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瀬名ジョンの憧憬 EP16

「ちょっと待って下さい、この行列に並ぶんですか?」


握手会の会場へと辿り着いた瀬名達は厳しい検問を受けようやく会場入りする事が出来たのだが、検問だけでも既に一時間を費やし、此れから並ぶであろう長い列に対し瀬名の内心は穏やかではなかった。


「デュフww此れはアイドルファンからすれば至極当然の道ww唯一アイドルとファンが触れ合える奇跡の楽園、其れが握手会でござ候wwwコポwwww」


オタクと共に列へと並ぶ。周りからは何故か奇怪な目をされた。


「なんで神聖な場所にあんなモデルみたいなイケメンがいるんだよ」こそこそ


「外人さんのファンは同じファンとして嬉しいけど、流石に綺麗すぎるよ」こそこそ


などとこそこそと話されているが瀬名は気にした様子も見せなかった。ただ愚痴を叩きつつも瀬名を覗くファン達は視線が離すことが出来なかった。余りの美しさに目が瀬名へと向くのだ。


(めっちゃアイドルオタク達に見られてるんですけど........)


本音を言うと視線が怖いがオタクさんへの罪滅ぼしの為とポーカーフェイスを貫く。


(...............それにしても臭いな、此処。)


やはり人がこれ程大勢いると蒸れて暑くなる。


「瀬名氏ww此れが拙者らが見合う聖女達でござるぞww」


オタクさんからアイドルの顔写真付きパンフレットを受け取る。


(可愛いんだろうけど、みんな一緒に見えるんだよなぁ)


「皆さん、お綺麗ですね。」


取り敢えずオタクさんの機嫌を損なわない為に世辞を言っておく。


「wwwwwフォカヌポウwwおっとと、ついつい興奮の余り奇声をあげてしまったことに非礼を申し上げるでござ候ww因みに拙者の押しはゆかりんであります!ww」ビシ


敬礼をするオタクさんに顔が若干引きずるがゆかりんと言う人物が今回の目当てなのだろう。


(ん?パンフレットにゆかりんって人はいないな。まぁどっちでもいいか。)


其れから長い順番を待ちようやくアイドルが視認できる位置にまで近づいていた。


「いざとなったら緊張しますね?」


「瀬名氏も緊張するのでござりまするかwww........殿、拙者がお側におる故、どうかご心配なさらず堂々と構えて下され」キリ


ヘラヘラ顔がいきなりベテラン俳優みたいな渋い面相になりワザとらしく自分の前へと守るように立つ。


(たまにあるクレ●んのヒ●シがシリアス顔をする時みたいだな、今の)


「次の方〜」


とうとう自分達の番のようだ。


「オゥフwww瀬名氏wwww拙者がお手本をまず見せるでござるwwwいざ尋常に......参る」キリ


オタクさんは先にアイドルへと握手をもらう為に先陣を切る。お手本を見せると言うが瀬名は握手をするアイドルを観察していた。


(めっちゃ作り笑いしてるけどファンの人ら気づかんのか?)


しかも先に行ったオタクさんも握手をした途端表情が普段よりもヘラヘラとしたものだった。


「次の方〜」


自分の番だ。後ろのファンらからは尋常ではないプレッシャーを感じるが見ないようにしよう。


「どうも、こんにちは」


握手をするアイドルの子は早く終わらせようと自分の手だけを見ていた。


「はーい♩こんにち.........わ?」


そして顔を上げると台詞が止まった。その表情は有り得ない物を目にする様な瞳をしていた。


「お時間でーす」


スタッフは終了時間だと言う。


「其れじゃあ、あの、頑張って下さい。」


物凄く自分を凝視し顔を赤くしている。


「...........」


取り敢えず特別言う事も無いのスタッフの指示に従い出口へと足を進ませようとするが。


「待って」


握手をしている手が離れない。


「お客様、困ります。お時間ですので!」


スタッフは瀬名が離していないものだと思いすぐ様、引き剥がそうとする。


「退いて!」


引き剥がそうとするスタッフを突き飛ばしテーブルの反対側から此方へと移動をしてくる。もちろん手を離さずにだ。


「あ、あの〜他のお客さんも待ってますし、俺、出ますね。」


「別にいい。」


「はい?」


「別に良いよ?」


別に良いのなら手を速やかに離して頂きたい。


「二人でもっと話そうよ?」


「いや、流石に皆さんのアイドルですし、独りだけ時間が長いのは....」


後ろのファン達からの視線と罵倒が凄いのだ。


「ちょっと黙ってて!!」


自分のファンであるにも関わらず怒鳴りつけるアイドル。


「ねぇ、私のファン、何だよね?」


瀬名は冷や汗を流し先に出たオタクさんへとヘルプの視線を送る。だがオタクさんから送られたのは親指をビシッと伸ばし口パクでグッドラックと言っている姿だった。


(あのクソデブメガネぇ!)


「えっと.......一応はそう言う形になります、ね」


「ん♡そっかぁ」


握る手をイヤらしく触り距離を近づけようとしてくる。


「ねぇ、貴方だけのアイドルになってあげてもいい、よ♡」


めちゃくちゃ身体を擦り付けてくる。しかも上から目線の言動。ちょっとイラつくなぁ。


(........せっかく時間をかけてくだらない握手会に来たんだ、少しだけ遊んでもバチは当たらないよな?)


瀬名は自らアイドルへとより近づき彼女の顎をくいっと上へと引く。そして耳元へと顔を近づけ優しい声(イケメンヴォイス)で呟いた。※瀬名の声は声優で例えるなら中● 茂、立●慎之介系統の声である。


「なってあげても良いんじゃなくてさ..................してやろうか、俺だけの女に?」


こんなキザな台詞を吐けば流石にひくだろう。そう思いアイドルの顔を覗き込むと。


「あっ......え..........//」


膝を床へと付け光悦とした表情で瀬名へとしがみつく。表現で例えるのならばまさにメスの顔。そういった表情をアイドルの女はしていた。


握手会の話面白いやろ?(ドヤ

取り敢えずリクエストがあったので次のヒロインは瀬名ジョンの母、一で決定やで!


【宣】ANIMEの世界からようこそ!の方も宜しく頼むぜ!(こっちばっかブクマが伸びてんぞ!どう見てもアニセカの方が面白いから!)


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