Episode59 "残りの五人"
「わ、我はステラなどと言う小娘ではないぞ」おろおろ
突如冷や汗をブワッと出し慌てふためくステラらしき女。すると横にいた女性がニヤケ面を見せ口を開いた。
「ジョゥン、此奴はぁなぁ記憶を失ぃ錯乱しておおたのじゃあ、くく。自分を美しき女神だと人の世で喚き散らし随分と暴れておおたようだがぁ、くく、笑いが止められぬなぁ。」
「や、やめよ!思い出したくもない、」
もう一人の女性は甘く粘っこい独特の喋り方をする。
(..........本当に逆転世界以前の事を知っているのか。いや、何かしら関与しているのか?)
瀬名は鋭く二人を警戒深く見つめる。
「くっ、記憶が蘇ったかと思えば我は路上にて複数の小娘共と倒れておおた.......ん?ジョン、どうした、その様な目で我らを見おうて。」
因みに一による攻撃で記憶を取り戻したのは言うまでもないだろう。※一は存在に気づいたために即座に瀬名の回収に向かった結果がアレである。
「アンタらは俺が誰かを知ってるようだが、俺はアンタらを知らないんだ.....警戒するのは当たり前だろ?」
その台詞を聞き何処か悲しげな表情を浮かべる二人。
「.......まぁ良い、我らの事は此れから知って行けば良いのだから。取り敢えず、我らが居城へと向かうとしよう。」
二人に手を引かれ城へと向かう。ケイトは何食わぬ顔で其れを追った。
★
「リディア、アルセイド、ネーレイス、そして我ら二人と合間見えた。残り邂逅をするは三人だ。この先に玉座にて彼奴らは待っておる。」
「彼奴はぁジョンを確保した事をぉ知らぬからなぁ、騒ぎ暴れるぇ、くく。」
取り敢えず彼女らが進む城内を進んでいくのだが、城内の装飾が凄すぎる。この時代の人間が作り出せるとは思えない程の精巧な作りだ。ケイト、写メを撮るのをやめなさい。
「名前を聞いてなかった......」ボソ
瀬名は小さく言葉に出す。
「ん?我の名か?エウリュアレーだ。まぁ呼びにくければステラで構わんさ。」
以前のステラとは違い凄く大人に見える。若干身長が高くなっているのは気の所為だろうか。
「くく、妾の名が知りたいぇ?ん?知りたかろう?ならば教えてぇ「着いたぞ。」...............」ギロリ
名乗りに邪魔をされステラを睨み付ける。
「ああ、此奴はキュベレーだ。」
「な!?き、貴さ、貴様ぁ!!妾がぁジョンにぃカッコ良く名乗りをあげる所であったえぇ!!そ、其れを邪魔しおっ「ジョン、扉が開く、少し下がるぞ。」
キーッ!と両腕を上げ激昂するキュベレーを差し置き瀬名だけに対し言葉を向けるステラ。その漫才みたいなやり取りに少し緊張がほぐれた様な気がした。そして巨大だ扉が開かれると其処は八つの玉座が置かれる巨大な間だった。ステンドガラスから注ぐ光がより間を神聖な物に魅せる。そして王座には六の人物達が腰を下ろし此方を見ていた。
「収穫はリディアの捕獲、ジョンは何処に行ったでありん.............ん?ん!?」
白髪の女性が瀬名の存在に気付き横に座る一、アルセ、ネーレイスへと視線をぶつける。
(母さん達、いつの間に来てたんだ、)
「ん?わっちは幻覚を見ておるのかや?ん?」
どうやらこの城内に瀬名がいる事が信じられない様だ。
「おお、妾の番が戻ったか!早う、此方に近うよれ。いや、妾自らが其方に近づこう。」
中央の王座に座っていた黒髪の女性が立ち上がり此方へと近づいてくる。髪は床につくほど長く耳は何処か普通の人よりも長い気がする。
「うわッ!?ん!ちゅ..ん......むぅ、ちゅ、んんん!!ぷはぁ、はぁ、はぁ、」
近づかれると顎を上げられ濃厚な口付けをされる。黒髪の女性は長身で今の自分よりも若干高い。※逆転世界での瀬名は中学生設定だって事をお忘れなく。
「この味だ。この味を久方ぶりに感じた。少し、ジョンを寝室へと連れて行く「「「「「「「待てぇええいいいいいいいい!!!!!!!」」」」」」」......何だ、無礼であるぞ。」
「無礼なのはお前だ、戯けめ。」
ステラがツッコミを入れる。
「ジョン、今から説明するわ。本来なら、絶対にこんな状況はあり得ないのだけれど.......アルセイドさんが来るからこの世界は、チッ。」ボソ
一は最後の台詞を周りに聞こえない様に言うと瀬名の前に立った。
「この世界に来て初めて話したのは私よね、ジョン?」
玉座にいる全ての人物が瀬名を凝視する。空気からでも分かる。此の質問は重要な鍵なのだろう。
「俺は.............」
残り一話やで!本当に誰とのエンド希望もないんかい?まぁ、中学生編の続きを書く手もあるが其れは不屈の英雄の番外編2で書く予定だからスマンな。ANIMEの世界からようこそ!のブクマ、朗読もよろしくー!




