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快適なエルフ生活の過ごし方  作者: ぺるがもん
152/1275

150:オーダー! 守れ、信念!

暴れ回るまで行きませんでした。すいません。次こそは必ず!(悪の幹部感)

 再び坂本さんと会う。私は封筒を持って待ち合わせ場所に向かった。

 坂本さんはもう座ってコーヒーを飲んでいた。あれ? 少しやつれた様な……


「お待ちしておりました」


 丁寧に出迎えてくれる。私は向かい側に座ると同じ様にコーヒーを頼んでカバンから封筒を取り出してテーブルに置いた。


 この封筒にはあの二人の個人情報が入ってる。

 犯罪?

 百も承知だよ。でもこれは覚悟を知るための試金石だ。それに原本は弄ってない。グレムリンに頼んで間違ってプリントアウトされてしかも記録が残ってないようにしただけだ。アクセスキーは私のだけど記録は残ってないから追えないはず。


「これがあの二人の個人情報です」

「ありがとうございます」


 そう言って彼女は札束を出した。二百万。それがこの情報の対価として私が求めた金額だった。

 ロハで助けるなんて都合のいい事を会って間もないのに信じるはずがないじゃない。

 諦めるならそれも良し。彼女には幸せになってもらってこっちで勝手にやらせてもらう。


 だけど彼女は現金を用意した。つまり、放っておいても止まらない。下手したら街で出会った時に包丁でも抱えてつっこみそうだ。そうなったらこっちが犯罪者になる。それは余りにも酷い。

 だから説得するしかないんだよ。


「これを渡す前に聞かせてください。何に使うのですか?」


 住所がわかった程度で取るような行動は自爆特攻か執拗な嫌がらせ程度の事。


「何も、考えてません、まだ」


 坂本さんはポツリと言った。


「でも、母の無念を晴らすためには少しでも情報が必要なんです」

「その情報に二百万を?」

「ええ、自宅住所とかまでは無理でしたから。それに銀行の個人情報なら取引先とかも分かるかなと思って」


 多分もうこれは止まらない。引き金はとうに引いちゃってる。それは旅行に参加する事を決めた時だろう。


「私も手伝うわ」

「え?」


 私の言葉に耳を疑ったのかビックリした様子でこっちを見ていた。


「私もあなたのやりたい事を手伝うと言ったのよ」

「どうしてあなたが? 全然関係無いじゃない」

「私はママが大好きなの。だから同じ様に母親の仇を取りたいって気持ちわかるもの。私だってママが酷いことされたら世界でも滅ぼしてやろうって気になるから」


 熱く語ったら今日初めて坂本さんが笑った。険しい顔をしているよりよっぽど良い。


「あなた、母親の事「ママ」って呼ぶのね。意外だわ」


 えっ、そこなの?

 だってママはママだもん。

 他になんて呼んだら……女神とか?


「わかった。じゃああなたも共犯者ね。そろそろ行かないといけないから今日はこれでまた連絡するわ」

「これから仕事?」

「ええ、これから初出勤なのよ」


 嫌な予感がする。初出勤ってまさか……


「そのお金を作る為に借金したからそういうお店にね」

「い、要らない要らない。だから突っ返してそういう仕事もやめよ?」


 さすがに自分が原因で風俗落ちとかされたら嫌すぎる。


「でも、利息とか払わないと」

「交渉するわよ、銀行員なんだから」

「いいの? だったら一緒に着いてきて欲しいのだけど」

「行きましょ」


 そう言って案内されたのはボロっちいビル。貼り紙には「三百万まで即融資」みたいな文言。あー、これ、ほぼ闇金だわ。これなら遠慮は要らなそう。


「こんにちは」


 バタンとドアを開けて中に入る。


「いらっしゃいませ」


 受付の女性が出迎えてくれた。


「お金、返しに来ました」

「はい? ああ、あなたは先程借りられた……もうご返済ですか?」

「はい、申し訳ありません」

「少々お待ちください」


 そう言って受付の方が消えると奥から強面の男が笑顔をはりつかせて出て来た。

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