技術篇
◇ リアクター機関
中立国家群がエネルギー問題の完全解決と、恒久平和の礎として開発した次世代型動力源。 空間に偏在する微細粒子を相転移させ、熱と電気を無尽蔵に抽出する半永久機関の一種。当初は民生用として、都市インフラや大規模プラントの駆動を目的に設計された。しかし、その高出力・高効率ゆえに「殺戮の心臓」として軍事転用され、歴史の皮線を描くこととなる。機関の安定性には高度な調整が必要であり、中立国の技術提供なしには維持が困難なデリケートな装置でもある。
◇ 騎甲殻
正式名称:リアクター機関基準搭載型人型機動兵器「騎甲殻」
別称:バトル・シェル・フレーム(BSF)
全高:平均15m(最小12m〜最大20m超まで機種により異なる)
動力源:内蔵型半永久動力炉「リアクター機関」
操縦方式:神経直結型思考制御+ 補助AI「コア」
【捕捉説明】
◇汎用性と戦略的意義:10,000年の戦史において、戦車や航空機に代わる「戦場の主役」として君臨。地形を選ばない高い走破性と、リアクターの余剰エネルギーを用いた強力な兵装運用を可能とする。
◇兵装体系:リアクターの熱量を収束・放射するビーム兵器(光学兵器)と、リアクターの出力を質量に込める実弾・物理兵器(超振動ブレード等)を状況に応じて使い分ける。
◇開発思想の差異
・レガリア帝国:「絶対的な火力の集中」と「重装甲」を重視。一撃で戦線を崩壊させる威圧的な設計を好む。
・フロンティア連合:「多用途性」と「電子戦・連携能力」を重視。機動力と精密度を活かした集団戦術に特化している。
◇操縦方式: 神経直結型思考制御+ 補助AI「コア」
【捕捉説明】
補助AI「コア」と同期: 操縦席にあるブラックボックス「コア」がパイロットの脳波を機体言語へ翻訳する。この際、機体の挙動を脳が「自身の肉体の動き」と誤認するため、神経の焼き切れや異常発熱を防止するナノマシン織り込み済みの専用服が必要となる。
同期指数/同調率:パイロットの思考がどれだけ遅延なく機体に伝わるかの数値。
100%(リミット):現行技術における安全上の絶対閾値。これを超えると同調が深まりすぎ、パイロットの生体信号が機体システムに完全に上書き(オーバーライト)され、「人間としての肉体機能の停止(システムの一部化)」や「機体回路の過負荷による物理的損壊」を招くとされている。
そのため、全ての機体には100%直前で強制的に同調を遮断するセーフティが組み込まれている。




