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10話

10万アクセス突破しました!

お気に入りも800件を突破してました!


何故だろう・・・。目から汗が・・・


※誤字修正しました

「あれ?」


空の色がオレンジになっていく頃、祭は宿に戻る途中だった。が、迷子になってしまった。

あの街とは完全に規模も違い、ここが王都なのだと改めて祭は実感した。


「しゃーない、ちょっと宿の場所を探すか」


魔力を『気体』にして街中に放ち、宿の場所を探した。

宿の場所を見つけると祭は走り出した。





「ただいまー!」


祭は、部屋の扉を勢い良く開ける。


ルスクは編み物、ミディアは読書をしていたようで、扉が勢い良く空いたせいかビクッと肩を震わせた。


「・・・おかえり」


「おかえりなさいお母様。お話とはなんだったのですか?」


「へへへ~。いいもの貰っちゃたんだ~」


上機嫌に祭は指に嵌めた指輪を2人に見せる。


「何ですか?それ?」


ルスクとミディアは首を傾げる。


「まー見ててよ。展開」


すると先ほどのようなドレスを身に纏っていた祭が現れた。


『ッ!?』


「凄いでしょう。これが魔装なんだってさ」


祭はその場でクルリと一回転。


「おっお母様!?何故そのような物をお母様が!?」


「なんか私しか使えないんだってさ、魔装」


祭は2人にスミルとの一部始終を話した。





「・・・凄い」


「そうですね・・・。闇魔法ですか、これでお母様の惨殺レパートリーに新たな殺害方法が増えますね」


「そんな愉快なレパートリー持った事ないよっ!?」


ルスク発言に祭は全力でツッコミをいれる。


「そもそも惨殺レパートリーって何!?」


「お母様が今まで行なった残酷な殺し方ですが?」


ルスクはキョトンとした顔で祭に言う。


「私はそんな残酷な殺し方した事な―――すみません、ありました」


最近ではグレンデルが一番新しい。




森で暮らしていた頃は、『固体』の魔力を魔物の体に埋め込んで吹き飛ばしたり、『気体』になった魔力で一気に魔物を殲滅したり、糸で細切れにしたり、例のごとく『液体』の魔力を体に無理やり押し込んだりと、自分の娘や息子が魔物に襲われるたびに報復を行なった過去がある。




「あらかた、闇魔法で相手の頭をイジって自分で自分を攻撃させたりするのでしょ?」


「しないよ!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・多分」


「・・・お母さん、酷い」


「ミディアまで本気にしないでよ!」


涙目で祭は抗議する。


「まー、冗談はこれぐらいしておいて単純に凄いですね。魔装と言うのは」


「最初からそう言えばいいのに・・・。でも確かに凄いよね、これで面白いことができる」


『面白い事?』


そう2人は聞くが祭は何も答えず、ニタァとしながらヒッヒッヒと邪悪に笑っていた。





☆ ☆ ☆ ☆ ☆





時間は遡る。


1人の男が大きな部屋にポツンと置いてある机の上でペンを走らしていた。


「ふぅ~・・・・」


男は一息つき、無駄に大きな椅子にもたれ掛かりう~んと背伸びをした。


そして立ち上がり、少し風に当たろうと窓を開けた。空を見るとオレンジ色になっていた。

窓を開けると心地のいい風がすぅと入ってくる。


「ッ!?」


途端男は、何かを感じたのかその場から飛び退いた。


「今の魔力―――――」


そして大きく目を見開いて呟いた。


「―――――母さん?」


大きな部屋でその声はやけに響いた。






☆ ☆ ☆ ☆ ☆






月日は流れ今日は建国記念日。

朝から街はガヤガヤと騒がしい。


「うわ~、人が一杯だねぇ」


宿の部屋の窓から外を見るとそこには人間や獣人、エルフやその他異種人が多く歩いていた。


「私は外に出て遊んでくるけど2人はどうする?」


「私はいいです。人ごみはあまり好きではないですから」


「・・・行く」


「そんじゃミディア、行こうか!」


それにミディアは、コクリと頷いて祭と手を繋いだまま街へ出た。





「ミディアお姉ちゃん、どこ行く?」


「・・・考えてなかった」


人ごみで逸れないためしっかりと手を繋いだまま、現在姉妹になっている2人はどこに行くか考えている。



この建国記念日のお祭りには、主に3つに分かれている。




まず1つ目が飲食店が立ち並ぶ西通り。


2つ目は武器や法器が展示・販売されてる東通り。


最後の3つ目は国の騎士・宮廷魔導士と一日限定で模擬戦が出来る、王城から伸びる一直線の中央通り。




以上の3つで建国記念日のブースは構築されている。



「う~ん、食べ物はお昼でいいとして・・・この国の騎士の実力にも興味はあるけど今は法器だね。この間は結局正面に見られなかったし」


「・・・分かった」


2人は法器を見に行く事にした。






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