ときめき
しかしソニアが知っている幼さが残る美少年のジェラルド三世ではなく大人になって美しく輝くジェラルド三世だった。「ソニア!!!!」ジェラルド三世はソニアを抱きしめた。「ソニア、ソニア、ソニア、、私のソニア」そう言いながらジェラルドはソニアを強く抱きしめ「ソニア、戻って、私の元に戻ってきてくれた!ジェラルドはソニアを見つめた。ソニアは何が何だかわからなかったが、ジェラルドが大人の男性になっている事に驚き、恥ずかしくなった。「ジェラルド三世さま?」「ソニア、そうだよ。私はジェラルドでジェラルド三世だ。」「大きくなったのね」「アハハハ、ソニアもう大人になったのだよ。」「そっか。」ソニアは大人になったジェラルド三世に対しどう接してよいのかかわからなくなった。 「ソニア行こう」ジェラルドは棺の中にいるソニアを抱き上げ、しっかりと胸に抱き聖堂を出た。そこには多くの貴族達が集まっていた。着飾っている様子からお茶会の最中にこの騒動が起きたようだ。ジェラルドはお構いなしにソニアを抱いて貴族達が挨拶する中をさっさと抜け城に入っていった。そしてソニアの部屋に連れていった。ジェラルドは部屋に入りソニアをそっとベットの上に下ろしてソニアの額にキスをした。ソニアはまじまじとジェラルドをみた。髪がとても長くなっている。サラサラの金色の髪は美しく輝いてジェラルドの美しさを引き立てていた。
「ジェラルド、髪が、伸びたのね。」ジェラルドはソニアの隣に座りソニアの方をみて言った。
「あなたを失ってからずっとそのまま切っていなかった。ソニア私は七年あなたを待っていた。」「七年、、、ジェラルド、、もう大人なのね。。」 「ああ、ソニア私はあなたに釣り合う大人になったのだよ。」そう言ってジェラルドは優しく微笑んだ。ソニアは恥ずかしくなり下を向いた。「ハハハ、ソニアのそんな姿を見る日が来るとは。私は今幸せだよ。」 ジェラルドは下を向くソニアを抱き寄せ耳元で「愛してる」と言った。ソニアはあの可愛いジェラルドが知らない間にこんなに大人になってしまい、トキメキが止まらなくなり顔を上げる事が出来なかった。ジェラルドはそんなソニアをずっと抱きしめていた。ソニアはジェラルドの胸の中に抱かれ、安心したのか眠ってしまった。「うーん」ソニアは目が覚めた。気がつくとソニアはジェラルドに抱かれて眠っていたようで目の前で嬉しそうに微笑むジェラルド三世がいた。「ジェラルド、、。おはようございます」「ソニア、今は夜だよ」そう言ってジェラルドはソニアの額にキスをした。ソニアは絹糸のような美しいジェラルドの長い髪を触った。しなやかで美しい髪。ソニアはジェラルドの髪を撫でそのままジェラルドの頭も撫でた。ジェラルドは嬉しそうにソニアを見ている。麗しいジェラルドに見つめられソニアは意識してしまい、耳まで赤くなった。「ジェラルド、そんなに見ないで。」ソニアはそう言ってジェラルドの胸に顔を埋めた。「ソニア、私はあなたを七年待ったんだ。毎日眠るあなたに会いにゆき、ただひたすらあなただけの事を考えていた。だから今私があなたを見つめ抱きしめるのは仕方のない事なんだ。」ジェラルドはそう言ってソニアを強く抱きしめた。そしてソニアの頬を優しく触り見つめソニアにキスをした。ソニアは胸のドキドキがジェラルドに伝わるのではないかと思うほどときめいていた。ジェラルドはゆっくりくちびるを離しもう一度ソニアを見つめた。ソニアはそんな経験がなかったのでどうして良いのかわからなくなった。
「あ、あの、、」「ソニアどうしたの?」ジェラルドは不思議そうにソニアを見つめる。ソニアも美しいジェラルドから目を離せない。「わ,私、あの、、」ソニアは戸惑ってしまった。 ジェラルドはそんなソニアを察し「ソニア、大丈夫だよ。何もしないから」そう言って優しく抱きしめた。ソニアはまだ大人のジェラルドに慣れていなかった。その夜はときめき過ぎて眠れず明け方にようやく眠りについた。




