い? そうですかそうですか。ええ、大丈夫です。ちゃんとしますから。はい? 従わなかったら潰せって本部からの通達? あ、回ってきて……まさかあの「魔女」って、はい、確かすごい美人でペチャパイの銀行員ですが……わかりました」
おい、ちょっと待て! なんか今聞き捨てならないセリフなかったか?
後で黒木さんにどういうことか聞いておこう。
「あー、すいません、どうも」
強面の男が揉み手をして携帯を返してきた。
「こちらの落ち度でしたのでお利息は無しと言うことで構いません。あの、些少ですがお車代など……」
「いや、要りません」
「そ、そこをなんとか、受け取ってください、お願いします」
「私ら歩いて来ましたから良いです。それよりも坂本さんの勤め先のお話ですが」
男の顔が凍りついたと思ったらかなり慌て始めた。
「すぐ、今すぐ、こっちに呼びますので!」
「そう? じゃあ待たせてもらいましょう」
私はソファに腰を下ろした。坂本さんも一緒だ。不安そうに彼女が言う。
「あの、これは一体……どうなってるのでしょうか?」
「気にしないで。大丈夫だから」
にこやかに話してるとお茶を入れてくれた。リプ〇ンかな? インスタントっぽい味だ。やがて外がうるさくなり男が入ってきた。若くてチャラチャラしてる男だ。
「江田野さん、こりゃどーいうことですかね?」
「おお、村田さん、よく来てくれた。今日紹介する予定の女性の事でね」
「ああん? おっ、こりゃいい女が二人も。仕込みがいがありますね。一人はちょっと胸がねえが上玉だし問題ねえだろ」
さっきから黙ってりゃペチャパイだの胸が無いだの残念だのまな板だの……うるさいわ、お前らー!
坂本さんの胸は巨乳って言う範疇に入るくらいだから確実に私の事だ。私の事だよなあ、ああん?
「ばばばばばばかやろう、そそそそそそのお方は通達回って来てた「魔女」なんだぞ!」
「うぇ!? 「魔女」ってあの手出ししたら即破門って……」
お前らの破門もクソも知るか!
一寸刻み五分試しにじわじわと嬲り殺してやる!
……って思ったけど今魔法使うと坂本さんにバレるんだよなあ。証拠隠滅もなんか難しそうだし。
「今のは聞かなかったことにします。そういう訳ですのでこの人の事は無かったことにしてくださいね」
ニコッと最高の笑顔で二人を見た。
二人は破門が余程恐ろしいのかガクガク震えながら首を縦に振った。
さあ、帰りましょうか坂本さん。
あれ? なんで坂本さんまで震えてるんです? しかも土下座まで……




