133:人類皆征服
とりあえず走り出そうとするブランちゃんをご堪能ください。私の脳内CVは久野美咲さんです(どうでもいい)
騒がれても困るのでブランちゃんには中に入ってもらった。玄関先で騒がれると近所迷惑だからね。
「しかし、えらく狭い所よねえ」
ほっとけ! 銀行員の安月給だとこんな所しか借りれないんだよ!それでもかなり破格な物件なんだぞ?
1DKで四万円。お風呂もトイレも個室。収納スペースはそんなにないけど私は物を溜め込まないから平気。
「とりあえずご飯にしましょ。お腹すいたわ。ブランちゃんも食べる?」
「私はクッキーがいいな」
「お菓子じゃなくて食事だからね。ワガママは許しませんよ」
「えー、でもぉ……」
「ゆ、る、し、ま、せ、ん、よ?(ニッコリ)」
「は、はいっ」
大変いいお返事を貰ったので私は適当に晩御飯を作る。材料はまあ買い置きのがあるからなんとかなるだろうから野菜炒めでいいかな。お肉も気持ち入れて。
料理が出来たのでお皿によそってあげる。ハルが来た時のためにお皿は用意してあるから問題は無い。あ、でもお箸は無理だね。フォークにしますか。
「なんですか、これは?」
「野菜炒めだけど?」
「この世界では草を食べるのですか?」
「いや、草って言うか野菜だし……」
「それに獣の肉まで……生臭い、野蛮な食べ物ですわね」
「嫌なら食べなくていいから。というか今すぐ出ていってもいいのよ?」
「…………すみませんでした。いただきます」
マウント取れると思うなよ? ここは私の家だぞ。
パクリ
「何これ、うっま!」
ブランちゃんから大絶賛を貰った。まあ最近というか料理やってると精霊たちがお手伝いしてくれて水の量とか火加減とか完璧にしてくれるので変なものを作らない限りは美味しくできるのである。
ブランちゃんはおこちゃまだから少し濃いめに味付け。材料があればケーキとか焼いてあげるんだけどわざわざ買いに行くのも手間だからね。
「えーと、ごちそうさまでした。褒めて遣わす」
「それは良かった。じゃあ次はお風呂入りましょうか」
いつもならシャワーで済ますのだけど、今日は猫も触ったし、ブランちゃんも居るから湯船に浸かることにする。
お風呂にお湯を入れている間、ブランちゃんに聞いてみる。
「それでどのくらいの間ここに居るの?」
「姉様がそのうち迎えに行くって言ってたからそれまで」
「来るの?」
「気が向いたらだと思う」
あー、やっぱりか。長くなりそうではあるな。
「まあいいわ。とりあえず日曜になったら街を案内するからそれまでは大人しくしてて」
「日曜……明日ではダメなのか?」
「明日は私は仕事だからね」
「なぜ、ハイエルフのあなたが仕事などという些事をしているの?」
些事?
「姉様はハイエルフの役目は世界の精霊の調和を守る事。だからその手助けになるようにしっかりと指示に従いなさいと……」
え? そんな役目あるの?
「えーと、この世界では私は単なる社会人だからね。お仕事行かなきゃいけないの」
「社会人? うーん、よく分からないけど行かなきゃいけないって事は一番偉くないの?」
「そうだよ、だから明日は大人しく……」
「あ、それなら一番偉くなれば良いじゃない! そうしましょ。とりあえずここ手狭だからもっと広い家が欲しいな」
ブランちゃん?
「あ、あのね、そんなすぐに一番偉くなれないからね……」
「そんなにハイエルフ沢山いるの?」
「いや、多分私一人……」
「それより上の種族ってドラゴンロードとかフェアリークイーンとか神々とかだけど?」
「いない、いない、そんなの聞いた事がない!」
神様は神社に行けば居るだろうし、そこらに居るかもしれない。何せ日本は八百万だから。でもドラゴンロードとかフェアリーは未だに聞かない。
「なら、ハイエルフのあなたが支配しても問題ないと思うわ。ちょうど良いじゃない。私が手伝ってあげる!」




