101:ほっとけないだろ
部屋を片付けられない人って居ますよね。
私もその一人です(笑)
リフレッシュも終わり、再びの地元。
お休みは残ってるけどやる事があるんだよね……
澪ちゃんとほとりさんは空港でお別れ。
そのままお家に帰るそうだ。
葵さんも同じ家に帰るんだけど「ちょっと友人と会う予定がある」って別方向へ。
気を利かせてあげたのかな?
楓ちゃんはお兄さんが迎えに来ていました。
「私が居なくて寂しかったでしょ?」ってお兄さんにグイグイくっついてる。
うん、あの子やっぱりまだブラコン抜け切ってないよね。
残るは私とハル。
本来ならじゃーねーとここでお別れのはずなのだけどハルは私の袖を掴んで放してくれない。
「えーと、とりあえず聞くけど放してくれない?」
「ひとみんにお願いがあります」
この切り出し方には覚えがある。
夏休みの宿題。
定期テストの前のノート。
レポートの提出。
ギリギリまで溜め込んだ末に「何とかして」って泣きつく時の流れだ。
「で、今度はなんなの?」
「お部屋に……帰りたくないの」
どういう事だ?
「あのね、出る前にゴミとか捨てようと思ったんだけど忘れて寝ちゃってて多分部屋の中がすごい臭いとかになってるから……」
「わかった。とりあえず今から一緒に行くから」
やはり、私の残りの休みはハルのお部屋でのお片付けになりそうだ。
割と最近はこまめに行ってるはずだから大丈夫だと思いたいんだけど。
マンションに着いた私たちを待っていたのはとてつもない悪臭だった。
ハルが扉を開けると何かの臭いが漂って来た。
「……何これ?」
「……多分前日に飲んだチューハイの缶とコンビニのお惣菜の残りの臭いじゃないかな?」
こいつ!
お酒弱いのにお酒好きとかどうだよ!
缶チューハイ一本飲まないうちに酔っ払うだろうが。
で、そのまま放置?
食べかけの食品をこの暑さで?
それはなんとも腐敗の進んでそうな話だね……
「エアスクリーン」
私たちの周りに空気の膜を張っていざ進む。
ぶにゅって一歩目からとてつもない感覚があった。
「ひっ、何コレ!」
「あー、ビーズクッション、こんな所にあったのかー」
いくらコーティングされてても感覚遮断まではしてないからなあ……気を取り直して進む。
玄関から入って廊下の方にまで荷物がはみ出してきている。殆どが脱ぎ散らかした服。それと通販のダンボール箱。
巧みに障害物を避けながらダイニングに入る。
中の空気は澱んでいた。
これはコーティング無かったらガスマスクものだったかもしれない。
「よし、ハル、窓開けて」
「はいっ!」
開けた窓から空気を入れ替えるように澱みを追い出す。
まあ20分もやっとけば大丈夫でしょ。
そういうわけで風の精霊さん、よろしくね。
そして残飯に群がってた黒の群体は火の精霊さんの手によって跡形もなく消去。
名前を出すのもおぞましいので直視出来なかった。
残飯と共に蒸発あそばされました。
部屋の中にもう居ないかサーチ。
生命反応は無さそうなのでホッと安堵のため息を漏らす。
床もついでに拭いておきたいので水の精霊さんに磨いてもらった。
うん、水洗い綺麗だね。
ちゃんと床材腐らないように土の精霊さんに見てもらったから問題ないはず。
これで粗方処理は終わったかな?
あとは部屋に落ちてる物とかまとめて洗濯機回したりご飯作ったりしなきゃだね。
「やっぱりーひとみんと結婚したいなあ……」
「しみじみ言ってないで自分で少しはやんなさいよ。それかハウスキーパー雇うとか」
「ハウスキーパーは……一応物凄ーいお金扱ってる自覚あるからー信用した人間以外入れたくないんだよねー」
そういう自覚はあるのか。仕方ない。しばらくは私が面倒見てやらなきゃね。




