142:愛し愛されて生きるのさ
そろそろブランちゃん襲来編はおしまい。小学校に上がるまでしばらくお待ちください。時々出てくるけどね(笑)
「という訳でブランちゃんにはこちらでホームステイしてしばらく教育を受けてもらいます」
「はあ? なんでこんなド田舎……あ、いえ、喜んで!」
ブランちゃんは快く承諾してくれました。やっぱり子どもは素直が一番だよね。
「ビショップさんもこちらの常識は一緒に学んでもらってそのあとマナーとか王族の教育に必要なものはお任せします」
「お気遣いありがとうございます」
「なんかあったらママを頼ってもらっていいんで」
「なんでただのに……ありがとうございます、助かります!」
葵さんが「一緒にがんばりましょう」ってブランちゃんに声をかけてくれた。こういう細やかさがいい所だよね。本当に頼りになります。
とりあえず今日は一日ここでのんびりママの手伝いやって夕方には帰るって予定で。それ以降だとさすがに高校生組に負担がかかりすぎるので。
お昼からは畑仕事に。葵さんはブランちゃんとオリエンテーション。ハルたちはビショップさんも連れて買い出し。ブランちゃんたちのものとか勉強に必要な小道具とかを揃えるんだって。まあ確かにホワイトボードとか色々欲しいか。
私はママと二人で畑仕事。
「ねえ、ひとみ、私も魔法使ってみたいんだけどどうしたらいい?」
「うーん、多分ママには難しいと思うよ。精霊とか見えないだろうし、話も出来ないだろうし」
私としてもママのお願いは最大限聞いてあげたいけど……
「出来ないことはないけど?」
「は? ドライアド、今なんて?」
「いや、魔力回路を刻みつければ人間でも魔法は使えるよ。昔にもそれで魔法使ってた人いたし」
マジか!? あー、でもそんな事言ってた気がするなあ。
「ちなみにどうやって刻むの?」
「えーと、まず焼けた火箸で焼印を……」
却下だ、却下!
ママのお肌に傷なんかつけられてたまるか!
……いや、普通に畑仕事してれば傷とかすぐつくんだけど、それとこれとは話が別。
「ひとみ?」
「あ、はい、ごめんなさい、ママ。聞いてみたけどやっぱり出来ないみたい」
「あら、そうなのね。残念だわ」
ママに嘘をついてしまった……でも仕方ないよね。危なすぎて実行するわけにいかないもの。
「せっかく水やりとか楽になると思ったんだけど……」
「ああ、それなら土の精霊と水の精霊に良いようにやっといてってお願いしとくから大丈夫だよ」
「あら、そうなの? 嬉しいわ、ありがとうね、ひとみ」
ママがぎゅーっと抱き締めてくれた。
うほほほほほほほほほほほーい!
気持ちいい、柔らかい、いい匂いする、安心する、暖かい、安らぐ、癒される、疲れが取れていく、頭が蕩ける……
もうずっとこのまま居たいなあ……
あ、精霊さん達、畑の方よろしくね。私はもうちょいこの感触を堪能するから。魔力? 持ってって持ってって! 歩けなくなるぐらいまで持ってって良いから。
いや、むしろ歩けなくなったらそれを口実にママに抱っこして貰えるから。よし、それで行こう。バッチコイ、カモォーン!
え? もう吸いきれません? これ以上は上位精霊とかじゃないと無理? 何言ってんの、全然まだまだ余裕なんですけど、それでも精霊なの? もっと根性出して吸いなさいよ、ほらぁ!
などとやってるうちに日は暮れた。よく考えたらママには魔力が枯渇したとかわからないんだから枯渇したフリして甘えれば良かったんだよね……頭回ってないわ。
みんなが帰って来てセッティングして私たちは帰宅。葵さんとブランちゃんたちだけ泊まってオリエンテーションの続きをするらしい。
名残り惜しいけど帰るよ。仕事頑張るからまた甘えに来るね、ママ!




