表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
快適なエルフ生活の過ごし方  作者: ぺるがもん
1239/1275

特別編:森の中の邂逅

お嬢さん(から)お逃げなさい

 森の中を進む。どうやらまだ二頭ほど居るそうな。でも人肉食べてないなら無理に倒さなくてもいいんじゃないか?って思ったけど、「三頭で分け合ってた」って言われた。ちなみに情報元はドライアド。あ、ニアじゃなくてこの世界のドライアドさんです。


「はじめまして、私はドライアド。あなたはハイエルフ様ですね?」

「嘘だっ!」


 というやり取りから紆余曲折を経まして暗黒熊ブラックベアの居場所を聞き出しました。もう先客が居るとの事なんですが……先客?


 向こうから剣戟の音が聞こえる。「怯むなっ」「放てっ」とか言ってるからある程度統率が取れてる軍隊かなんかなのかもしれない。


 んー、ここからじゃ見えないな。まあ死にそうだったら助けに入ろう。そう思って茂みから向こうを伺う。白地に赤いラインの入ったプレートメイル……全身じゃなくて胸部だからブレストプレートって言うんだっけか。揃いのそれを着た数人の男たちが戦闘をしてる。相手は……暗黒熊だ。五メートルの巨体を囲んで攻撃を仕掛けている。


「そいやー!」


 裂帛の気合いと共に手に持った剣で斬り掛かる。だが、その刃は貫く事も傷を与えることさえ出来ずに弾き返される。


 あれだね。外皮に対して非力過ぎて防御が抜けないんだわ。どいつもこいつも剣でしか攻撃してない。武器も体格も似たり寄ったりだ。これ、詰んでない?


「隊長が来るまで持ち堪えろ!」


 ほほう、その隊長さんとやらが来たら状況を打破出来ると? それはなかなかの強者なんだろう。ただまあこの人たちがそれまでもつのかってのはまた別の話だよね。


「しまった!」

「ロイ!?」


 木の根っこに足を取られて男の一人が転倒する。どうやらロイというらしい。はじめまして、こんちには、そしてさようならになりそうだ。ここは手伝ってやるか。


「エアカッター」


 現代日本では使う訳にはいかない殺傷力の高いかまいたち。狙い誤たず振り下ろそうとした右手を切断した。


「グルァ!?」

「はーい、そこまで。大人しく排除されてね」


 暗黒熊は私の姿を見ると大きく咆哮して向かってきた。あー、明らかにヘイト稼いじゃったな。


「グラビトン」


 自重の大きい巨体には頗る有効な重力魔法。暗黒熊は自重で地面に身体をめり込ませている。


「君にも生活はあるのかと思うけど、村人たちの安寧の為にここは涙を呑んでくれたまえ」


 そのままトドメをさす。あ、ハル、向こうに人も居るから血抜きは後でよろしく。


「貴様ら、何者だ!?」


 おおっと、こっちに剣を向けてくる? いや、あんたら助けたの私なんだが?


「ボクワルイスライムジャナイヨ?」

「何、貴様、スライムなのか!?」


 ハル、ややこしくなるからやめろ。ええと、私は……


「貴様らが何者であろうと、隊長が来れば終わりだ!」

「隊長さん?」

「そうだ。暗黒熊すら一人で十分というお方だ。貴様らも直ぐに片付けてくれる」


 いやなんで片付けるとかになるの? 協力者だよ、私?


「そうすればその暗黒熊は我らの手柄!」


 手柄の横取りが目的でしたか! いやいや、そんな訳には。私らも一頭は仕留めてるけど一応依頼なんだよね。ズルは良くない。


「何の騒ぎですか?」


 ガサガサと森が揺れて暗黒熊を担いだ一人の少女が姿を現す。ってこの声、この姿は!?


「隊長!」

「楓ちゃん!?」

「はい? あ、ひとみさん、ハルさんも!」


 そう、暗黒熊を担いで来た「隊長」とは楓ちゃんだったのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ