Episode56 "真実?"
「.........それで、Heptagonって言う組織からアルセ達が来たってのは分かったけど、その組織ってのは何なの?」
ケイトと一悶着が終わった後、四人は椅子へと座り話を始めた。ケイトはと言うとレイスちゃんに簀巻きされガムテープを口に貼られている。
「セナを守る為の機関。もっともどっかの誰かさんがセナを連れて逃げたから機能は完全に停止したんだけどね。」ギロリ
「えぇ、どっかの'誰か'さんの所為で幼少期のジョンくんを愛出ることが出来ませんでしたぁ。」ギロリ
「うぅ.......私は悪くな「「何ぃ?」」うぅ、何でもないです、」グスリ
テーブルの下で母の脛に絶え間なく蹴りを入れる二人だが見なかった事にしよう。
「リディアさん.....今は一さんでしたか。彼女が居た頃はOctagonと言う名称でしたよぉ。」
........先程から七角形やら八角形と言われてもパッと来ない。展開がぶっとび過ぎてる。逆転世界要素は何処に行った?
(取り敢えず、母さんが消えた事で一角が減っているって事は一応は人を指しての意味なのか。)
「それじゃあ、アルセとレイスちゃんを除いたらまだ残り五人もいるって事になるけど?」
「正解。」
アルセが答える。要約するにアルセ達の様な存在がまだ五人もいると言う事だ。
「裏切り者とは言え、一さんは元Octagonが一人、その権威を使い隠蔽した生活をするのは容易な事です。不思議だとは思いませんでしたか、ジョンくぅん?有権者達が何故、彼女を恐れ首を垂らすのか。」
すっげぇ心当たりがある。
「この世界の如何な国、組織、政府は私達の組織に手出しをする事は出来ない。それが世界に為される"理り《ルール》"だから。もっともその何でも出来る立場を利用して人間社会の基盤に立ったお馬鹿さんが一人いるけどね。」ジロリ
アルセは一へとジト目を向ける。一は目を逸らし口笛を吹いた。
「ごめん、正直に言うと話についていけてない。俺にとっての母さんは瀬名一、ただ一人だ。本当の両親がいたとしても今更逢いたい何て思わない。ただ、話を聞く限りじゃあ俺の出生には何か秘密があるな?」
「ジョンきゅん//」
一は瀬名の発言を聞き感激した表情を見せる。
「其れは、ジョンくん、貴方がか「言ったらダメだよ、ネーレイス。壊れちゃうよ?」あぁ、忘れておりました、すみません。」
申し訳無さそうにアルセへと謝ると自分へと視線を戻す。
(壊れる?アルセは今、何を言おうとしたんだ....)
「ジョンくん、私達と戻りませんか?」
レイスちゃんが瀬名へと真剣な表情で聞く。
「何処へ?」
「愛の巣です。誰にも邪魔はされない安全な場所。其処で私達と暮らすのです。勿論、ジョンくんが一さんを連れて行きたい言うのであれば彼女を許し再びHeptagon改めOctagonとして君臨しましょう。どうですかぁ?」
蒼海の様に青い瞳が自分を突く。
(話が飛躍し過ぎて頭がついて行かない。一体母さん達は何者なんだ、そもそも何で俺なんだ?容姿か?いや、雰囲気で分かる。其れだけの話ではない。何か重大な何かを知っているんだ。)
「...........一緒に暮らしたら、本当の事を教えてくれるのか?」
瀬名は椅子を立ち上がりレイスちゃんの前へと立つ。
「其れはジョンくんの出生について..............其れとも、この世界についてですかぁ、ふふ。」
(この女..........知っているのか、俺が)
レイスちゃんは自分の存在を知っている。アルセ、母さんも驚く表情も見せないと言う事は彼女らも同様に知っていたのかも知れない。自身の中身か貞操逆転世界の住人ではないという事に。
「そう警戒した目で見ないでくさい、ジョンくん//あぁ、やはりジョンくんにはその鋭い眼が似合いますねぅ//」
「あまりジョンきゅんを怖がらせないで下さる、ネーレイスさん?」
母がレイスちゃんへと釘を刺す。
「あらぁ?私は怖がらせるつもりはなかったのですがぁ、うぅ、ごめんなさい、ジョンくん。あぁ、其れと言い忘れていましたねぇ、ジョンくん___」
ゴクリと唾を飲み込み冷や汗を流す瀬名。目の前にいる三人がより得体の知れない何かに見える。
「____貞操の逆転した世界にようこそ」
本編をあと何とか4話で終わらせる!




