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Episode12 'トップカースト"

最近ウザい奴らがこのクラスへと足を踏み入れる様になって来た。


「おはようございます、瀬名くん。今日はいい天気ですね。」


「おはー瀬名くん!」


「運命が俺に道を示している。俺たちと食事を取るべきだと。」


瀬名は頭に手を当て溜息を吐く。女子達はキャアキャアと叫んでいるし本当に耳障りだ。


「ねぇ、アレってこの学校のi(アイ)3だよね?すっごいカッコいい!!」


「あぁ、瀬名きゅんの百合が視える//」


「まぁ、でも瀬名くんと比べると.....まぁ、でもかっこいい方だよね。」


「瀬名くんと比べるのは確かに可哀想だね。でもカッコいい方だと思うよ。勿論、瀬名くんの方が上だけど。」


i3と呼ばれるこの学校の最上位イケメン三人は女子達に絶大な人気を誇っていた。昼食は何時も中庭のテラスにて優雅にお茶会なる物を開き周りには比較的、美人な女子生徒を眷属の様に引き連れ自分の世話をさせる王様体質な奴らだった。


「はは、君はこのクラスでは人気なんだね?」


「ねぇねぇ、僕達の仲間に入ろーよ〜!」


「瀬名、お前は俺たちの側の男だ。其処に座る穢らわしい売男といるとお前の品位を下げる事になるぞ。」


新海を差しそう言う一人のi3。新海はふんッと首を上げ中指を指す。


「........メンド臭ぇ連中。」ボソリ


偶然瀬名のいる教室を通り掛かり顔を目にした三人は教室に入り話を掛けて来たのだ。


(雑な警備すぎる.....これじゃあますます広がるじゃねぇーか、はぁ。)


i3を無視し窓から視える外の景色を眺めると三人は怒った様に自分へと訴え掛けて来た。


「良い加減にしたまえ!僕達の誘いを断るのかい?」


「本当にそんな事しちゃって良いのかなぁ〜あはは〜!」


「後悔したくなければ俺たちの仲間になれ、瀬名!」


瀬名は立ち上がり三人を睨みつける。


「ケイト、秋山さん!」


手をパンパンと鳴らすと教室のドアが開きi3を押し退けキラキラした目で自分を見てくる。


「Ohジョン〜呼びましたかー?」


「いえ、私が呼ばれましたので、ケイトさんは帰ってください、どうぞ。」


「このアジアンB○tch、喧嘩売ってるデスかぁ?」


「誰がビッ○ですってぇ!」


二人は最近この様に共に行動をしてはよく喧嘩をし周りに迷惑を掛けている。だが瀬名が呼ぶと数キロ離れていても何故か自分の元へと駆けつけてくれる。因みにこのクラスの女子生徒の名前を適当に呼んでも直ぐに駆けつけくれる。最早ストーカーを越える人外の集団になっていた。


「男の僕にこんなこと、許されると思ってるのか!」


「いたーい!もう僕の親衛隊に言いつけてやるんだからぁー!」


「悪には罰を与える。」


i3と呼ばれる三人は激怒しケイトと秋山を睨みつけるが二人は三人を睨み返し言い返した。


「邪魔デスねぇ、こいつら?消えてくれませーんか?」


「はあ、男の人だからと言って私達の領域に足を踏み入れる何て、何を考えているんでしょうね?」


続けてケイトは言う。


「シンエイタイー?ふふ、ジョンがいればその子達もーこっちに来ちゃいまーすよ?」


耳元で、NTRされたくなかったら失せろと小さく呟くケイトに青い顔をする三人は逃げる様に教室を去って行った。


「はぁ、流石にカーストトップのi3となると私達も何も言えないからあの二人には助かるー。」


「分かるー!ジョンきゅんがi3に連れ去られなくて良かったー。」


「なんか、スカッとするな!俺も次はあの二人の助太刀をしなきゃなんねぇなぁ!」


「俺もじゃなくて、俺たちもじゃない?」


「うん、そうだね!ジョンきゅんを守れるのは私達だけなんだから。私達が頑張らないと!」


瀬名はまたしてもその女子達の会話を聞き頭を抱える。


(マスクと伊達メガネを返してくれれば良いだけの話なのに....クソ、面倒ごとばかりが次から次へと襲い掛かってくる。)


それから何事もなく一日の授業を終え下駄箱へと向かうとi3が自分の眷属を引き連れ待ち伏せしていた。


「何の用?帰りたいから退いて欲しんだけど。」


瀬名はシッシッと払う様にi3を通り過ぎると一人の女子生徒が壁ドンをして来た。


「逃げないで下さい。ご主人様の言う事を聞かないならば私達親衛隊は貴方に何をするか分かりませんよ。」


「あーはいはい、退いて下さいー」


脅しを無視しその腕を払おうとすると自分の腕が掴まれる。


「セクハラですよ?」


「i3の僕らが彼女達の潔白を説明するから訴えても無駄さ。」


瀬名は恨めしくリーダー格である男子を睨むと嬉しそうな表情を取り眷属へと命令をした。


「その眼鏡とマスクを外してください。」


「「はい、ご主人」」


数人の女子生徒が瀬名を抑えつけマスクと伊達メガネを外すと親衛隊の女の子達はその美しさに口を開け唖然とする。瀬名はバレたのなら仕方ないとこの状況を利用する事にした。


「君達、品位の低い、それもこの程度の男達をご主人様と呼んで満足?本当にご主人様と呼ぶにふさわしい男は誰なのか考えて見て。」


笑顔を向けそう言うと親衛隊の女の子達は赤面し俯いた。だが瀬名は親衛隊を指揮しているであろう女へと近づき耳元で呟く。


「早くしないと、機会を捨てちゃうんだよ?はむはむ」


耳を甘噛みをすると親衛隊のトップは鼻血を吹き出し倒れてしまった。


「さぁ、マスクと眼鏡を返してくれ。そうすれば君達の望んだ台詞をご主人様が言ってあげるよ。」


「「ご主人様!!」」


親衛隊は瀬名のサイドへと渡りi3を敵視する。瀬名は三人だけに見える様に意地の悪い笑みを浮かべた。


「ふふ、良い子達だ。」


i3は怒りに任せ叫びながら瀬名へと襲い掛かった。


「彼女達は僕の奴隷だ!!」


「ねぇ、流石にそれは酷いなぁー、麗奈ちゃんがお気に入りだったのに!」


「財布を失うのは俺としても許されるざる所業だ、返せ!」


だがi3は直ぐに親衛隊により取り押さえられる。


「奴隷?ふざけるな、三下どもが。」


「お気に入りですって?気持ちが悪いです。ご主人様以外の親愛に興味はありません。」


「「我らの財布は瀬名様の為にある!」」


瀬名は心の中で思った。また、ヤバイ奴らに日常を荒らされて行くのだと。


ブクマ二倍以上って........

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