キタコレですね
「モノ、多すぎぃ〜」
来夢に連れられて来た部屋には、世界のどこを探しても無いような一級品もあれば、こんなのどこにでもあるし、ほぼゴミみたいなもんが溢れていた。少しでもホコリが被っていたら、この部屋は物置きだと間違いなく言えるのだが、誰が掃除したのか知らないけど全てピカピカにされているのが、これまた不思議だった。
「ここは、世界のモノの歴史が詰まっている場所。『ミシェルの箱庭』だよ。ここにあるもの、もしくは今持っている大切なモノを使って、みんなの専用武器を作ろうと思う。」
「武器は!?武器はないのか!?短機関銃でもいいし、十手でもなんでもいいゾ!!!」
「申し訳ないけど、銃とか刃物系は今回使わないようにしてもらいたいの。」
「ガーン…!」
初めてきたショッピングモールで目を輝かせる子どものように、黒澤は辺りを舐め回すように見ていたが、お母さんにお菓子買わないよ。みたいに言われて膝と肩を落とした。
「町中で専用武器を使ったとき、僕たちの息がかかった警官に当たらなかったら、みんな豚箱行きになっちゃうでしょ。だからモノとモノを掛け合わせて、殺傷能力があるものに作り変える。」
「なーるほどなぁ、んじゃそうすっか。でも結構イメージしづらいな。来夢はなんかいい意見ないか?」
「赤木さんに作れないけど、昔にバイオリンとアーチェリーを組み合わせた専用武器を作ったことがあるよ。」
例えを聞いた赤木たちは、少しイメージがついたのか、使えるものがないかと物色し始めた。しかしここで問題発生。モノがあるのは結構。多すぎてこれにフライパンを組み合わせたいと思っても、フライパンがどこにあるかわからないみたいになっていた。
「リトルマザー?これ何がどこにあるか分かったりしますかね?」
「随分前に来たから、それ以前にあったものならわかるけど、新しく入ったのはちょっとね。あ…ミシェルに聞けばわかるはずだよ。」
茶野はミシェルと言う人名を全く聞いたことがない。しかし、何故か自分はもうずっと前から知っていたような気がした。
来夢は迷うことなく前へ前へと進んでいった。棚の森から抜けると、図書館のカウンターのようなものと、その後ろに司書ポジで佇んでいるアイアンメイデンがあった。しかもただのアイアンメイデンではなく、本来の役割である中の人を串刺しにする部分がくり抜かれていた。その部分には、変わりにといった感じで、カラフルなケーブルが繋がっていた。
「やあやあやあ、ミシェル氏。ご機嫌如何かな?」
「オウフwww」
《本日のグリストーリー》
赤木はかなりの動物愛好家。道端にいる猫ちゃんとか、しゃがみ込んで手の匂い嗅がせるタイプの人間。ペット自体は飼っていないが、動物から好かれやすい体質な為、外でゆっくりしているとディズニープリンセスみたいになる。
あと人間のビスケットよりも犬用のほうが美味しいと、ペット飼っていないのにペットショップでビスケット買って食べている。




