スキル
VRMMOは、基本的にRPGというからにはスキル(アーツ、戦技、魔法、技能、クラフト、ソードスキルなど、作品によって名称はまちまち)というものが存在して、戦闘時や非戦闘時において様々な恩恵を得られる。
だが、果たしてVRMMOでのスキルを発動することというものをちゃんと理解している者はどのくらい居るのだろうか。
■スキルの発動方法
VRMMOとは、技術云々はともかく、仮想空間において自分自身がまるで本当に異世界に居るかのように動き回り、戦い、人と接することが出来るゲームである。
では、VRMMOでのスキルの発動方法とは如何なるものであるか?
コントローラーもマウスもキーボードも無い状態でどうしたらスキルが発動できるのか?
VRMMOは異世界ではなく、プログラムを組み合わせて作られた仮想世界である。
スキルという名のプログラムを起動するためには、当然トリガーやスイッチと呼ばれる発動条件を満たす必要がある。
よく、技名を叫んだり、発動したいと考えただけでスキルを発動しているような作品があるが、私的にはこれにリアルさを感じない。
そう、システム的に現実味が無いのだ。
技名を声に出してスキル発動。では非戦闘時に技名が口から出た場合はどうなるのか。どこで発動するしないを判断しているのか。
(ここで必殺技を使う……!)と考えてスキル発動。これは何処のタイミングでシステムがスキルを発動すると判断したのか。
これらの発動方法は物語上とある設定がされていば別に疑問としては出てこないものである。
その設定とは――――『システムが思考を読み取っている』という設定である。
これならば上記の発動方法でゲーム上のスキルに関しては何ら問題は無い。
問題は、『思考を読み取る』という常軌を逸したオーバーテクノロジーがたかがネットゲームに使われているという点である。
(このスキルを使いたい)という思考を読み取るということは、表層心理で思考した全てはシステム側で管理されているということになる。
表層心理の思考全てを記録として残され管理される、これの危険性は少し考えれば容易に想像がつくだろう。
現在の科学力では、脳波によって喜怒哀楽が分かる程度。リアルタイムで具体的に何を考えているかなど例え未来科学でも不可能に近い。
よって、VRMMOのような現実的だがシステマチックな仮想世界のスキル発動には、外部からそれと分かる明確なトリガーが必要なのである。
SAOでは自分の体で『プレモーション』という定められたポーズをすることで、システムがそのポーズを検出してスキルを発動させているのだと思われる。
MLOでは最初に設定した『始動用キーワード』を発声することによってその後に発声する言葉を『呪文詠唱』だとシステムに認識させている。
適当なスキルの発動は、設定の根本に疑問を生じさせる。
VRMMOは異世界ではなく、プログラムされたゲームなのだということを理解して設定を考える必要がある。
近々追記します。
感想、質問、指摘、お待ちしています。




