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48.お茶会その後

それからしばらくは、毎日お茶会やら誕生日会やらのお誘いレターが届き、リリーは対応に追われた。



マルグリット先生のお茶会でお会いした方からもたくさん頂いたし、全く知らない方からの誘いも多かった。


とにかくリリーの歌の評判を聞いて、ぜひうちでも聴かせてほしいというものがほとんどだった。



大変ありがたいが、リリーは歌手になるつもりが一切ないのと、『あの家では歌ってウチでは歌わなかった』みたいないざこざも嫌だったので、体調を理由にほとんどを丁重にお断りした。



お茶会の時に隣の席で色々教えてくれた、ブロンドヘアのフリージア男爵令嬢と、ローズ侯爵令嬢のお茶会には参加してみた。

歌は歌わなかったが、同年代の女の子の話題を色々聞けて、案外楽しかった。

ローズ様はまたバイオリンを聴かせてくれたが、あの時よりも優しい音色で、素敵な演奏だった。




マルグリット先生はお茶会の評判が良かったようで、次の授業の時は大変ご機嫌だった。


そろそろ声楽のちゃんとした先生を充てがおうと目論んでいる感じもみてとれた。

怖い怖い…




また、お父様とお兄様が急に帰宅してきた。

私が歌を歌えるなんて知らなかったと、血相を変えて飛び込んできたのだ。


誰から聞いたんだか、噂に尾ひれ背びれがついて、なんか私が国一番の歌姫かのような扱いになっているらしい。

勘弁してほしい。



しかしさすがに親兄弟に請われては断れないので、ディナーの後に自宅のホールで例の歌を歌った。


父は、天使だ女神だと言いながら号泣し、兄はこんな可愛い天使は、いつか本当に神様が迎えに来ちゃうんじゃないかと本気で心配し、難しい顔をして黙り込んでいた。


いや、大丈夫だって…。



執事やメイドのみんなも、私の本気ソングは初めて聴いたので、やはり驚き、褒めてくれた。


ジェイバーは、先日のお茶会でエスコートはしたものの、従者は別室待機だったから結局私の歌を聴いていなかったので、今日初めて聴いたらしく、ちょっとビックリしていた。



『へー。誰しもひとつは良い所あるんですね』って、おでこに書いてあるよ!

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