Episode52 "アイドル化計画!?"
「もう、なる様になっちゃおうぜ?」
瀬名はやつれた顔で真と海斗に告げる。両腕にはケイトと秋山が引っ付き前に座る真と海斗を威嚇する様に睨んでいた。
「ガルルルル」
「グルルルル」
お前らは犬かと溜息を吐く瀬名。
「落ち着けって、オレたちは仲間だろ?」
真が笑いながら言うが二人は威嚇を止めない。
「教室で会った時は流しましたが今は違いますよ。.......あなた方が瀬名くんの親友だと言う以上、貴方方は危険です。特にマコトさんでしたっけ?貴方と瀬名さんには距離感と言う物が余りにも他者と比べて少な過ぎます。」
真へと更に視線を鋭くする秋山。
「そうデス!何でジョンとこのど腐れマ〇コがケイトよりも仲良しそうに話ししてるデスか!クラスルームで話してる時、ケイトがAIR(空気)でしたよ!納得行きません!」
両腕を上げ怒りのポーズをとるケイト。
「どうどう」
ケイトの背中を摩るとクゥンと鳴き大人しくなった。秋山は頰を膨ませ自分にもやる様に背中を見せて来る。瀬名は優しくポンポンと秋山の背中を摩る。秋山は嬉しそうに身体をくねくねさせベッタリと瀬名に引っ付いた。
「.........やらないぞ」
指を咥えながら羨ましそうに見る真に瀬名は言う。
「ふふ、ならオレは良いって事だね?」
真の隣に座る海は指で自分の唇をなぞり妖艶に微笑む。
(クッソ美人だなぁ。貞操が逆転してるとはいえ、男どもは虜になるだろうな。)
「海がモテる理由が分かった気がする。」ボソ
小さい声でそう呟く瀬名。
「皮肉かい、ジョンくん?今の俺は君にモテなければ意味がないんだよ?君が望むなら俺は君好みの女にだってなれる。いや、君好みの女に変えてはくれないか?」
ゴクリと息を呑む瀬名。
(.......いかんいかん、このままじゃ此奴のペースに呑み込まれて自ら貞操を捧げかねない。今は女とはいえ、流石、元ハーレム主人公.........侮れない)
感心と危機感が同時に押し寄せる。
「おい!瀬名さんに色目使ってるんじゃあねぇーぞ!」
真がぶちぎれる。怒ってる顔はとても可愛いらしく怒ってる様には見えなかった。
「話が進まないから言うけど、もう外でも完全開放しようと思うんだけど、」
自分のマスクと伊達メガネを指差し言う瀬名。ケイト以外は驚きの表情を見せ即座に反対の声をあげた。
「瀬名さん!ダメだよ!この世界の女どもは獣だ!内の学校の生徒は幾分かは男子生徒と接する機会があるから耐性はあるけど、外には男子と一度も話した事もない様な処女が万といる!危険過ぎる!!」
「そうです!瀬名くんはもう少し自身の希少性、危険性を認識しなければいけません!」
「俺もそのアイディアには反対を推すよ。」
真、秋山、海は揃って反対の意見を問えた。
「ケイトはジョンに賛成デスよー」
ケイトはニコニコしながらそう言う。
「ハサウェイさ「ジョンがするって言ってるんデスから其れを助けるのがWIFEであるケイトの務めデス!」
三人は苦渋の表情を浮かべる。
「.......っ、瀬名さんを助けるのは親友として責務。なら、従兄弟の言う通り瀬名さんの意見を尊重するのが当たり前だな。.......そして、助けて行く内に二人は惹かれあって.....ぐふふ」
胸に手を当て悶える真。
「......私は反対ですが.......瀬名くんが決めた事なら私は何も言えません。ですが、ボディガードの役目は降りませんからね、皆さん!」
プンスカ怒りながら引っ付く秋山。若干自分の匂いを嗅ぎながら悶えているように見えるが見なかった事にしよう。
「..........色々な事務所からの勧誘、そして記事に取り上げられるだろうね。.........瀬名くん、本当に決めたんだね?」
「ああ、もうなんかめんどくさくなった。」
逆転世界物語でもアイドルになるなんて話はわんさか'なろう'には存在する。
(普通に働けないなら、もうハッチャケてモデルとかアイドル、歌手で良くね?って思う訳よ。むしろこの世界では男は其れしか仕事がないとまで言える。)
もちろん、医療機関で働いたり公務員として職を手に入れる事は出来るがそこに至るまでに数多の災難に出くわす以上、手取りやすく高収入を得れる上記の職の方が言ってしまえば楽なのだ。
「手な訳なんだけど、母さん.........いい「ダメです」
三人の同意を得た瀬名達はその日は解散し帰宅した。そして母である一にその事を説明するのだが案の定断られた。
「アルセもいいと思うよ「ダメだね」
妹(仮)も一同様に拒否する。
「伊都さんは「私は良いと思うけどなぁ?」伊都さん!」
瀬名は歓喜あまって伊都の手を取る。伊都は鼻の下を伸ばし一とアルセに羨ましいだろうの視線を向けた。
「む、ならアルセも賛成」
「わ、私も...........って、ダメーー!!!つい流される所だったわ、」
瀬名は小さくチッと舌打ちをする。
「ジョンきゅん!?」
舌打ちが聞こえたのか涙を瞳に溜める一。瀬名はごめんねと優しく頭を撫でると、うん、と子供の様に頷き静かにソファーに腰を下ろした。
「.......アイドルや、モデルを単体でやると枕とかさせられそうだから、間を取ってバンドをやろうかなって考えているんだけど。」
バンドと言う言葉を聞きケイト、伊都、アルセ、一は一斉に背筋を伸ばし楽器を弾くジェスチャーをする。
「母さんと伊都さんは仕事があるから無「「理じゃないです!」」
二人は叫ぶ様に瀬名に訴えかける。
「いや、伊都さん、最近隈が凄いし「皺です!」いや、どう見ても睡眠不「小じわです!」そ、そうだ!母さんだって家にいるときなんか毎日電話が鳴りっぱな「アラームの設定ミス」いや、無理があるだろ!」
この二人は如何してもバンドメンバーに入りたいようだ。
「取り敢えず二人は保留って事で、明日、学校で聞いて見てから決める事にするよ。」
ケイトが先ほどから静かなのは気になるがたまにはこう言う日があっても良いかと気にしない瀬名なのであった。
ノルウェー、ドイツ、デンマーク、ロシア、スウェーデンに行って来たけどクソ寒い!!そして現在、アムステルダムにいますよー!ここの所、更新が出来なかったのはその所為だ。取り敢えず、新作であるChaos:Demert〜ANIMEの世界からようこそ〜は此れから面白くなってくからよろしく読んでくれよな!




