Episode55 "母ではない!?"
人と言うのはどうも愚痴を漏らさなければ生きて行けない生物だと思う。
リアルはクソゲーだと言うのは的を得ている。試験、成績、仕事、人間関係と様々なストレスが引き起こされるであろうデイリーイベントが毎日と蓄積されていくのだ。
死にたい、と感じた事はないだろうか?
本気で死にたいと思っている訳でもないのにこの感情が沸き起こるのは何故だろう。
現実から眼を背けたいと言う感情がそう感じさせるのだ。それもあってか〝なろう”では信じられない程の異世界転生物語が転がっている。
魔法が使えればオレだって思うだろう、だが仮に自分達が飛ばされたとしてもSSやラノベ作品みたく無双出来る訳ではない。むしろ、何故自分が特別になれると思う、疑問には思わないのか?
所詮はモブ、神様だってお前を特別扱いはしない。女神様が転生させてくれるから?無宗教のお前らがそう言う時だけは神様を信じ頼るなんて虫がいい話だな。
仮に救いの手を差し伸べるとしてもオタクやその辺の中高生、おっさんではなく神を信じ祈りを捧げる信仰高き人物だと思う。
〝そして何が言いたいかと言うと私は無性に腹が立っている。”
「何でネーレイスさんまでいるの........」
母、一は頭を両手で抑え冷や汗をダラダラと流しイラつきを感じていた。
「ジョンきゅんとのラブラブ生活が破綻していくわ.....」
「お前が悪い、諦めろ。」
アルセがニヤケた面で一の肩へと手を置く。その行為にギリギリと歯ぎしりを立てる一。
「ただいまー」
瀬名達が帰宅する。アルセは玄関へと向かう。
「もぅ、アルセイドちゃん。メッ!ですよ。ジョンくんの一人じめはダメだって話しあったじゃないですか。」
レイスはアルセの姿を見るなり優しく怒る。
「...........ネーレイスさん、」
一は顔だけをリビングから出していた。
「こっちに来て下さい、クソ野郎♫」
ネーレイスは笑みを貼り付けたまま母を呼びつける。
「うぅ.......はい」
母はトボトボと此方へと歩いて来た。
「さて、弁明はしなくて良いので一発入れますよぉ〜。あ、歯は食いしばって下さいね、ふふ。」
レイスちゃんは間髪入れず母の顔面へと右ストレートをかます。入れる際にえい♪と可愛い声を出しているにも関わらずかなり鋭いパンチだったので驚いた。母は言うと、かなり飛ばされていた。
「ひ....いひゃい.........うぅ」
鼻血を流しながら涙目になる一。ちょっと可愛いと思ってしまった自分を殴りたい。
「レイスちゃん、いきなり母さんに何をするの!」
「母さん?..........あぁ、そう言う事ですか、リディアさん。」ギロリ
ひっと怯えながら土下座をする母。一体如何した?之までの母さんならどんな相手にも無双できていただろ。アルセを除いてだげど。
「ネーレイス、このくだりはアルセが来た時に終えた。」
「うふふ、そうですかぁ。という事はアルセイドちゃんも同罪って事になりますよぉ?何せ、そのくだりとやらを終えた後に私“達”に連絡を送らなかったのですからぁ。」
レイスちゃんが何か肝心な事を言った気がする。
「えぇっと、アルセとかレイスちゃんみたいな家族(仮)がまだいるって事?」
「ジョンくん.......仮は入りませんよぉ、うふふ。」
「は、はい........」
レイスちゃん、怖いな.........
「セナ、私達のことを(仮)と言うのならリディアにも(仮)をつけなきゃ、メ!だよ?」
えぇ、それは如何だろうか。
(...........え、何?て事はマジで母さんは本当の母さんじゃないって事!?)
瀬名は取り敢えず靴を脱ぎリビングへとレイスちゃんを連れて行く。それを追う様に一達もリビングへとついて来た。
「母さん..........母さんは......母さんだよ、ね?」
瀬名は焦る様に一へと尋ねる。だが一は堂々と瀬名の前へと立ち抱き締めた。
「一はお母さんです!そして将来のお嫁さんでもあります!」
「おい、待て、アルセがお嫁さんだよ。」
アルセは瀬名の右腕へとくっ付き、そう言う。
「レイスちゃんがお嫁さんになります!」
レイスちゃんも同様に反対側の腕へと引っ付く。すると先程まで黙っていたケイトが叫んだ。
「ジョンがかわいそうデス!真剣な話なのにフザケてばかり、もっとジョンの気持ち考えて下さーい!一叔母さんが本当のマミーじゃないって事を聞いて、ジョンのハートも動揺しているはずデスよー!」
一達から瀬名を引き剥がしケイトは彼女らにあっかんべーをする。
「..........それに、Wifeはケイトデスからね」ボソ
ボソりと言葉に出すが、悪魔でも一達に聞こえる声量で言うケイト。
「「「「お前」「ケイト」「貴方」もフザケてんじゃねーか!」」」
メンドクセーから言うけど、俺の三作品は全て繋がるように書いてる。てか、ブクマ400件をやっと越えたぞ!




