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Episode 48 "全校集会_後編"

「さぁ、皆さんに君のお顔を見せてあげましょう。」


こいつのニヤケ顔、ムカつくなぁ。振りほどく振りをして肘打ちをワザと顔面に叩きつけるか。


「分かった、だから離、っせ!」ドス


「ぶぐっ!?」


瀬名はケイを振り解く為に腕を振るうと顔面へと綺麗に決まった。ケイは鼻血を流し瀬名を睨みつける。瀬名はケイへと向けワザとらしく誤る。


「ごめん、あたっちゃった?」


女子生徒達が自分を睨みつけケイを介抱するが関係ない。気分は爽やかだ。


「瀬名くぅんっ!君の顔を今すぐ皆に見せるんだっ!」


介抱する女子生徒を振りほどき瀬名へと駆け出すケイ。するとケイはいきなり駆け出した影響か足をくじく。そして倒れる寸前、瀬名のマスクへと手がかかる。






一方その頃、ケイト達クラスメイト達が何をしているのかと言うとi3が一人ガクと新たな親衛隊、取り巻きにより足止めを喰らっていた。


「そこを退くデス!」


「どいて下さい!瀬名くんをこんなところで裸にさせる訳にはいけません!!」


ケイトと秋山は先陣をきって、取り巻き達を殴り倒して行く。だが、取り巻き、親衛隊も一筋縄にはいかない。正に数の暴力と言う奴だ。


「貴様達!何をしている!」


教師陣が暴動に気づきそれを止めに来る。ガクはそれを遠目にニヤリッと笑いケイの入る場所へと足を動かし始めた。


「離して下さいデースッ!!先生達もいいデスか?ジョンのプリーティなお顔が皆さんに見られてしまうデスよぉー!」


ケイトは教師に拘束されながらも暴れる。


「ハサウェイ、貴様見られても平気だと言っていたではないか?それに他の男子生徒が瀬名が自ら仮面を脱ぐと言ったのだぞ、貴様らがしている事は瀬名の意思を無視をしていると思わないのか!」


「ジョンは自分から危険に首をツッコム程、おバカさんではありませーん!それにもし仮にジョン自らその身を見せると言うのなら、ケイトは喜んで見せびらかしまーす!でも、ケイトが今は近くにいません!だからどいてくださーい!!」


「そうです!私達が近くににいないのにマスクを外せば女達に回され(強姦)ますよ?女は獣なんですッ!!」


秋山もケイトに便乗し、拘束に抗うが教師陣、そして風紀員の生徒達に抑え込まれている。それはガクの連れて来た新親衛隊も同様にだ。


「貴様らの御託はいい。この後、貴様らの親に連絡を入れ反省文を書いてもらう!」


ケイト、秋山、そして全てのクラスメイトは職員室へと引き連れられる。


「......ジョン」






「え?.........嘘」


女子の一人がそう口にする。口元のマスクを剥がされた影響で体勢を崩し、伊達メガネもまでもが落ちると言う不幸が瀬名を襲った。


「............」


生徒達は唯、その美しさに見惚れる。余りにもその美しさが常軌を逸っしているのだ。まるで絵画でも見る様な光景、そして尊さを女生徒達は瀬名から感じた。


(くっ......ふざけんな)


瀬名はすかさず口元を手で隠す。すると女子生徒達は正気に戻ったのか自分へとにじみよって来た。


「せ、瀬名くん、わ、わたし、実は、前から、ね」


「う、写真、と、とっていいですか//」


「あぅ......あの、放課後とかって、」


女子生徒達はおぼつかない口で瀬名へと話を掛けようと近くへとゆるりゆるりと寄ってくる。


(逃げ道がない........)


ゾンビの様に自身へとじりじりと近づいてくる女生徒に対し身構える。すると女生徒の一人が自分の手を握って来た。


「な、離せ!?」


瀬名は犯されると思い手を振り回すが振りほどけない。


「瀬名さん、いいから、オレについて来てッ!(うみ)ぃ!!」


海と叫ぶと黒髪の女子生徒が道を開ける様に瀬名を囲む群集の一部に道をこじ開けた。こじ開けると言うか、あれは物理的に女子生徒をはっ倒してるように見えるが。瀬名の美しさに見とれているおかげか、この二人以外は動きが鈍くなっていた。


「お、おい、おまえら!」


瀬名は手を引く女性に叫ぶ。だが彼女は答えない。そして何とか三人は体育館を抜け校舎裏へと辿り着く。


「はぁ.....はぁ.....」


荒く息を上げ呼吸を整える瀬名。


「取り敢えず助かった事は礼を言う、ありがとう。」


瀬名は苦笑しながら二人へとお礼を言う。


「.........あぁ、ヤバイな。これが、この世界の瀬名さん、か」


顔を赤くし下を俯く手を引いてくれた女生徒。黒髪も同様、照れを隠す様にそっぽを向く。


「.....オレは真い、(まこと)、そしてこいつが海斗、じゃなくて、(うみ)。瀬名さんの事は前から知っていたって言ったら誤解されるよな、いや、でも、どう説明しようか......」


自己紹介をすると、何かを考える様に手を顎に当てる真。


「..........おまえ、真一か?」


瀬名は恐る恐るそう尋ねた。


左が真、右が海

挿絵(By みてみん)

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