特別編:異世界での金髪幼女との邂逅
???「おねーたん!」
ひとみ「むひょぉぉぉぉぉぉ!」
盗賊たちの意識を全員飛ばして気絶させる。ねっ、ちゅー(誅)、しよう?ってやつだ。知らんけど。
「ありがとうございました! おかげで孫も私も助かりました」
「あー、いえいえ、そんな、お礼を言われる程では……」
「おねーたん、ありがと!」
「むひょぉぉぉぉぉぉぉ!」
あ、変な声出た。二人は目をぱちくりさせてる。コホン。よし、無かったことにしよう。
「……大丈夫ですかな?」
「ええ、ちょっとなんか漏れました。それよりもここはどこだか教えてくださいませんか? 気付いたらここに居たのです」
「ふむ、この平原に? ここから西に行けば王都があり、東に行けば商業都市がありますな。わしらは王都から商業都市に行くところですじゃ」
商業都市に王都ねえ。なるほど。この国は王政でそこそこの大きさがある。そして商業都市という事は海に面してる国なら港がある。後は他の国との国境も近いかもしれない。
ここで私には選択肢が三つある。
一つ、ひとまず二人と別れて王都に向かう。これは情報とか集まってるのは恐らく王都で、あと、図書館とかでこの国の事について、周辺国家について分かるかもしれない。
二つ、二人と一緒に商業都市に向かう。馬車の旅に乗せてもらえば道道色んなことを聞ける。この世界の常識とかね。商業都市なら情報もそれなりに入るだろう。そして一番重要なのはょぅじょと一緒という事だ。膝の上に載せたり、頭を撫でたり、うふふふふふ。
三つ、ころしてでもうばいとる! いや、ごめんなさい。どこかの氷の剣手に入れるんじゃないんだわ。でも一応のメリットとしては、私の異常性が広まらなくて済むし、路銀も手に入れられる。問題は、私がそんな非道な真似をしたくないって事だ。……すいません、ころしてでもうばいとるって言いたかっただけです。
その三択ならまあ二番だよね。よし、提案してみよう。
「あの、もし良ければ私もこの馬車で御一緒させていただいても?」
「おお、あなたも商業都市に? それはありがたい。護衛の者が居らずにどうしようかと思っていたところです」
「おねーたんもいっしょなの? わーい!」
うん、私がわーいだよ。そうと決まれば自己紹介だ。名字は……名乗らなくていいか。
「私はヒトミと言います」
「これはこれは……私はグレゴール、この子はアリスと言います」
「アリスだよ、よろしくね、おねーたん!」
「グレゴールさんにアリスちゃんですね。よろしくお願いします!」
私たちは馬車に乗り込んで商業都市を目指したのでした。
「商業都市にはどれくらいで着くんですか?」
「ふむ、まああと二日というところかの」
「という事は野宿ですか?」
「盗賊に襲われねば宿場町まで行けたのじゃが……間に合うまい」
なるほど。とりあえず何も無ければ野宿しなくても済むような体制はあるらしい。しかし、野宿か。とか思ってる内に日も暮れて道路からズレたところで野営する事に。ところが二人とも何もしようとしない。あるぇ?
「実はの、付き人がやっておってくれとったんで食事の用意や野営の準備など出来んでな」
お貴族様なのか? いや、商人だよね? かなりの大店なのかもしれない。
「じゃあ私がやるからくれぐれも他言無用でお願いします」
私がやるからには金髪幼女に不自由はさせたくないからね。ついでにおじいちゃんも。




