番外編 ゴミ処理場
「もう嫌…食べれないから!!!!」
次々と運ばれてくる大量のゴミ。人間たちが生み出し続けるものがベルトコンベアに乗って、僕がいる部屋に流れ込んでくる。
今日で125日目。数年前の新聞紙、店員を呼ぶベル、使いすぎて水が流れてしまう洗濯機、ペットが噛んで使い物にならなくなったLANケーブル。こういう無機物は特に味がしないからいい。けど、カビたパンや冷蔵庫の奥底に眠っていた人参、水気が切られていない生ゴミたちが、鼻を突き抜けて目にくる。
食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない
「うわ、くっせぇ。んあ?ったくまたこいつ食べもんばっかり残してやがる。」
「仕方ないだろ、天使族?ってやつは人様が食える美味いものを不味いと感じまうらしいからな。」
男はそういうと食べ物のゴミの山から、片手にいっぱい掴むと来夢の口にねじ込んできた。喉の奥まで突っ込まれたから、下から胃液が込み上がる感覚が脳に伝わる。それでも男は問答無用で口に突っ込んでくるから、ゴミを一口で飲み込んだ。食道が無理に広がった感じが気持ち悪い。咳きを込んで目を開けると、そこには次のゴミが待っていた。
「ひゅー…ひゅー…ひゅー…」
約1時間ほどそれが続いた。喉から変な音がするけどどうでもいい。
「よぉやく終わったな。でもこんな小せえ子にここまでしないといけねえってのは、ちと心苦しいな。」
「お前、上の方針を疑う気か?」
「んな事ぁねえって!」
「ふん!まあこれも『火のない年』が終わるまでの辛抱だぞ。いつ終わるか知らねえけどな。」
男はそう吐き捨てながら部屋を後にした。もう1人の男も小走りで続いていく。
パパ、ママ、お姉ちゃん、お兄ちゃん、のあくん、らてちゃん、あるくん、ミラおばさん、ヒロおじさん…誰でもいいから、はやくぼくをここから救い出して
気のせいかもしれないけど、遠くから誰かの泣き声が聞こえた気がした。




