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詩集 心箱  作者: TiLA
35/100

アルテミスのきみへ

誰かが壁に描いた


アルテミスの絵があった


赤いトゥシューズに


赤いドレス


金髪の髪で


脚をクロスさせ


カートゥーンっぽいような


そんなイラスト図が


なぜだろう


すごく


イメージ通りで


アルテミスだった


あの人の




月の女神は


満月や三日月となり


その表情を常に変えながら


見守って


その柔らかな光で


包んでくれた



アルテミスのきみへ


伝えたい



星も霞む輝きを放つあなたも


太陽なしでは輝けない


それでも


それでも


陽は夜に輝けないから


だから暗闇で震えている


心には


そんな心には


あなたの光が必要なのです



太陽が大地を暖め


生命を育てるのだとしても


種をまき


収穫をするのは


古来、新月や満月のときでした


あなたの光は


生命のリズム



月よ


アルテミスよ


全ての生命に


宿りし愛よ


たとえ目に見えなくても


人の心に


愛があるのなら


人は誰もが


アルテミスの光を抱いている


そして夜空に


あなたが輝くとき


その光に


共鳴するのでしょう



あなたが放った


太陽の矢が


オリオンの胸を貫いた



ぼくは今すぐ星座となり


あなたのいる夜空に昇って


赤いトゥシューズの


あなたと踊り


赤いドレスの


あなたの手を握り


そして朝陽とともに


消えて……



生まれ変わったとき


繋いでいたいと


手を伸ばした



アルテミスのきみへ


届いて



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