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ケイト・ハサウェイの片恋 EP31

もしも、この世界が逆だったのなら私はどうなっていたのだろうか。


男の人が極端に少ないこの世界、もしも仮に女性が襲われる側だったら。


駄目だ、全然想像出来ない。


だけども一つ変わらいない事があるのだとすれば。


それはジョンへの恋慕だ。例え世界がひっくり返っても私は彼を好きでいる自信がある。


うんうん、彼以外を好きになるはずがない。


ねぇ、そうでしょ、ケイト?






「秋山はジョンのこと、好きですよネ?」


「今更何をいってるの、ケイト。そんなの大好きに決まってるよぉ。」


日本に来て出来た友人。彼女とはよく休日も遊ぶ。


「うん、そうだね.............ケイトもジョン、好きですよぉー!」


「何をぉー!私の方がジョン君の事がすきですよぉ!」


両手を上げ私の方がジョンの事を好きだとアピールをする。私と秋山は互に顔を合わせて笑った。


「ねぇ、ジョンは誰と結婚すると思う?」


「どうしたの、いきなり。」


自分の真面目な表情に驚いたのか秋山は正座を此方を向く。


「うんうん、やっぱり何でもないデス。」


そろそろ夕暮れどきだ。帰る事にしよう。


「秋山、今日は楽しかったデス!また明日スクールで会いましょう!」


元気よく手を振り秋山の家を後にする。秋山は終始私の事を心配深く見ていたがどうか気にしないで欲しい。


「ただいまでーす!」


秋山の家から瀬名家の距離は徒歩約五分である。本当はジョンも誘いたかったのだが、一おばさんが何処かに連れて行ってしまった。


(あのヤンデレおばさん、いい加減にして欲しい。)


「ジョンを独り占めしすぎだろ、」


一人愚痴を漏らしていると母である伊都が私の部屋へと入って来た。


「あらケイト、帰ってたの。」


「うん。ジョンはまだ帰ってないでしょ。」


「あと少しすれば帰ってくるって言ってたわ。」


メールを確認しそう言う伊都。ケイトうなだれべッドへと身体を横にする。


「今日は珍しくエセ外国人の喋り方じゃないのね。」


「今はジョンも一おばさんもいないからね。」


少しくらい休んでもいいだろ。このキャラを纏えばあの一おばさんだって怯む事はないのだから。


「ねぇ、ケイト.......」


伊都は真面目な顔をしべッドへと腰を下ろす。


「どうしたの?」


「あのね、」


言いよどんでいる。何か大切な話なのだろう。


「そろそろ私たち、アメリカに帰る時期だと思うの。」


「...............」


言葉が出ない。胸を槍で貫かれた様な感覚だ。


「ジャックだっていつまでも一人にさせる訳にはいかないでしょ。」


「お父さん、」


そうだ。確かにお父さんをこれ以上一人にさせる訳にはいかない。時折、母は帰国をしていたが、これ以上は流石に酷と言うものだ。


(だけど、私は......)


「.....................ジョン」


ジョンの事が好きなんだ。やっと仲良くなれたんだ。それなのに、今帰るなんて私は......


「...............ケイト、貴方は残りなさい。」


私は眼を見開き母を見る。


「ジョン君を連れて帰る事は不可能なのは貴方も分かるでしょ。なら、方法は一つしか、ない。」


ジョン本人を落とす以外に連れて帰る方法がないと言う事だ。


「分かってる。私がもっと頑張ってジョンを私の物にしてみせる。」


今以上にジョンと向き合わなければならない。これまでの関係ではいけないのだ。


「お母さん、ありがとう。」


母は笑ってくれた。


「お父さんにごめんって謝っておいて。」


「わかった。」


私が一歩、足を踏み出さねば。





その日の夜、私は秋山へとメールを送った。


「私は明日の放課後_____________告白をします。」


残り一話!これでこのお話は完全に幕を閉じる。まぁ、正確には次話は最終話、そしてあとがきの二話だけどね。

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