表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百一年の孤独 いけにえ令嬢と皇帝の恋  作者: ねここ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/54

愛し始める


この事件の背景にジェラルド三世に片思いをしている令嬢か姫が関わっている可能性が高い。ジェラルド三世はソニアには何も言わず徹底的に調べ始めた。

 

 ジェラルド三世は成長期に入りソニアよりも背が高く、手も大きく力も強く美しく誰もが憧れる青年になりつつあった。ソニアが愛したジェラルドにますますそっくりになりソニアはジェラルド三世を見るたびに心が落ち着かなくなっていた。

 ジェラルド三世は生まれ持ったカリスマ性があり、貴族から国民まで虜にさせる不思議な魅力がある。頭も判断力も優れており、剣の腕も右に出る者がいないと言われる程だ。そんなジェラルド三世はさらに女性達を夢中にさせている。お茶会や舞踏会、パーティー等参加するとその人気で毎回騒ぎが起きる。けれどジェラルド三世は変わらずソニアだけを愛していた。

 ソニアは大人になればきっと同じ年代の令嬢と恋に落ちるだろうと思っていたが全くそんな事は無く、初めて出会った時と全く変わらずソニアの側にいて時々ジェラルドを思い出して泣くソニアを慰めソニアを抱きしめてくれた。ソニアも流石にこれではまずいと思いジェラルド三世に言った。 「ジェラルド三世様、もうソニアはもう一人で大丈夫です。だからジェラルド様も同じくらいの令嬢や姫とお付き合いされると良いですよ!」その言葉を聞きジェラルド三世はソニアを見つめながら言った。「ソニア、私は幼い頃からソニアだけを見てきた。これからも変わらない」そう言ってソニアを抱きしめた。「ジェラルド三世様、ソニアとは四百十歳も離れているのですよ。」そう言うとジェラルド三世は「アハハハ!ソニア、そうだったな。でも私はソニアが何歳でもあなたである限り愛しているよ」 そう言ってさらに強く抱きしめる。そんな事を何度も何度も繰り返していた。ジェラルド三世はどんなに美しい姫と出会っても、どんなに素晴らしい令嬢とあってもソニアを愛している。幼い頃から一つもブレる事なくソニアしか見ていない。ソニアはどんどんジェラルドとそっくりになってゆくジェラルド三世に惹かれていった。幼い頃から可愛かったジェラルド三世は幼い頃から一番近くにいて誰よりも大切にしてくれていた。幼い頃から何度も何百回も何千回もソニアを愛していると言い続け今も変わらず言う。ソニアがジェラルドを思い出し泣いていると必ず何処からか現れソニアを抱きしめてくれた。ジェラルドと同じ顔をし真っ直ぐな愛を伝えてくれるジェラルド三世をソニアは意識し始めた。だけど四百十歳も離れているし、まだ彼は十四歳だ。 ジェラルド三世には彼の人生がある。そう思うと幼い頃から知っているだけに自分じゃ無い人と幸せになってほしいと思ってしまう。


 ソニアは社交界に一切出て居なかったのでジェラルド三世が愛しているソニアをちゃんと見た人はそうそう居ない。実際に存在していない人物だと思っている人も多いそうだ。しかもソニアは城からほとんど出る事もなかったので幻の眠り姫と呼ばれていた。ソニアは今日もジェラルドの肖像画の前で静かに過ごしていた。少し眠くなり手元の本を閉じ眠ってしまった。気がつくとジェラルド三世がソニアを抱きしめながら本を読んでいた。ソニアは目を開けてジェラルド三世を見て

「おはようございますジェラルド三世様」と言って微笑んだ。ジェラルド三世も「ソニアおはよう、もうすこし寝てていいのに」といってソニアの額にキスをした。ソニアは少し嬉しそうに覗き込むジェラルド三世の髪を触った。ジェラルド三世はソニアにされるがまま大人しくしている。

「ジェラルド三世様、こんな所でのんびりしてていいの?忙しいのでは?」ソニアは聞いた。「ソニア、忙しくないといえば嘘だが、私はソニアとの時間を何よりも大切にしたい。ソニアより大切なもの何も無いからな」と真っ直ぐな愛を届けてくれる。ソニアはこの美しい少年を愛し始めていた。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ