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Episode 49 "あれ、君の名は?"

「真一は俺だけど......て、え?」


手を引いてくれた真と言う少女はそうすっ頓狂な声を上げる。瀬名は眉間に皺を入れ疑い深く見る。


「ハーレム崩し」


瀬名が小さくそう言葉に出す。


「瀬名さん、あんた、まさか!?」


真一は瀬名のその言葉を聞き理解する。目の前にいる男は逆転世界より以前から友人だったその人であると。


「瀬名さぁん!!」


思わず抱きつく真一、改め真。瀬名は最初は驚きはしたがポンポンと頭を撫でる。


「それで聞きたいんだが真一.....何でお前、女何だ?」


純粋な疑問。雰囲気は以前と同じままなのだが、輪郭、体格とが似て非なる物だった。


「あ、えぇと、何か、オレ達、死んだ影響か、女になったぽい、」


「オレ達?」


疑問の視線を向けると真は海の方へと視線を移した。


「こいつは.....えぇと、うん、海斗。」


真はそう説明する。


「あ、そうだ!何で瀬名さんが此処にいるんですか!身長もすっげー縮んでるし!」


唐突に叫ぶ真。顔もじゃっかん近い。てか、顔を赤くすんなら近づくな....


「あぁ、何か、バスに轢かれようとした後輩を助けたら此処にいた。」


瀬名は苦笑いをしながらそう言う。


「.....オレ達も、似たような感じで此処に来ました。それも、赤ん坊の頃からのスタート。」


真はげっそりしながらそう言う。


「そうか、それは災難?だったな。幼児プレイが出来ただろう?」


「はは、その冗談は笑えないっすよ!」


二人は笑う。その光景を羨ましそうに見る海斗、改め海。それに気づいた瀬名は海へと視線を向け口を開く。


「じゃ、今は二人は仲直りをしたって事だよな。」


「今は、うん。此処まで修復するのに十年以上は掛かったけど、ね。」


何処かネガティブな海。


「いや、オレはこいつとは仲直りしてない。てか、こいつがオレの後ろをちょろちょろ着いて来てるだけっすよ!」


「本当は嬉しい癖に、こんな黒髪美少女と近くに入れるんだよ?」


「は?オレの方が可愛いですけど?ね!瀬名さん?」


「オレはこう見えても男子からモテるんだ。瀬名くんもオレの方が可愛いと思わないかい?」


じりじりとにじり寄る二人に瀬名は後ずさる。


「...どっちも可愛いんでいいんじゃないか?」


その台詞を受けた二人は心をときめかせる。そして赤面をすると何故か両腕にひっついた。


「お、おい!離れろ!」


瀬名は抵抗するが二人は離れない。


「「可愛いっていったじゃん?」」


いや、可愛いけども.....お前ら、中身は男だろ!


「いや、男だろ、お前ら.....」


真と海は顔を合わせ笑う。


「瀬名さん、どう見ても女でしょ、オレ達?」


「ちげぇーよ!中身が!だよ!」


瀬名はそう言うと海が自分の顎を引いてきた。


「中身以前に、身体が君を見た瞬間何故だか、反応してしまったんだ、はぁ」吐息


怖い!海って子、見た目は清楚系美人なのに怖い!


「何で女どもが瀬名さんを求めるのかを身を染みて理解したぜ!」


「いや、理解しなくていいから!おまえ、オレをサポートする側の奴だろうが!何、あっち側になろうとしてんだ!このホモ野郎!」


ホモ野郎呼ばわりされた真は下を俯く。言いすぎたか、と真の顔を覗き込むと.....


「はぁ....はぁ///瀬名さんに....罵られた♡」


興奮した顔で涎を垂らしていた。すると海がくいくいと服をひっぱる。


「オレにも言ってくれないかい、瀬名くん//」


駄目だ、こいつら......


この世界に毒され過ぎている。身体がこの世界に引っぱられているんだ。※その影響もありますが、瀬名の美しさが常軌を逸っしているだけです。


「なぁ、真一、お前、こんな奴じゃなかっただろ?」


瀬名は悲しそうに言うと真は一度、腕から離れ瀬名へ真剣な表情で言う。


「瀬名さんを見てると.......子宮が疼くんです」


真面目な顔で何言ってんだ、こいつ.....


「あ、それ分かる。」


海もそれに便乗する。


「はぁ、取り敢えずお前らがヤバイ奴らだってのは分かったけど、助かったのは事実だし、さっきはありがとうな。」


瀬名は今一度、礼を口にした。二人は瀬名のその表情を見て欲情するがそれを理性で抑えつけ首を横に振った。


「礼なんていらない。瀬名さん、オレ達は友達だ。助けるのは当然だろ?」


堂々と言う真に瀬名は正直に見惚れてしまう。耳を赤くした瀬名は小さく下を俯いた。


「ふふ....友達...」


心底嬉しそうに笑う瀬名に真は隠れてガッツポーズをする。海は頬を膨らませると瀬名の前に立ち宣言した。


「瀬名くん、オレ達も友達になろう?」


瀬名は顔を上げ笑うと、あぁと優しく答えた。


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