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Chaos:Demerit 〜貞操の逆転した世界~  作者: セミラミス
〜過去編(高校時代の一ページ)〜
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Episode 27 "社交界"

「ジョ〜ンきゅ〜ん!今夜ぁ空いてるぅ?」


谷間を挟みながら光悦とした表情でそう聞く母、瀬名一。瀬名と共にリビングでテレビを見ていたのだが、唐突に擦り寄って来てそう聞くのだ。瀬名はどうしたんだろうと疑問に思いそう表情に出していると。


「限界が来ちゃった.....自慢したい。」


急に表情を改め真剣な顔つきで言う母に瀬名はまた始まったよ、と感じた。


「ジョンは何もしなくていいの。私の隣を歩いているだけでいいのよぉ。」


うふふとダレた表情で言う一だが瀬名は概要を理解出来きずにいた。


「あの、母さん、いまいち話が分からないだけ「社交界よぉ!うるさいのよねぇ、一様も出て下さい、出て下さいって。私はメンドくさいんだっつーのにジョンきゅんとの時間が私は第一なの!って言ったらご子息の方もお連れなされればさぞ社交界にお出でになる各者、有権者の皆様も羨ましがるだろうとか言い出したのよぉー!」


もぅ!と怒りつつも何処か嬉しそうに話す一。


「ふふふ、この男は私のだぜって自慢してやるぜ。」


(それが本音か)


涎を垂らしながら瀬名の太ももを触れる一。瀬名は寒気を感じ即座に立ち上がりキッチンへと水を取りに向かった。


ピピピッ


「はい、瀬名です。あぁ、真一か。....すまない、今夜は予定があるからキャンセルだ。あぁ、あぁ、分かった。ではまた来週に。」


ピッ


真一から着信が鳴り今日行う予定であった九条家令嬢の攻略作戦が出来なくなった事を伝える。


「ジョンきゅーん!スーツはもうオーダーしてあるっぽいから安心して言いわよぉ!世界でも有名なデザイナーの人が手がけて下さるんですって。別に家にあるやつでもいいって言ったんだけど拒否されちゃった。何か、一様にそのようなご迷惑お掛け出来ませんだって。いや、その行為自体が迷惑だよって話だよ。」


水を飲んでいると後ろから抱きつき早口で言う一に瀬名はお、おうと頷く。


「それでぇ〜今話してたのはだぁれぇ?」


虚ろな瞳にそれは女か?と書かれている気がする瀬名。


(怖っ!?)


「え、えっと、最近知り合った真一って他校の友人だよ、あはは。」


「真一....男、ね。はぁ、良かった.........女だったら殺しちゃってたわ。」ボソ


最後の台詞が聞き取りづらく瀬名は聞こえなかった。


「ふふ、今夜は楽しみだわーい!」


瀬名の手を取りリビングのソファーへと連れ戻すと膝枕を強制的にする一。


「ふふふ、時間まで、まだまだ時間があるしぃお母さんとぉイチャイチャしてよっかぁ//」


一は媚びた表情と共に親愛を瀬名へと深く向ける。瀬名は苦笑をしながら二人は時間の時までその態勢で映画を見るのであった。








「お嬢様、此方になります。」


九条香久夜は今夜行われるであろう社交界の為に衣装の準備をしたいた。幾人もの待女達が化粧や衣装合わせをしていく中九条は昨晩の事を思い出していた。


(元親友である真一さんは海斗さんにイジメをしていると一ノ瀬さんは言っておりましたが、私はあの涙がどうしても嘘とは思えませんわ。そして昨日の朝に激高した様子で真一さんい詰め寄るおふた方、そして蒼井さんまでも......)


「海斗さんを元気にする為にはこれらの事が鍵になるでしょう。」


両腕を上げ、ドレスを身に纏っていく。すると扉からノック音がされ、父が入室をする。


「おお、香久夜!何とも麗しく美人な事か!」


賞賛を受ける九条は頬を染め一礼する。


「ありがとうございます、お父様。ですが何故、今夜の社交界に限って私自身も参加なさなけれならないのですか?」


父は顔を引き締め娘である九条へと告げた。


「お前ももう知っているだろうが、今夜は瀬名一様がご出席される。数多の有権者達がこの社交界に出る為に血眼になっている。それは海外の有権者達もそうだ。そして私は幸運な事にその社交界に参列出来る権利を得た。」


「それは真に九条家として素晴らき事ですわ。」


「話には続きがある。何と、一様が此度の社交界にてご子息と共に姿を現せられると言うのだ。娘よ、お前にはどうしてもご子息の方と仲を深めて貰いたいのだ。お前は美しい。其処らの男には惜しいほどに。だが、此れは九条家の将来に関わるべき案件なのだ。お前には辛い事をさせるがこれも九条家の為だ。分かってくれるな。」


九条は眉間に皺を入れ拒否をしたいと言葉に出かけるが父の背負う九条家と言う重みを理解しているだけに拒絶の言葉を出すことはかなわなかった。


「.........分かりましたわ。」


眼を瞑りそう返事を返すと父は部屋を後にした。待女達も部屋に戻り九条の仕立てを完成させていく。


(海斗さん.....(ワタシ)は)


初恋と言う感情を心の中にしまい今夜、出会うであろう殿方の為に覚悟を決める。


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