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【悪逆の翼】  作者: 渦目のらりく
第三十一章 AETERNAM
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第229話 相克する過去と未来


 楽想が終わり、物音の無くなった炎の中で――


「フン――――ッ!!」


 ――脱兎の如く駆け出したギルリート。

 背の猛烈なる六枚の推進力が、一筋の黒線となり彼を推し進める!

 怒涛のプレッシャーに床が捲り上がり、周囲の火炎すらも消し飛ばして鴉紋に迫る――


「猿真似野郎が……」


 それを迎え撃つ体制の鴉紋は、背に十二枚の闇を拡散して髪を逆立てた――!


 そしてギルリートは鴉紋の目前でしかと地を踏み込み、右の拳を解き放つ。


「ォオオアァ――ッッ!!」


 破滅を予感させる暴力的な拳。それを半身の体制のまま待ち望んだ鴉紋は、混じり合った黒風の中心で、自らの過去に向けて拳を振り抜く――!


「――――ぐ……ンンっ!!!」

「――――……ん……っ!」


 鍔迫り合う黒の拳――――!

 弾け合うかの様な爆発がせめぎ合い、周囲にインパクトの凄まじさを物語る。

 悪風の只中に居る両名を皆が見守る。


「鴉紋……!」

「ギルリート様……」


 セイルは目を見開き、フォルナは願う――――


「フハハハハッどうした鴉紋ッ!!」

「…………ぬ……ッ」


 あろう事か拮抗を押し返していくのは、鴉紋の半分のエンジンしか積んでいない筈のギルリートであった。

 そしてギルリートは美しく整った歯を見せて笑い始める。


「左足が壊れているんだよなぁ、鴉紋ッ!」


 鴉紋の踏ん張っていた左足が押されていく。

 ビナ・コクマでの死闘で壊滅的なダメージを負った鴉紋の左足が後遺症を残し、黒色化して無理矢理に動かしているという事をギルリートは理解していた。そして自らは闇映し(カオスミラー)の力の一端である()()によって、その弱点を克服し、全開の一撃を捻り込んでいるのだ。


「足の踏み込む力が無ければッ打突は著しくその威力を損なう!」


 肌を切り裂く黒の烈風が鴉紋を襲う。勢いを増して来るギルリートが、奥歯を噛み締めて前へと踏み出す――!


「たとえ翼が倍になろうと、お前は過去の自分に勝てぬのだッ!!」


 小さき呻いて体制を崩していく鴉紋。それに覆い被さる様な姿になって拳を振り下ろしていくギルリートに、フォルナは力を添える様にして歌い始めた。

 偉大なるモーツァルトのREQUIEM――最後の聖歌を。

 とても爽やかな、賛美のアリアを――

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↑の☆☆☆☆☆を★★★★★にして頂けると意欲が湧きます。 続々とスピンオフ、続編展開中。 シリーズ化していますのでチェック宜しくお願い致します。 ブクマ、評価、レビュー、感想等お気軽に
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[良い点] 星もう入れられないんで、言葉で応援しまーす。 ガンバレガンバレp(´∇`)q ファイトォ~♪
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