114:小学生がやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!
小学生は最高だな!
あ、待ってください、通報するのだけはもうちょい待ってください。違うんです、これにはちゃんと理由が、あーっ
花火大会に向けての準備を街をあげて行なっている光景がそこかしこに見られる。この光景を見ると「もう夏休みも終わりなんだな」って子供心に思った気がした。花火大会が終わっても31日まで夏休みはある訳なんだけども。あ、今年は1日が日曜日だからもう一日増えるよ、やったね!
まあ私の場合夏休みの宿題はきっちり七月中に終わらせるタイプだったのでいつ終わっても別に構わなかったなあ。最終日の風物詩はハルがいつも「宿題手伝って」って駆け込んでくる事だった。
で、そのハルだがウチで今転がってる。
「泊めてー」
って今日いきなり来てからこの調子だ。という事は部屋は相当散らかってるのだろう。こないだ片付けたばかりなんだけどなあ。まあでもこのタイミングでお調子者のハルが居てくれるのは有難い。
「ねえ、ハル」
「なーにー?」
「ちっちゃい女の子を楽しませたいんだけどどうすればいいと思う?」
「……まず警察に通報した方がいい?」
「あのね、真面目に聞いてるんだけど?」
「まあ夏休みなんだからそういう事もあるかあ。で、どこから来るの?」
「だいたい赤道辺りかな?」
「……何歳くらいの子?」
「うーん、生後一週間は経ってないと思う」
「そんな訳あるかー!」
ハルが爆発した。いや、話ちゃんと聞きなさいって。
「なるほど、台風の精霊なのね」
「そうそう。まあ精霊の成長速度なんて分からないからどんな子が来ても対応出来るようにしとかないと」
「それならみんな呼んだら良くないかなー? 幼児が来たら葵さん、小中高なら楓ちゃん、それより大人なら澪ちゃんが対応できるんじゃなーい?」
「ハルは?」
「私が人とコミュニケーション取れるわけないじゃーん」
威張れたこっちゃないけどその通りだと思う。葵さんたち相手なら大丈夫だろうけど基本ひきこもり性質だもんねハルは。
「だからさー、予算の方は私に任せてー。お金ならあるからー」
こないだ通帳覗いたら桁がミリオンどころじゃなくてビリオンまで行きそうだったからお金はあるに違いない。持ってる資産全部合計したらトリリオンまで行くんじゃないかな?
まあなんだかんだでお金の心配しなくていいのはありがたい。とりあえず三人に声を掛けとこう。
そして、花火大会を翌日に控えた本日、ウチの手狭なアパートにみんな集合した。
「ねえ、やっぱり私の家じゃない方がいいんじゃない?」
「えー、でも、風の大精霊……テンペストさんだっけ?はここに来たんでしょ?」
「そうですわお姉様。案内なら後からでも出来ますもの(すーはーすーはー)」
「まあまあ、手狭だと思うなら誰かの家に移動すればいいだけですよ(すーはーすーはー)」
……でなんで澪ちゃんと葵さんは深呼吸してるんですかね?
「ひとみさんのお部屋って本当にいい匂いしますよね」
楓ちゃんが明るく言う。まあドライアドを時々連れて帰ると勝手に花咲かせるんだよね、あの子。
「ええ……本当にいい匂い……(クンカクンカ)」
「ひとみさんに包まれてるみたい(クンカクンカ)」
「うんうん。いつもいい匂いしてるんだよね(クンカクンカ)」
増えたよ()
「えーと、みんなそのくらいにしてくれないかな? 来るならそろそろだってテンペストさんも言ってたし」
「まあ、待ってる間にテレビでも観ようよ」
楓ちゃんがテレビを点けるとニュースで天気予報をやっていた。
「大型で非常に強い台風十二号ですが、日本列島の南の海上で突如として消え、暴風域が消滅しました」
……消えた? 来ないの?
などと言ってるとピンポーンとインターホンが鳴った。
「こんにちは、私です。キャサリンです。テンペスト様に言われて遊びに来ました!」
小学生位の女の子がそこに立っていた。




