Episode 23 "計算された可愛さ"
ツ○ッターなどでゎたしブス過ぎて死にたいとか呟いてる奴はその通りにそのままくたっばってくれないかなと正直思う。見え見えな私可愛いでしょアピールをするくらいなら堂々とありのままの姿を投稿してから評価を貰えと言いたい。
光と加工なしで写真を投稿しているのなら好感は持てるが化粧の上に加工と言う嘘に嘘を塗りたくったような写真を投稿して満足か?嘘の自分を褒められて本当に嬉しいか?
勿論、化粧は女性の身だしなみと言うが最近では元来の顔とかけ離れた詐欺術までに昇華しているではないか!次の朝、目を覚ませば隣には見知らぬ化物がいたと言う恐怖、本当にふざけるなよ!
「へぇ、最近の週刊誌の内容も過激になったもんだ。」
男性誌に書かれる近年の女性の化粧問題について書きなぐられていた。
「それにしても、瀬名さん、遅いなぁ。」
真一は瀬名を待つ為、近くのコンビニで待機をしていたのだが瀬名が一向に来ない。今日、金曜日に合う約束をした筈なのだが.....
「あれ?瀬名さんじゃね?」
瀬名は何かから逃げる様に此方へと走ってきた。そして店内に入ると息を整え真一の元へと近づく。
「おい、氷室と一ノ瀬をどうにかしろ。」
唐突に瀬名はそう言い出した。
「どうしたんだよ、一体?」
「どうしたんだよ、一体だと?アイツら、オレの高校まで来てるんだよ!」
瀬名は他の客に迷惑をかけないように真一を外へと引きずり話しを続ける。
「直接校内に入る事はなかったが校門前で毎日、あいつらに待たれたんじゃあ正門から帰れない上に裏門は駅からかなり遠いんだよ!」
瀬名は冷や汗を流しながら真一へとうったえるが真一は現状どうする事も出来ない。
「.......真一、残りの三人のスケジュールは把握はしてるんだろうな?とっととハーレムを崩して元の生活に戻らないと精神的に辛い。オレが先に崩壊しちまう。」
落ち着きを取り戻した瀬名は真一へと問う。
「一応、大まかな事は噂やら聞き込みで把握したけど....」
「何も調べてないよりはマシだな。それで今日のターゲットは誰だ?お嬢様か?サイコか?ぶりっ子か?」
「一応、ぶりっ子がメインヒロイン系を指してるのならその子になるけど....」
瀬名はパチンと指を鳴らすと真一にその子へと案内する様に指示を出す。真一は頷き目的地へと瀬名を連れ向かった。
「ふふふ、海斗くん、今日のお弁当、気に入ってくれたかな?」
通称、ぶりっ子と呼ばれる蒼井花こと花ちゃんは本屋にてお弁当作りの本を手に明日の献立を考えていた。
「う〜ん、やっぱり男の子はお肉とか、力が出る料理がいいよね?」
人差し指を唇へ当て考える素振りを見せる。周りの男性客はチラチラと彼女の姿に視線を向けていた。
「良し、肉じゃがにしよう!」
両手を前に出しガッツポーズを可愛いらしくポーズする花ちゃん。
「おい、真一、アレとか言わないよな?」
本屋の内部は外から見える為、対面側に位置するファーストフード店から二人は見ていたのだが瀬名は奇怪な物を見る目で花ちゃんを見ていた。
「いや、瀬名さんの言う通り、アイツが蒼井花ですけど。」
「.......誰もあの子に注意とかしないのか?数分見ただけだがかなり痛いぞ、アレは。」
漫画やドラマ、ア二メで見る女の子、独特のあざとい動きをするのだ。それも友達も誰もいない一人の空間でだ。現実でそれを自然にしているを見るとかなり痛い、だが、やっかいなのが、ルックスがかなりいい所為で男性客の視線を受けているのだ。最初に攻略した二人もそうだがモデル、女優になれる程の美貌を持っている。
「月子と氷室同様容姿がいいですけど、アイツは海斗以外の男子とも差別無く話すし女子の友達も多いんですよ。何と言うか、いつの間にかクラスの中心に立ってる存在的な立場にいまして.....何も言わないじゃなくて言えないが正しい感じだかな。あっ、思い出した。」
「?」
「一度、クラスの女子が蒼井をトイレに呼び出して男子が勘違いする行動は控えた方がいいよと注意をした事が有るんだけど、蒼井の奴、教室に戻って来ると同時に泣き出したんだよ。」
「おい、それって。」
「ああ、ワザと皆んなの同情を貰うために教室で泣いて、注意をした奴を悪者に仕立て上げたんだ。」
瀬名は拳を握り締め、決意する。
「......そう言う計算された行動で周りを動かす奴は余り好きじゃないな。作戦変更。今日は何もしない。」
「え?何で「安心しろ、月曜日、再びお前の学校に訪ねる。」
瀬名は本屋の前を通り過ぎる為歩き出すと蒼井と窓越しだが視線があった。瀬名はウィンクをするとすぐ様、その場を去る。真一も蒼井に見られないよう瀬名の後を追った。
「今の人、凄っごいカッコよかったな.......お話しできれば良いなと思ったけどもういないかぁ。」
蒼井は視線が合いウィンクを受けると直ぐに本を置き書店を出るが既に瀬名の姿がない事にため息を吐く。ワザとらしく目元をウルウルさせ周りに心配の眼差しを受ける。
「大丈夫かい、君?」
スーツを着た男性が蒼井に声を掛けると蒼井は目元を拭い顔を上げ笑顔で答えた。
「はい!大丈夫ですよ!えへへ、目元にゴミが入っちゃって、私ってドジだな、なんちゃって//」
笑顔を向けられた男性は赤面し良かったと言うと携帯をポケットから取り出し困った事があれば電話してくれと言って来た。欲に言うナンパと言う奴だ。だが蒼井はその番号を受け取り優しくその男性に対し言葉を続けた。
「あわわ、有り難うございます!私、蒼井花、感謝の限りです、えへへ。もし、困った事があれば是非とも相談させて貰いますね!あ、もうこんな時間、私行かなきゃ!それではまた今度会いましょうね?」
手を可愛らしく振ると走り去って行く蒼井花。その後ろ姿に釘付けになるスーツを着た男性は思うのだった。
「.......可愛かった」
「ただいまー!」
「おかえりー花!」
蒼井花は家へと帰宅すると母が出迎えてくれた。
「学校どうだった?」
「すっごく良かったよー!」
蒼井はそう言うと階段を登り自身の部屋へと向かった。
ガチャン
扉を閉め鍵を掛けるとカバンを下ろしベッドへと飛び乗る。
「うはあぁ、マジ、疲れたわー」
先ほどまでとは違い表情に棘を感じさせる顔構えになる蒼井。そしてゴミ箱へと先ほどもらった電話番号が書かれた紙を投げつける。
「えへへ、私ってドジだな.......くっ、あははははは!えへへとか、現実で使う奴とか痛すぎるでしょ!あははははは、はぁ、でも海斗の為だからしょうがないの。私は女の子、皆んなが愛する女の子でいなくちゃダメなの。」
スマホのインカメラを使い表情の練習、仕草をする蒼井。
(邪魔をする人が出て来るなら皆んなを誘導していじめちゃえば良い......でも、海斗の周りにいる女達は別。正々堂々と叩き潰してあげる。だって.......)
蒼井花はニヤリと口元を上げると小さく呟く。
「私の方が可愛いんだもん」




