特別編:ひとみの異世界探訪
ひとみ「さすがに安直じゃない?」
えー、皆様、こんにちは。久々の出番の霜月ひとみです。私は今、異世界に居ます。なろうらしくて良いって? いやまあそうなんですけど、ちょっとみんな安易に異世界に行き過ぎじゃないですかね?
とまあそんな事を言っても始まらない。異世界に来た経緯を説明しておこう。
そのときふしぎな事が起こった!
……うん、ダメだよね、さすがに。ええと、説明すると、ハルの会社でVRMMOの開発があって、その完成会をやってたんだよね。私たちもそこに招待されて、体験コーナーみたいなので遊んでた訳だ。
そのときふしぎな事が起こった! ……いや、ネタじゃなくてマジで。何故かは分からないけど、私たちの身体が異世界に放り出されたのです。え? 女神様とか? 出会わなかったよ。チート能力とかは無かったんや。これはハンデだよね。
そんで気が付いたらこの草原に倒れてたって訳。ぶっちゃけ、どうしようかと思うけど、その気になったら帰れそうな気もするんだよね。例えば、フレースヴェルグ!
「お呼びになられましたか?」
「あ、来れるんだ」
「ひとみ様のいらっしゃるところでしたらたとえ火の中水の中とても参上仕ります」
「帰れる?」
「お任せください」
という訳でいつでも自宅に帰れるらしい。うむうむ、良かった。で、ここ何処だろうね? それと転移して来たのは私だけなのかな? ともかく、向こうの方に道らしきものが見えるからそっちに歩いて行ってみよう。あ、疲れるから重力軽減はしとこうか。
ヒヒーン!
おっ、馬の鳴き声がする。なんというか悲鳴じみた声だね。
「ヒャッハー!」
おっ、ヒャッハー君、この世界にも生息していたか。というかこれって馬車か何かが襲われてるんじゃ……よし、ちょっと急ぐか。
「ぐはぁ!」
馬車を取り巻いてガラの悪そうな男たちが下卑た笑みを浮かべている。どうやら馬車を護っていた人たちは凶刃に倒れてしまったようだ。
「さあ、後は馬車の中の子とご対面だァ!」
馬車のドアを壊して中の人間を引き摺り出す。ちょっと太った人の良さそうなオッサンが一人と……ょぅじょ!? きん、ぱつ! きん、ぱつ!
「へへへ、こりゃあ高く売れそうだな」
「お願いです、孫には、孫には手を出さんでください。お金ならあるだけ……」
「うるせぇオッサン! てめぇにはなんも言わせねえよ。それに金目のモンは全部いただくに決まってんだろ!」
「おじいちゃん!」
ガラの悪そうな男の一人、まあ立場的にこいつがトップなんだろう。オッサンを蹴飛ばして金髪幼女を掴みあげようと……ようし、貴様ら、そこまでだ。それ以上は私が許さん。
「あん? なんだァテメェ」
「その子に触れないで貰いましょうか?」
「ちょうど良かった。女が足りねえと思ってたんだ。貧相な身体だが居ないよりはマシだからな」
誰が貧相じゃボケェ! もう怒った。もう殺ス。悪党に人権はないって言うから良いよね?
「イフリート!」
「お呼びですかな?」
「あれ? あんたちょっと変わった?」
「この世界仕様らしいです。こんな姿になって困惑しております」
なんとイフリートが美少女になってんだけど!? ええと、しかもロリっ子。元の世界でもそのままで居てくれないかな? あ、いや、今までのイフリートに不満なんか無いよ?
「じゃあ、こいつら燃やしちゃおうか」
「蒸発させるのは簡単ですが、子供に見せるのは……」
「そうだね。教育に悪いか。じゃあ全員の意識飛ばそうか」
これが私の異世界転移の第一歩でした。




