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百一年の孤独 いけにえ令嬢と皇帝の恋  作者: ねここ


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ふたたび

数日後、部屋にジェラルドとカレナの婚約パーティーの招待状が届いた。ソニアは宛名が無い招待状だったので間違いだと思いコンシェルジュの所に持っていった。コンシェルジュはその招待状をみて気まずそうに言った。「カレナ様のマネージャー様よりソニア様にとお預かりいたしました。」「そうですか。」ソニアはなぜ自分が招待されたのか分からなかった。しかしあの日、カレナはソニアに対し好意的ではなかった。婚約パーティーなど出席したくない。婚約する二人を見たくなかった。でもおめでたい席に出席したくないとジェラルドにどう伝えたらいいの?どうしたらいいのだろう?「ソニア?」考え込むソニアの目の前にリリが立っていた。リリはソニアがジェラルド達の婚約パーティーの招待状を持っている事に驚いた。「ソニア、これどうしたの?」ソニアは今聞いたことをそのままリリに話した。それを聞いたリリは「ソニア、心配しなくていいよ」そう言って抱きしめてくれた。ソニアはリリに自分の気持ちがばれているとわかった。「リリさん。すみません。」そう言って下を向いた。リリはソニアをぎゅっと抱きしめ「大丈夫、任せて」と言いながら部屋まで送ってくれた。「じゃあ、また後でね!」リリはそう言ってジェラルドの部屋に入っていった。リリさんが上手くジェラルドに説明してくれるのだろうか?一時間ほどしてリリが戻って来た。「ソニア、今から出張よ。旅行の支度して」いきなりそう言われたがソニアもここに居たくなかった。ジェラルドの近くにいるのは嬉しいけれど同じくらい辛い。「はい、少しお待ちください」ソニアは決心し荷物をまとめた。ホテルのスタッフがソニアの荷物を取りにきた。ソニアは荷物を預けリリついてエレベーターを降りた。「あの。リリさん、ジェラルド様に挨拶していませんでした」ソニアは立ち止まってリリに言った。「あ、そうだった。戻る?」リリは聞いた。「はい、会って挨拶がしたいです」ソニアはもう一度エレベーターに乗り込みジェラルドの部屋の前に行った。「ジェラルド様、ソニアです」「……ソニア?ちょっと待って」少し間がありジェラルドは部屋を開けた。「あ、あの、ご挨拶に。」ソニアはジェラルドを見つめて言った。

「……ソニア、巻き込んでしまってすまない。少しの間出張という事でここから離れた方が良いと思って。強引だがすまない。」ジェラルドは少し俯きソニアに謝った。「……いえ、、、」ソニアは何がどうなっているのかわからなかったが、ジェラルドは何か考えがあってそうしていると思った。

「いえ、ジェラルド様に何かお考えがあって指示された事でしょうから大丈夫です。」ソニアは俯くジェラルドの手を握り笑いかけた。

 「ソニア、俺が迎えに行くまでまっててほしい。必ず行くから」ジェラルドはそう言って突然ソニアを抱きしめた。ソニアは驚いてジェラルドを見た。「ソニア、そのまま聞いてくれ、俺はカレナを愛していない。婚約破棄の手続きをしているが、カレナは納得してない。だからソニアにあんな招待状を出したんだ。常に俺たちは注目されていてカレナはプライドが高いから受け入れられないんだ。」「ジェ,ジェラルド様、なぜ婚約破棄を?」ソニアはジェラルドの言葉の驚き聞いた。「……好きな人にもらった葉っぱが宝物になることを知ったから。」そう言ってジェラルドはポケットから海のカケラを出した。「うそ、、」ソニアはジェラルドを見た。「ソニア、あなたが好きだ、いや、愛している。その気持ちはもう隠せない。だけど俺のその気持ちはソニアを巻き込んでしまう。それに、、これ以上あなたに嫌われたくない」ジェラルドは苦しそうに言った。「うそ、ジェラルド様、からかっているんですか?」ソニアはジェラルドの言葉を信じられなかった。「ソニア、俺は本気なんだ、でもあなたは俺を避けているから、、」ジェラルドはソニアを抱きしめる手を離した。「いえ、ジェラルド様私は、、嫌ってなんかいません。嫌うわけがない」ソニアがジェラルドを抱きしめた。「私はずっと前からあなたが好きです」

ソニアの言葉を聞きジェラルドはソニアを見つめた。「本当に?ソニア、本当か?」ジェラルドは何度も聞いた。「はい」ソニアはジェラルドを抱きしめ言った。ジェラルドもソニアを強く抱きしめた。「愛しているソニア、ずっと前から愛していたんだ」ジェラルドはソニアを見つめ言った。「ジェラルド様、私もあなたを愛しています」ソニアもジェラルドを見つめた。ジェラルドはソニアの額にキスをし、それから指でソニアのくちびるに優しく触れキスをした。


 ソニアはジェラルドが自分を愛してくれた事が信じられなかった。この時代のジェラルドはソニアを思い出していない。だけど多くの女性の中から私を選び愛してくれたのだ。「折角ソニアをこの腕に抱けたのに俺は一旦ソニアと離れなけれならない。ソニア、俺を信じて待ってくれるか?」

ジェラルドは不安な心を落ち着かせようとするようにソニアの髪を優しく撫でながら聞いた。

「はい。ジェラルド様を信じて待ちます。何年でも。でも約束して下さい。絶対に迎えに来てくれるって。」ソニアは背伸びをしジェラルドの肩に両手を回した。「ソニア約束する。絶対にソニアを迎えにいく。」ジェラルドもソニアを抱きしめた。そしてジェラルドは小指を出した。ソニアはジェラルド一世を思い出した。あなたと昔こうして約束したのよ。そう心で思いながら指を結んだ。

あの時はお互い半分しか約束を守れなかった。でも今回は絶対に守る。ジェラルドはもう一度ソニアを抱きしめキスをした。

  その時ドアがノックされ「ボス!マスコミにリークされました!時間がありません!」リリがドアの向こうで言った。ジェラルドはソニアを見つめ「愛している,俺を信じて、俺を忘れないで」そう言ってソニアにキスをし、「リリ、頼むぞ」と言いながらソニアをリリに預けジェラルドは部屋を出て行った。ソニアはリリに引っ張られ専用エレベーターで下まで降り待たせてあった車に乗り込んだ。その後ソニアはプライベートヨットに乗りかえ岸を離れた。ソニアはずっとジェラルドのいるホテルを見ていた。リリはそんなソニアを見守っていた。ボスはソニアに受け入れてもらえた。リリは安心した。リリはジェラルドの気持ちを最初から知っていたがカレナがいる手前見ないふりをしていた。だが、あの女ったらしのジェラルドがソニアと出会いマリアーナとのトラブルが起きた時から突然付き合っていた女性たちに別れを告げ始めた。カレナとの別れは一筋縄にいかなかった。ジェラルドはあの日、ソニアが旧フローエン城に行った時、夜中にかかわらずソニアを迎えに行くため、カレナとの話し合いを突然キャンセルし行ってしまった。そしてソニアを抱き抱え帰ってきた。ジェラルドを諦めきれなくて押しかけたカレナに出会い、翌朝ソニアは嫉妬に狂うカレナに絡まれたのだ。


 ジェラルドはソニアに絡んだカレナを許さなかった。プライドが高い彼女はジェラルドを諦めないだろう。ソニアを悪役にする可能性がある。マスコミにソニアの存在をリークし世論を味方につけソニアをジェラルドから引き離そうとしている。だからジェラルドはソニアを守るため所有している島にソニアを連れて行くようにリリに頼んだ。その島にもホテルがあるが完全にエクゼクティブクラスの場所でプライバシーが守られている。そこの最高の部屋にソニアを連れてゆく事になった。


 期限は無期限だ。







 

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