126:None so deaf as those who will not hear.
サブタイトルは「聞こうとしない者ほど説得が困難である」という意味です。まあ、どっちがいいかなんて人それぞれだよね。
赤の騎士は高らかに宣言します。
「我が元にある者こそ真の姫君よ。見よ! このあどけなき姿、発育途上の胸、細い御御足、これこそ正に姫君としてふさわしい!」
白の騎士も負けじと張り合います。
「我が元にある者こそ真の姫君よ。見よ! このつややかな姿、豊満なおっぱい、ムチムチの太もも、これこそ正に姫君としてふさわしい!」
そして二人は睨み合います。
「この年増趣味が! 女性の旬は若い内、それも十代の後半に差し掛かるくらいが一番。全てにおいて控えめを旨とすべし。育ち切ってしまえば後は落ちるのみ。何故それがわからぬ!」
「この幼女趣味が! 少なくとも二十歳を過ぎねば女ではない。よく熟れた果実ほど美味いのだ? この豊満な肢体は母性の体現。何故それがわからん!」
「「ぐぬぬぬぬぬぬ……」」
とまあ二人で睨み合ってる訳なんだけど。おっと二人とも武器を抜いたか。
「かくなる上は力尽くて分からせるより他に無いな。かかってこい!」
「それはこっちのセリフだ。望むところだ!」
こん棒同士でボカボカと殴りあっている。
ところで皆様はこん棒とか聞くと「RPGに出てくる最初の方の武器」と馬鹿にしがちですが、こん棒は当たったら衝撃が来ます。どの角度でも衝撃が来るのです。そしてそれは鎧を着ていても変わりません。
そして衝撃は時間差でやってきたりします。
つまり
ガイーン!
大きな音がしてお互いに何度も何度もぶつけあった衝撃が内部に伝わったのか、赤の騎士が膝をつき倒れて、白の騎士も同時にばったりと倒れました。
はい、相討ちです。
やっぱりあれだよ。大きいの小さいの若いの年嵩だの言っても仕方ないんだよ。「みんなちがってみんないい」これだよこれ。
「あっ、お姉様! 助けてください」
「え? あ、ひとみさん、これ何とかしてください」
「あー、はいはい。二人ともちょっと待っててね」
二人は馬に括りつけられていたのでゆっくりと外してあげました。二人とも飛び付いてきてわんわん泣いてました。まあ仕方ないよね。
「「うううう……」」
二人の騎士が起き上がって来た。
「む? お主らは何者か? 何故私の姫をさらっておる?」
「む? お主らは何者か? 何故僕の姫をさらっておる?」
二人から尋ねられた。
「いや、何者も何も二人は友だちだから連れていくよ」
「「なんだと!」」
激昴するタイミングはほぼ同時だった。二人はこん棒を振り上げて襲ってきた。
「ええい、待ちなさい二人とも!」
ハルがずずいと出てきた。何するつもりだ?
「その目を開けてよく見なさい、赤の騎士よ。目の前にある者の姿を。未成熟な身体を体現しているでしょう!」
……をい?
「そしてそなたもその目を開けてよく見るのです、白の騎士よ。目の前にある者を。この者はこの状態で成長済みなのです! これで完成形なのです!」
……ハル?
「つまり、未成熟ながらも成長済みたるこの者こそが姫君にふさわし……」
「おのれは何を言っとんじゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ブチ切れて後頭部にエアハンマーぶち込んだけど大丈夫でしょ、ハルだし。あー頭痛い。
「確かに……あなたこそが姫君……貧乳のまま育ちし者……」
「確かに……あなたこそが姫君……コンパクトに成熟せし者……」
「どやかましい!」
ドカーンドカーンと二回音が鳴った。いや、鳴らした。腹が立ったからカミナリ(物理)落としたんだよ!
えーと、次は確かプロモーションだったよね。全員揃ったんだし早く帰りたい……




