しんたいそくてい
「はい、おはよう。ん〜、今日は全員揃てるみたいやね」
先生が教室をさっと見渡して出席簿らしきものに何やら書き込んでいる。
「今日の予定は昨日も言ったように身体測定のみ。ホームルームで言うこともないし早速測定用紙渡すから測定に行ってもらうわ。男子は体育館、女子は保健室。場所が分からない子は誰かに聞きな。用紙は教卓に置いとくさかい自分の持ってって」
やけにサバサバした先生やな。まあ気使わんでいい分ええかもな。
「あ、そうそう。・・・男子は測定終わったら教室に真っすぐ戻って来て待機。間違っても保健室の方に行くなよ?もし見つけたら・・・、まあ高校生にもなったら分かってるやろ」
先生の忠告に男子たちが顔を青くする。別に行かへんかったらええだけやのに。
「稟、行こ」
紅羽が立ち上がる。それに続けて姫路さんと柊さんも立ち上がった。
「夏芽さん、さっさと行こ?多分並ぶ列はんぱやないよ?」
「そうそう。せっかくホームルームがすぐ終わったんやし」
姫路さんの言葉に柊さんが頷く。
確かに並ぶんは嫌やな。
「そやな。はよ行こか」
3人に頷いて立ち上がった。4人で教卓から記入用紙を取りに行く。すると何故かクラスの皆の注目を浴びた。確かに紅羽と姫路さんは美人やし柊さんは可愛いしな、3人集まったら注目浴びるわ。
記入用紙を取ると早速教室を出て保健室に向かう。と言っても場所分からんし紅羽達について行ってるだけやけど。
「やっぱり他のクラスはまだホームルームみたいやね」
紅羽が廊下を歩きながら他の教室を見て口を開く。
「そうみたいやね」
「ラッキーラッキー」
丁度隣を歩く形になってる私が頷いて前を歩いていた柊さんが小さな子供のように喜んだ。なんやこの可愛い生き物。
「晴、まだ他のクラスホームルーム中なんやから五月蝿くしたらあかんやん」
「あ、そうやね」
なんかこの2人友達ってよりも姉妹みたいやな。
そうこうしている内に保健室に着いた。ちなみに場所は1階の端。
「とう〜ちゃ〜く。ってまだ誰もおらんみたい」
柊さんが着いてすぐドアを開けて中を確認したが、誰もいないみたいだった。
「ほなさっさと終わらせてしまお」
紅羽の言葉に皆無言で同意する。
中に入ると身長、体重、バストを計るセットが5つあってそれぞれカーテンで区切られていた。
「いっきにいけそうやね」
紅羽の言葉を聞きながらその1つの場所に入って用紙を係らしき人に渡した。保険委員かな?
「はい、まず身長から測るんで背中付けて乗ってもらっていい?」
「はい」
渡した人と違う方の係の人に言われるまま身長計に乗る。
「え、と。百、五十・・・四てん五」
記入用紙を渡した人が何やら書き込んでいる。
「次は体重計に乗って。制服分引いてあるから脱がなくてもいいから」
体重計に乗り数字を見た。うわ、これはやばいわ。
「ぇ!?ぇと。 39キロ」
やっぱり驚かれた。さすがに40きったらやばいな。
「次にバスト計るから制服とブラ脱いで。大丈夫、秘密は守るから」
言われるまま脱いで置いてあったカゴに入れた。
そして手際よくトップとアンダーを計られる。どうやらバストについては声を出さないらしい。それやったら身長とかも声出さんかったらええのに。
「Cね。ブラもちゃんとあったの使ってるみたいだし大丈夫」
服を着ていると係の人に回りに聞こえないように小さな声で言われた。やっぱりそこら辺は気を付けているらしい。
「用紙はこっちで貰うことになってるからそのまま戻ってもらって大丈夫だから」
「そうですか?ありがとうございました」
お礼をしてカーテンを出た。って凄い人やな。ちょっとの間で凄い長い列ができていた。
何とか保健室を出るともう3人が待っていた。
「稟も終わりか?ほな教室戻ろ」
来た時のように私と紅羽、姫路さんと柊さんが並んで歩く。
一緒に教室に戻ったが身体測定の結果については何も話さなかった。話したがる娘もおるみたいけどやっぱり触れへんのが一番やしな。




