149:冒険と日常と
ストーカー澪ちゃん説得回です。暴れ回るのは次回だよ!
帰ってすぐ行ったのは黒木さんの事務所。
「やっほー、黒木さん居る?」って入って二人の調査を依頼した。
「問題起こされると厄介なんだがよ……」
「だって慣れてるでしょう? こういうの」
私の目の前で黒木さんが頭を抱えている。
「債権取立とかはな。まあ自分で動いて派手な事やられるよりかはある程度情報渡した方が良さそうだしな。その代わりあまり激しく動いてくれるなよ?」
釘をさされてしまった。だ が こ と わ る。言わないけど。他人のであろうと自分のであろうと母親を蔑ろにする輩は万死に値するのです!
というか純粋に許せないでしょ、あれ。
それから二、三日は何事もなく進んだ。坂本さんにも会いに行った。同じ西部地区で助かった。電車で三十分くらいだもの。とりあえず今は準備中という事で準備出来たらまた連絡するとメアドを交換した。思えばこれが失策だったのかもしれない。
一言で言うとバレました、澪ちゃんに。最近忘れがちというか気にも留めて無かったしなんならだいたい一緒に行動してたから失念してたけど、この子、ガチのストーカーだったわ。
坂本さんに会いに行った次の日に仕事終わりに待ち伏せされていきなり拉致られたんだけど……澪ちゃんだってすぐ気がついたし、抜けようと思えばいつでもできたから様子見てたんだけど、私と坂本さんの密会を撮影してたらしく、縛ったままで上映会が始まりました。
「お姉様、どういうことか説明してくださいますね」
疑問形ですらない。拒否権ないの?
「いや、さすがに他人の秘密を話す訳には……」
「あんな美人と何で密会なんてしてるんですか!」
「いや、確かに坂本さんは美人というか安心する顔してるけど……」
「お姉様はああいうお顔が好みなんですか? それでしたら私もプチ整形してきますわ。ええ、してきますとも!」
「とりあえず話を聞いてくれないかな、澪ちゃん」
「……わかりました」
渋々だけど大人しくなってくれた。でもロープ解いてくれないのね。
「澪ちゃん、今回の件は個人のプライバシーがかかってる。私は無闇に話すつもりはないよ」
それに私はこの子たちをこんな危険な話には巻き込みたくない。タピオカの時とか? いや、肉体的に危険は私が守れば良いんだよ。問題は心にダメージ負う方だ。こんな世界知らなくていいよ。
だから私は風の刃でロープを切った。
「ゴメンね。これ以上は話せない。今回はそういう話なの」
私の強い態度に澪ちゃんも渋々だが引いてくれた。
「わかりました。ですが、私に出来ることなら何でもしますのでその時は言ってください」
「そうね、その時はお願い」
これくらいがせいぜいだろう。そうこうしてるうちに黒木さんから電話が来た。出前迅速だね。
近藤さんの旦那は会社社長。それなりに大きい水産加工会社だ。地元出身の政治家にも金を渡しているみたい。本人はかなりの女好きで随分やんちゃもやってるみたい。
西郷さんの旦那は会社役員。県内どころか周辺の県の警察が天下りする警備会社の役員だ。なるほど、警察にも圧力はかけやすい様だ。賄賂を貰ってるっていう噂もチラホラ。
オマケにこいつら揃って地元のヤクザとつるんでるそうな。提携先らしく殴り込みに行くなら縁を切るから直前に連絡してくれって。まあ良いけどね。
ともかく情報はゲットできたから後は殴り込みかなあ。とりあえず坂本さんと相談して絵図面描かないとね。




