瀬名ジョンの憧憬 EP19
ピンポーン
「はーい!」
ドアベルが鳴る。瀬名は急ぎ応答をする為に玄関へと向かった。
「来ちゃった♩」
綾瀬めぐり。二日程前に握手会へと赴き握手をしたアイドルだ。しっかりと眼鏡やら帽子で姿は隠れている事から人気アイドルであることが伺えるようだが。
「........帰ってください。」
一瞬呆気に取られたが直ぐに正気に戻り玄関の扉を閉めた。
ピンポン ピンポン ピンポン ピンポン
「うるせぇ!」
最悪な事に母は今日は帰宅しない。そうメールがあったばかりなのに本当に自分はついていない。
「どうしたら帰ってくれますか?」
「うーんと、エッチしてくれたら、とか?えへへ」
頭が湧いてる。
「俺、処女にしか興味ないので結構です。」
(もちろん嘘だが、こうでも言えば、女性はドン引きして帰る筈。)は
「うっそー!!超ラッキー!私、処女だよ!よかった〜今日までとっておいて!」
ふざけんな!なんで処女なんだよ!
「あれ、嘘って疑ってる?なら、確認して見る?」
「いや、良いです。処女は大切な人の為にとっておいて下さい。」
「うん!じゃあ大切な人が目の前にいるので開封してしまいましょうか!」
ニュースやバラエティー番組を見ると、ここ二日、この女の出演が多い様な気がするのだが。しかもどの司会も自分について模索して来ようとするし。勿論母の圧力がある為、大きくは言わないが、遠回しに綾瀬に質問をしている芸人の姿をよく見る。
「流石に家にはあげられませんが、近場の、喫茶店にでも行きましょう。」
「本当!やったー!」
心底嬉しそうにガッツポーズをする。直ぐに自室へと戻り財布を握り真一とよく行っていた喫茶店に行く事にする。
「こんにちは。」
「おー瀬名くん、久しぶり。テレビ見たよ。災難だったね。」
落ち着いた雰囲気を出すマスターが開口一番そう言ってくれる。
「えぇ、本当に災難ですよ。」
周りの席を確認するが誰も座っていない。
「此処が貴方の行きつけの喫茶店なのね♩お洒落で素敵♩」
内装はとてもお洒落で落ち着いた雰囲気だ。だが、裏通りにある為に余り客がいないのが残念なポイントだ。もっともそのお陰で自分は落ち着いて飲食を出来るのだが。
「あ、綾瀬、め、めぐり?」
マスターが驚いた表情を見せる。
「最初に言って置きます。俺は此奴とはテレビで言う様な特別な関係ではありません。」
「またまたぁ〜?めぐりは貴方の物なんでしょ♩」
「家にストーカーされたから、仕方なく連れてきたんだ!」
「ああ、たまにあるよね、瀬名くん。」
店長であるマスターが理解の顔を見せる。
「前は真一くんの学校の同級生が君の家へと押しかけたんだっけ?モテる男はツライねぇ〜」
笑いながら言うが笑いごとではない。
「取り敢えず、俺たちの事について真剣に話し合わなければならないな。」
二人は空いている席へと座る。マスターはコーヒー作ってくるよと言い厨房へと入っていった。
「単刀直入に言う。あれは故意だ。あんたが手を離さなかったからつい出来心で行ってしまったんだ。」
「別に出来心でも良い。私を貴方の物にして下さい。」
「ダメだ。酷い事を言う様だが、俺はアンタのファンじゃない。」
「うん、ファンじゃなくてご主人様だもんね?」
(何だろう、この子、口が良く回るなぁ。)
勿論悪い意味で、だ。
「俺はアンタのファンに連れられていっただけの高校生だ。他意はない。」
「年上は、好き?」
「話、聞いてる?」
「私、今年で二十歳なんだけど、大丈夫だよね?ほら、歳の差とか今時関係ないって言うかさ、気にする様じゃダサいじゃん。勿論、貴方はダサくないよ。すっごいイケてる。誰よりも好き。そうだ!何なら高校を卒業したら私の家に来なよ?絶対その方が楽しいよ!お金の事なら気にしなくてもいいからさ。こう見えても私、稼いでるんだから!ふふ。そうだなぁ、まずは籍を入れようか!あ、大学行きたかった?なら私が費用払ってあげようか?何処の大学行く?私もアイドル辞めて、一緒のキャンパスライフとかもドキドキしていいし!夫婦で大学って何だかドキドキするね!でもサークルはダメ!絶対に変な女が寄ってくるんだから!私だけを見て。何でもさせてあげるから。お願い。て言うか、私がさせて欲しいくらいだし。一日一回キスは絶対ね!それとそれと、祝日の日はずっとエッチしてよ♡どっちが降参するかまでやって見たいな!処女だけど、えへへ。あ!子供はどうする?正直私は貴方だけ入ればいいし産まなくても良いんだけど。だって、愛情が子供に行っちゃうでしょ?私だけを見ていて欲しいの!でも、どうしてもって言うなら作ろっか♡」
怖いわ!何なのこの女!アイドルって清純っていうけどかなり乱れてますよ、この子!精神面的な意味で!
「お、落ち着きなさい。瀬名くんも困ってる。ほら、コーヒー持って来たよ。」
マスターがドン引きした表情でコーヒーのカップを置いて行く。
「アンタと住む気はない。他を当たってくれ。此れが答えだ。」
簡潔に結論を言おう 。
「他をあたれないんだけど?」
顔を近づけられる。すっげぇ眼力が強く思わずケツに力が入る。
「近い近い」
綾瀬のおでこに手を当て彼女の席へと押す。綾瀬はその行動が意外だったのか嬉しそうに自分のおでこを触れた。
「デートしよ?」
「ねぇ、話聞くきあるか?」
「デート!」
「お前はアイドル!俺は一般人!OK?」
「NO!私はアイドル奴隷!貴方は飼い主様!」
もうやだ、この子!誰か助けて(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
何やかんやでブクマが460件越えたぞ!お前ら文句やら愚痴をクソの様に漏らしてるけど好きなんすねぇ、この作品(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎ツンデレ、悪くないぞ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾




