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楽器戦隊ネイロンジャー  作者: 宮来 らいと


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第1楽章 はじまりの指揮棒 後編

「オルオル!! さあ、どんどん眠らせていくオル!!」


「待て!」


 僕は化け物の前に来た。


「オルオル!! さっきの人間オル! 懲りずにまたきたオルね!!」


「お前なんかに負けてたまるか!!」


「オルオル! お前なんかに負けないオル! ミューク! 行くオル!」


 化け物の前に大量の化け物が現れる。


「う、うわぁぁぁ!!」


 僕はつい腰を抜かす。やっぱり1人じゃダメか…………


 そう思った時、後ろから破裂音が聞こえ、化け物たちが次々と倒れていく。


「え!?」


 後ろを向くと、そこには4人が立っていた。それに気づくと4人は僕の横に並んだ。


「ケイスケ。お前の無茶には参ったよ。」


「本当よ! この借りはきちんと返してね!!」


「ひとまずは化け物を倒してからだ。」


「はい。行きますわよ。」


「みんな…………ありがとう!」


「おーい! みんな!!」


 遠くから浅見先生の声が聞こえる。


「マジックタクトを振るんだ!そうすればネイロンジャーに変身できる!」


「マジックタクト…………。」


 僕たちはマジックタクトに念をこめる。


「みんな!! 行くよ!!」


「おう!」「ええ!」「ああ!」「はい!」


「「「「「ミューズチェンジ!!」」」」」


 僕たちを強い光が包む。光が消えると僕たちは変身することができていた。


「炎のミュージック!! ネイロンレッド!!」


「雷のミュージック!! ネイロンイエロー!!」


「風のミュージック!! ネイロングリーン!!」


「空のミュージック!! ネイロンブルー!!」


「海のミュージック!! ネイロンパープル!!」


「世界に輝く音楽を!!」


「「「「「楽器戦隊ネイロンジャー!!」」」」」


「演奏開始!!」


「オルオル!! 小癪な!! ミュークたち行くオル!!」


 僕たちは一斉に化け物達に立ち向かう。


「ミューミュー!!」


 ミュークという化け物は僕に襲いかかる。


「うわぁ!」


 僕は思わずパンチする。すると化け物は吹っ飛んだ。


「ほう…………すごいな…………。」


 カイは感心し、僕に応戦する。


「えい! えい!!」


「ミュー!!」


「すごいわ! これなら何でもできるわ!」


 エミリも自分の戦いっぷりに満足感を得る。


 マコトもシズクも精一杯戦い…………残るは大きい化け物だけになった。


「オルオル!! お前達なかなかやるオル!!」


「まあね! あとはお前を倒すだけだ!」


 ガーピー!


 何かが通信された。通信の声は浅見先生の声だった。


「みんな! マジックタクトを振るんだ!! 全員で一斉にマジックタクトを振ると、ものすごい威力の衝撃波が出る!!」


「先生…………わかりました!」


 僕たちは浅見先生の言う通りにマジックタクトを振った。


「くらえ!! これがフィナーレだ!!」


「オルオルオルー!!」


 強い衝撃波と共に化け物は爆発した。


「やった!!」


「やりましたわ!!」


 僕たちは喜びあった。


 するとそこにさっきの怨怪七人衆の化け物が現れた。


「貴様は…………!」


「ふん…………まだまだ…………!! 秘曲……巨大狂騒!!」


 そう言うと魔笛らしきものを吹き始める。


 すると、さっきの化け物が巨大化した。


「オルオルオルー!!」


「おい…………嘘だろ…………。」


「叔父さん! どうすれば良いの!?」


「マコト! 慌てなくて良い! ネイロボッツ……発進!!」


「ネイロボッツ…………?」


 すると上空からカラフルな大きい楽器の形をしたロボットが来た。


「これは…………一体…………!?」


 カイが珍しく動揺している。


「ケイスケ、エミリ、カイ! それぞれの色をした、ネイロボッツに乗るんだ!」


「…………よし!」


 僕たちは、3つのロボットにそれぞれ乗った。


「乗ったな! よし、合体してあの怪人を倒すんだ!!」


「わかりました!」


「エミリ、カイ! 行くよ!」


「ええ!」「おう!」


「「「三重奏合体!!」」」


 そういうと、ネイロボッツたちは合体する。


 レッド――グリーン――ブルー――


「「「完成!! トリオネイオー!!」」」


 完成したロボットを見た、マコトとシズクは……


「おお! すごいぜ!!」


「はい! すごいですわ!!」


 とても喜んでいた。


「へへ…………エミリ、カイ!」


 2人は大きく頷いた。


「オルオルオルー!!」


 化け物は強いビームを放つも、トリオネイオーには効果はなかった。


「なかなか強力なロボだな。」


「ふん、このくらいどうってことないわよ!!」


「うん! 行くよ…………最終楽章!!」


「「「フィナーレコンチェルト!!」」」


 ロボットの胸部から音符たちが出てくる。音符たちは化け物に突撃する…………!


「オルオルオル……オールー!!」


 化け物は再び爆発した。


 僕たちは街の人たちが起き上がる前に音楽室に入った。




「くっ…………オルゴめ……役に立たなかったな……。」


「あははは!! ずいぶん苦労したようだね!!」


「レイズ! ミーナ! 貴様ら何しに来た!」


「何しにって様子を見に来ただけじゃない。」


「くっ……まあ良い…………ネイロンジャーか…………。」




「…………ふぅ。やっと着きましたね。」


「…………ああ。しかし、あいつら一体何者だ…………?」




「…………と、言うわけでみんな! 今日はありがとう!」


「全く…………とんだ災難ですよ!」


「エミリさん、それくらいにしてください。」


「でも叔父さん。怪物2体いたけど……1体は倒せていないんだ。」


「ああ……やつは怨怪七人衆、いわば幹部だ。倒すにはもっと強くならないといけない。」


「もっと強く…………ですか。」


「みんな…………頼む…………この通りだ。」


「先生、頭を下げないでください!」


 僕はそう言った。


「と言うことはやってくれるのかい!?」


「…………はい。」


「まあ、叔父さんの頼みなら。」


「仕方ないわね…………。」


「あの怪物を倒さない限り、私たちにも平和が訪れないんですわね。」


「みんな…………ありがとう!!」


「カイ。お前もやるよな!」


「俺は………………。やらない。」


「え…………?」


「俺は…………やりたくない!!」






 ネクストセットリスト(次回予告)


「俺はやりたくない!!」


 ネイロンジャーになりたくないカイ。


「今日からここに転校しました。織田フウヤ(おだ ふうや)です。」


類瀬ライアン(るいせ らいあん)だ。」


 ユメミノ高校に転校してきた、2人の同級生。


「仕方ない……4人でやるよ!!」


 新たな敵に立ち向かうカイ以外の4人。


「あなたは戦わないんですか?」


「君たちはどう思うんだ?」


「過去ではなく、今を生きるんだ!!」


「空のミュージック!! ネイロンブルー!!」


「闇のミュージック!! ネイロンブラック!!」


「光のミュージック!! ネイロンホワイト!!」



 第2楽章 「しろくろ協奏曲」



 ブルー――ブラック――ホワイト――



「「「完成! トリオネイオー!!」」」


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