132:運命の岐路(回避不可)
という訳で白の女王居候編正式スタートです。頭の中覗かれた!(笑)
存分に猫を堪能出来たので帰宅。まあ特段猫が好きと言う訳では無いけど小動物は和む。今度澪ちゃんの所で遊ばせてもらおう。
アパートに帰ってきて鍵を開けようとする。チリンと鈴の音がした。なんだろうと思って振り向いてみるとさっき見た白い子猫がそこに居た。
あれ?
こんな所に迷い猫?
そりゃまあ別にハルのところみたいなオートロックのマンションでは無いので不思議でもないのだけど。
なーお
のんびりした声で鳴いている。可愛いかよ。
まあそれでもここのアパートは動物禁止。残念ながら飼うことは出来ないのです。
そのまま中に入ると中にはすでに白い猫が待っていた。
え、え、え?
戸惑う私に白い猫が話しかけてきた。
「こんばんは。夜分遅くにすみません」
いや、確かに私は喋れるよ? でも向こうから話しかけて来たことなんてなかったんだから驚くよ。
「えーと、それであなたは一体何なの?」
白猫に言ってみた。
「ええと、その、実は……」
なんかモジモジしてる。まあ仕草は可愛い。
「この度こちらにご厄介になることになりました。よろしくお願いします」
意味がわからないよ!
「いや、あのさ、そう言われても私はあなたとは関係ないし、第一初対面でしょ?」
「あ、そうでした。変身解いてませんでした」
変身?
ポムン、というコミカルな音とピンク色の煙が現れて、消えた時にはそこにどこかで見たような……あっ!
「白の女王様?」
「うむ、いかにも私は白の女王です。可愛くブランって読んでくれても構いません」
そんな名前だったのね。
「で、その女王様がどうしてここに?」
と言われるとブランちゃんはおずおずと手紙を差し出した。蜜蝋で厳重に封印された手紙で赤い薔薇の刻印がそこにあった。……世界を革命する力なんてないよ?
封蝋を剥がして中身を取り出す。なになに……
「拝啓、先日のゲームは見事でした。お陰で十分に楽しませていただいて向こう百年くらいは語りつげそうです。さて、本題ですが、私のおやつのモンブランを勝手に食べた白の女王を行儀見習いとしてそちらに送ることにしました。お前には大変迷惑かもしれぬがよろしく頼む。何か必要ならわらわに言うてくれ。ではな。敬具」
途中で文体が変わってるのは口調に飽きたんだろうな。それでも付け足しのように敬具までちゃんと付けてるあたりは褒めるべきか……いや、問題はそこじゃない。
「行儀見習い?」
「う、うむ、すまんが厄介になる」
「いや、そもそもなんでウチなの?」
「ハイエルフの元なら私たちと身分的には対等だから、だって」
「…………他を当たってください」
「何故ですか!?」
「いや、だって、どう考えてもめんどくさいでしょ?」
「吠えないし、毛も飛び散らないからお願いします!」
「いや、ペットじゃねえ!」
「どうしてもここには置いて貰えませんか?」
「そりゃそうでしょ」
「……分かりました。じゃあ姉様に言われた事を実行しないと行けないのですね」
「いわれたこと?」
嫌な予感しかしないんだけど何をするつもりなのか……
「きゃー、誰かー、助けてー、このお姉ちゃんに誘拐され……モガモガ」
咄嗟に口を塞いだ。なんてこと言いやがる!
バタバタと扉が開いてパトカーのサイレンが鳴っている。いつの間に?
「あの、ちょっとお話を伺いたいのですが……」
前科ついちゃう! ヤバい!
とオタオタしてたら時間が巻き戻ったかのように辺りは静まり返っていた。
「直接脳内にビジョンを送りました。現実のものにするかどうかはあなた次第です」
謀ったな!




