表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/38

魔女はやはりいつもの武器を手に取る

 

(どどど。どうしよ! 撃ちすぎた⁉︎ 離れたらまたベロニクは絶対に魔力で強化して格闘戦仕掛けてくるよ! あれ痛いんだよォォ!)


 胸元にベロニクの腕が突き刺さった状態で普通ならば痛いでは済みそうではない状態でメルセデスは焦る。


 アイテムボックスの中になら爆裂ポーションの入ったフラスコはいくらでもある。

 だが水鉄砲の中に満たされていた爆裂ポーションは有限である。ここまでの戦闘で水鉄砲の中身はすでに使い切っていたのだ。


 そのように内心で焦りまくっているメルセデス。だがベロニクも同じように焦っていた。


(どうやら弾切れのようですがまだ左手のほうに入っているかもしれませんわ。ここは下手に動けば吹き飛ばされます!)


 いくら死んでも復活させてくれるとアリプルプスが言っているとしても死ぬのは怖い。


 このように両者全く動けないでいたのだ。

 だがもとより緊迫した空気に耐えれないのがメルセデスである。

 こういう状況になれば後先考えずに動く、それが過去にメルセデスに接していた魔女たちの共通の考えだった。


「うみゃぁぉぁぁぉ!」


 奇声を上げながらメルセデスは右手の水鉄砲を振り上げ、それでベロニクの横っ面を殴りつけた。

 ベロニクも奇声に驚いたために対応が僅かに遅れた。いや、そもそも一応は銃に分類される物で殴りつけてくるなんてことは考えてすらいなかった。

 殴られ、ベロニクが吹き飛ばされたため胸元に埋まっていたベロニクの腕も離れた。

 口から血を吐き出しながらメルセデスは僅かに後ろに下がり、両手をアイテムボックスへと入れる。


「させませんわ!」


 殴られた額から血を流しながらもベロニクは再度距離を詰めるべく駆ける。

 しかし、メルセデスがアイテムボックスから取り出して、いや、放り出している物を見て顔を引きつらせた。


 アイテムボックスとは本来、別空間に物を収納するものである。そして収納したものの取り出し方は二通りある。

 一つはアイテムボックスに手を入れて目当てのものを取り出す。

 そして二つ目はアイテムボックスの中身を全て放り出すというものだ。

 メルセデスが行ったのは後者であり、そして彼女のアイテムボックスには自分で作った爆裂ポーションがたっぷりと詰まっていた。


 そんな爆裂ポーションが詰まったフラスコが次々と宙からアイ床へと落ちていき床を転がっていく。

 それも夥しい量のフラスコがまるで滝の様に宙から流れ出る様はなんとも恐ろしい光景だった。


「な、何をする気ですの⁉︎」


 フラスコを踏み抜けば魔力がない身でどうなるかわからないベロニクは急停止し、メルセデスに声をかける。しかし、メルセデスは答えずゆっくりと足元に転がるフラスコをいくつか拾い、ハイライトの消えた瞳をベロニクへと向けニヘラァと不気味に頭のネジが何本か抜けたかの様に笑った。


「こうなったら爆殺する。ボクの全戦力で あるこの爆裂ポーションでこの空間を爆破してやる!」

「正気ですの⁉︎」

「ガシガシ殴られても痛いしベロニクはボクと違って爆発に耐えれないみたいだし」


 ヘラヘラと笑うメルセデスはまだアイテムボックスから流れ出て床を転がるフラスコを軽く蹴飛ばす。隙間をなくす様に。


「や、やめなさい? これだけの爆裂ポーションならあなたも無事に済まなくてよ!」

「必殺……」


 逃げ場所はないと知りながらもベロニクは踵を返して全力でメルセデスから距離をとった。対してメルセデスは拾い上げたポーションを大きく振りかぶりメルセデスはその必殺技を叫んだ。


「ファイナルボンバー!」


 そして地獄(ポーション)が投擲される。

 緩やかに放物線を描きながら宙を舞ったフラスコはゆっくりと床へと叩きつけられ、


 ゴパァァァァァァァン!


 という雷鳴に似たような音を立ててベロニクとメルセデスの周囲で勢いよく爆発。

 その爆風に殴りつけられたかのように吹き飛ばされた二人だったが、爆風で吹き飛ばされたのは二人だけではなく爆裂ポーションが満たされたフラスコも同じように吹き飛ばされ吹き飛ばされた先で盛大に爆発するしていった。

 結界内はすでに爆発していないところが見当たらない程の地獄と化し、爆発に次ぐ爆発により耐性など無視されたメルセデスと爆発耐性など元からないベロニクは二人で悲鳴をあげながら周りに真っ赤な果実を飛び散らしたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ