特別編:その者、光のオーロラを身に纏い、輝く風になるべし
RXって響きが良いですよね(意味不明)
立っていた一人。それはトーマス君だ。上半身裸なのにキラキラ煌めくマントの様なモノを纏っている。
「なんと、あれこそは勇者の纏う光の衣!」
今まで傍観していた皇帝陛下が言った。知ってるのか、カイザー!?
「勇者の伝説に鎧は無く、その身に輝く光を纏っていたというと言い伝えがある!」
そんな言い伝えあるの?
「先程有るという風に設定しましたわ」
あ、その声は天の声! えーと? つまり、この世界の人々の記憶に割り込んで設定したと?
「楓の特訓見てた時からこうなる予感はしてましたから」
「まあ楓ちゃん本人が鎧要らない子だもんね」
「ちょっと、ひとみさんも澪も私をなんだと思ってるんですか!」
いや、個人の念話に割り込んで来るなよ。まあ澪ちゃんが許可出せば出来るだろうけど。
「見事である、勇者トーマスとやら!」
「あんた誰だ?」
おおい! いや、闇の気配辿ったらここに来たという事は途中の事は気にしなかったということか。無礼討ちに……あ、いや、出来ないか。下手したら全員フェイクの闇に飲まれるかもしれなかった状況を救ってくれたんだもんな。
「私はこの帝国の皇帝である。紹介が遅れた。そしてそこに居るのがアストラマリウ殿。世界樹の守り役にして勇者との同道を希望する者である」
「えーと、あなたが勇者? 世界樹の指示で勇者の旅に同道する事になったわ。よろしく」
「オラはトーマスだ。えれぇべっぴんさんだなあ。よろしく頼むべ」
「あら、あなたもなかなか良い男よ。好みのタイプだわ」
うんうん、なかなか仲がよろしくて……
「トーマスはオレの婿。渡さない」
「いえ、私の伴侶です。間違いありません」
トーマスの仲間の金髪美少女と巨乳竜族少女が異議を申し立ててきた。いやー、これは間違いなくハーレムパーティですわ。
「なるほど、勇者殿はおもてになるのだな。上手く魔王を討伐したあかつきには私の娘を娶らせようと思っていたのだが」
「絶対」
「やめて」
「ダメ」
三人がハモるように即座に拒否した。大事なのは本人の気持ちだと思うのですよ。
「生憎とオラは不器用なもので、今は魔王を倒す事とその為に強くなる事しか考えられねえだ。皇帝陛下には申し訳ねえ」
「いや、こちらこそ。今のは忘れてくれ。終わったら改めて褒賞の話をしようではないか」
皇帝陛下が寛大な人物で良かったよ。
「ここらでいいかな?」
楓ちゃん?
「トーマス、あんたは闇に堕ちた元勇者を倒せるまでに成長した。もう私が教える事はない。私の同道はここまでだ」
「そんな、師匠がいなければオラ……」
「大丈夫だ。お前なら出来る。お前が信じる私を信じろ」
そのうちお前のドリルで天を衝けとか言わないよね?
「わかっただ。オラ、自分を信じるだ!」
「ああ、そして仲間も、な」
「私がついています!」
「オレに任せてくれ」
「私の実力見せてあげますよ!」
勇者の声に三人が応える。どうやら恋のマリ○カートは一時休戦のようだ。
「ならば往くがよい! 魔王の居城へ!」
皇帝陛下が魔王城の方角を指さした時、地面が揺れた。そして慌てて入ってくる伝令。
「大変です! モンスターの大群がこちらへ向かって来ます! その数……不明。地面を埋めつくしています!」
「なぁんてこったぁ!」
どうやら未曾有の危機というやつらしい。




